わたしの暮らす街の店
私の暮らしている街には、息の長い小規模な個人商店が多い。顔馴染みの店に行くと、「あ、どうも」とか、「こんにちわ」とかをはじめに言う。相手も「毎度〜』とか、「今日は一人?」とか言ってくる。
「こないだワンちゃんと歩いていたわねぇ。」(どこで見られたんだ?と内心焦る)と話しかけてくる肉屋のおばさんは声のトーンが高い。
「これっ美味しいよぉっ!」と旬だが結構高い野菜を勧めてくる八百屋の太ったあんちゃんは、くれぐれも生活習慣病に気を付けて欲しい。
同じ団地の同じ棟に住んでいるケーキ屋のおばさんは、ほぼ、おまけを入れてくれる。ほぼ、なので、おまけが入っていないこともある。
家族経営のお寿司屋は、長男が二代目大将になり、お父さんは胡瓜の海苔巻きを作っていたり、配達に出かけていることが多くなった。お母さんはお喋り好きで、よくツッコんだ質問をしてくる。いつも厨房にいる次男は影が薄い。お父さんとお母さんは、時々、客の前でマジで口喧嘩をする。
時間帯によっては激混みで入れないサンドイッチやスパゲッティも美味しいアイスコーヒーが絶品の老舗喫茶店。4人がけのボックス席に、一人客の割合が多いから店が混むんだ。なぜ、そのままにしておくのか。
950円の定食が人気過ぎて店がまわらなくなり、休業中の割烹屋。店主の兄ちゃん、忙し過ぎて、燃え尽きたんじゃないだろうか。
他にも、フロアーの接客がホテル並みにキチンとしているが、この町でラブホテルも経営しているファミリーレストラン、店員の平均年齢が70歳のDIYショップ、試し飲みをガンガンさせてくれる酒屋、週に1回は買っちゃうパン屋がある。
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