渋谷哲平「Deep」に見る、音楽性とエンタメ性。
「渋谷哲平」と聞いて「ああ!」という方と「誰?」という方に別れると思う。
彼は70、80年代のアイドルで、「レッツゴーヤング」のサンデーズに所属していた甘いフェイスの男性アイドルだ。
因みに堀越で聖子ちゃんと同級生であった。
私は勿論「ああ!」と思う年代なのだが、あまり彼のことについてはよく知らないし、この曲もリアルタイムではなく、レッツゴーヤングの同窓会的な(多分番組終了時)ゲスト出演時に聴いてうっすら耳に残っていた。
今回は何故か某動画サイトでおすすめされてしまったのでうっかり(?)見てしまったのだ。
うわああ、懐かしい!!
渋谷哲平、めっちゃ踊ってる!!
スタイル抜群!!
歌が安定してる!!
スクールメイツ、イカしてる!!
なんだか初めて見たような錯覚に陥り、驚きと共に新鮮な感覚に包まれた。
いや、寧ろ当時の彼の「Deep」は初見なのだと気付いた。
視覚的には勿論、その楽曲のキャッチーさも素晴らしいじゃないか、と。
一体誰の提供なんだろうと調べてみたら納得せざるを得ない結果に。
「Deep」渋谷哲平(1978年)
作詞:松本隆
作曲・編曲:都倉俊一
お、大御所!!(いや当時は若い)
このキャッチーさは都倉氏ならではのピンクレディー的な風味を醸しているのかもしれない。
そして私には聖子ちゃんでお馴染みの松本氏だが、「青い海(うみ うみ)」等の断片的な追っかけコーラスアレンジは予想外だったのか、それともそうしたほうがいいと思ったのか、私的にはそこにとても興味が湧いた。
是非知りたいけれど真実が語られることはまずないかな(涙)
先日、TBSラジオ「木梨の会」を聴いていたら、松本隆の作詞家生活50周年を記念した武道館コンサートを観に行ったことを憲武さんがお話していた。
成美さんの「風の谷のナウシカ」が一番の目的だと思われるが、松本隆作詞曲ベストテンを初っ鼻から炸裂させるくらいには盛り上がっていたので、かなりそれは内容の濃い楽しいコンサートだったに違いない。
また話が逸れてしまったが、この特徴的なコーラスをネタにしたのはとんねるず。
関連で出て来た映像がコレだった。
キレ味抜群の渋谷哲平のダンスと王子テイストの白タキシードが素敵で、ネタとして扱われてもクオリティを維持しつつしっかり笑いも浚ってゆく潔さ、たいしたものである。
おかげです、は毎週見ていた筈なのにちっとも思い出せなかったなあなんて思いつつ、沢口靖子の可愛らしさと現在もその美貌が変わらないのが凄いと驚愕したのと、おかげですのタイトルロゴってソメッチ(PATiPATi読者ならお分かりだろう)こと染谷氏だったんだあと懐かしんでみたり。
とんねるずがネタにするくらい、この渋谷哲平の「Deep」は印象的な曲だったのだろうし、一緒に踊り歌っているところを見ると二人も楽しそうだし、本人も楽しそうだし、見ているこちらも楽しいという、音楽と笑いの良い融合例だと思う。
そう考えると、とんねるずは数々のアーティストをイジリながらも多大なリスペクトと共に音楽を楽しませてくれた稀有な芸人だといえる。
また色々寄り道をしてしまったが、渋谷哲平の「Deep」は私にとって、とても耳に残る素敵な曲だと今更ながら気付いた。
松本隆のドラマチックで実はロマンティックな夏の大人のお伽噺のような歌詞と都倉俊一的な怒涛のハードなインパクトメロディーがギャップを生みながら、歌う渋谷哲平の安定感とアイドル感のバランスが抜群にいい。
是非、一度じっくり見て、聴いていただきたい一曲だ。
(加藤シゲアキくんに似ている気がする、という独り言)
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