見出し画像

『 予期せぬ出来事 』

少しづつ、身体も心も回復し

順調に、着実に、いい方に向かっていた。

スタッフとも、阿吽の呼吸で仕事が出来るようにもなっていった。

余談になるが、その頃の僕は(JAZZ BARで働いてからのこと)

女性客から、かなりの人気があった。

(現在とは大違いである)

同時の写真が見つかったので載せてみる。

右から二番が僕。これが当時のスタッフ。


一年、二年と時は経ち

Le Jazzでのやることは、やり切った。

そんな思いが芽生えていて、そろそろ独立かなぁ…などと考えていた。

そんな矢先…。


僕は32歳になった。(11月)

そして、その頃は母とふたりで住んでいた。

一月末のある日、(僕は休みの日だった)

その日はとても寒い日だった。

僕は出かけていたのだが、夜10時頃帰った。

ちょうど、母がお風呂に入るところで

少し余談をしてから、母はお風呂に入った。

すると間もなく

ドン!っという音が聞こえた。

慌てて、お風呂場に行くと

開けたドアと一緒に母が仰向けに倒れてきた。

目をカッと見開いたまま、口も開いた状態で全く動かなかった。

急いで救急車を呼び

市内、君津中央病院に搬送された。

妹にも電話をして、すぐに駆けつけた。

30分ほど、待合室で待たされたあと

医師に診察室に呼ばれた。

「くも膜下出血です。完全に脳動脈瘤が破裂しているので

開くこともできません…。

残念ですが…。」と、言われた。

妹はすでに泣いていて、ベンチに連れて行き

ふたりで朝まで、項垂れていた。

妹の手を握りしめ、とにかく信じよう。

信じよう。と何度も言った。

むしろ、それは母が亡くなることから

目をそむけるために言っているようだった。

そして、運命の朝を迎えた。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?