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Midjourney漫画作成ワザ:キャラクターリファレンスを使って漫画を描く

漫画作成に避けては通れない一貫性問題を解決

Midjourneyにいよいよ導入された「キャラクター・リファレンス(Character Reference)」機能。特に漫画を作成するにあたっては非常に重要で、今までは--srefを使ったり、たくさんの画像を読ませる、素直にStable DiffusionでLoRAをつくるなどさまざまな方法がありましたが、それらと比較すると超絶楽な方法で同じキャラクターを出すことができます。
(解決、と言いましたが「楽」という点で他を凌駕しているものの、やはりLoRAや他の方法が優れている点はあります)

具体的な機能の使い方としては、キャラクターの画像URLをプロンプトに追加し、必要に応じてキャラクターの特徴(顔、髪、服など)の反映度合いを調整することができます。

この機能の主なポイントは以下の通りです:

  1. Midjourneyで生成されたキャラクター画像を継続的に使用する

  2. プロンプトに--cref URLを追加し、キャラクターの参照画像へのURLを指定します。

  3. strength(強度)を調整することで、キャラクターのどの部分を反映させるかを制御できます。strength 100 (--cw 100)は顔、髪、服全てを反映し、strength 0 (--cw 0)は顔のみに焦点を当てます。

  4. ただし、このテクニックは限界があり、非常に細かい特徴(くぼみ、そばかす、Tシャツのロゴなど)を完全にコピーすることはできません。

参照画像はこのように画像のアドレスをコピーすることで取得できます


実際の使い方としては、プロンプト --cref 画像URLの形式で、--crefコマンドと参照画像のURLを用いてプロンプトを組み立てます。この際、プロンプトと--cref--crefと画像URLの間には半角スペースが必要です。

漫画のキャラクターを再生成してみた

元画像

まずこの画像をDiscordでアップロードします(コメントなどは不要です)。そして画像を右クリックすることでアドレスを取得します。

https://i.mj.run/u/502bbeb4-f040-4ab4-b962-c551623bba99/981f10793c2901ceba8b05934b9a722b84d99d967fcbada1adb15fa20976ac53_384_N.webp

これをベースに下記のようにプロンプトをつくります。

(masterpiece), (japanese manga), (detailed lineart), (high contrast), (monochrome) a girl, chatting in a small dorm room, using her laptop, smiling --cref https://i.mj.run/u/502bbeb4-f040-4ab4-b962-c551623bba99/981f10793c2901ceba8b05934b9a722b84d99d967fcbada1adb15fa20976ac53_384_N.webp --cw 100 --niji 6

作成された画像はこちらです。--cwは100で設定したのでパーカーのはだけ具合まで再現されています。

ちょっと目が常に見開いてしまっている感じがしますね。これを何度も使うとちょっとイっちゃった子に見えます。また、再現させたい場合は背面も含めた全身像も欲しいところです。
ベースの画像を三面図にしてみましょう。

三面図の作成

三面図とは正面、側面、背面の3面から見たキャラクターの画像となります。再現をするという意味では全身が必要ですが、これがなかなか大変です。
まずは元画像となる三面図の作成プロンプトがこちらです。

(masterpiece), (monochrome) (detailed lineart) (japanese manga), (black and white) three-view drawing of a girl with glasses, fullbody,from head to toe, same clothings (concept art, official art,full body)(three sided view:1.3), simple background --cref https://s.mj.run/f3u4bGnyFcE --cw 80 --niji 6 --ar 16:9

とくに(concept art, official art,full body)(three sided view:1.3), simple backgroundが有効でしたが、くどくどFull Bodyと言ってもなかなか生成してくれないので何回かガチャを回す必要はあります。
ぱっと出てくるものはこういう感じです。

三面図をベースにするとよりバリエーションを出すことができます。

しかし、まだ問題はあります。現状苦戦しているのは
・後ろ姿
・目を閉じた顔
です。

後ろ向いてくれない問題

キャラクターの背面を描く、というのも意外と難しい作業です。これはラッキーで背後を書いてくれていますが、背面だけのキャラクターベース画像をつくるのも手です。
というのも生成AIは単一のキャラクターのイラストを描くのは得意ですが、複数の特定キャラクターがいろんな構図で配置されている絵は苦手です。その筆頭が後頭部。

たとえば、単純に後ろから描いてと言ってもこうなります。

(masterpiece), (monochrome) (detailed lineart) (japanese manga), (black and white) a girl in pajama, show the back of her hair, stretching, on her bed

ここで、キャラクターリファレンスで背面だけのものを持っていると

無事こうなります。(それでもこっち見ようとする笑)

目を閉じてくれない問題

また、キャラクターリファレンスすると目も意外と閉じてくれません。頑固なまでに元の顔の通りです。

元画像

生成画像

これは目を閉じて「よしよし」と言ってる感じにしたかったのですが、がんびらきです。一方ボブの子は目を閉じていますが、これはキャラクターリファレンスなくプロンプトだけで生成した子だからです。

Vary (Region)様頼み

これはもう一番早いのは局所的に修正することですね。ただ、若干もとの顔から崩れることがあります。特徴的な顔をしている場合は目を閉じているベース画像も持っていた方がいいかもしれません。

なんやかんやキャラクターリファレンスは楽しい!

色々難点はありますが、Stable DiffusionでLoRAをつくることに比べたら超絶簡単です。精度もまあまあいいです。
背景が変わることはあるものの、キャラクターの一貫性はかなり保ちやすくなりました。また、他で生成した画像をこちらにリファレンスとして使うことも可能なので、そういった意味でも便利ですね。

日頃は生成AIを使って漫画を作成しています。
まだ拙い作品ばかりですが、「こんな感じのことができるんだな」というショーケースとしても面白いかなとは思いますので、ぜひ一度見て見てください!
https://note.com/yachimat/

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