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適切なタイミングで適切な場所にいて、適切なことしているかどうか。結局はそれがすべて

今回のCOVID-19禍を色々見ていて思うのは、「適切なタイミングで、適切な場所にいて、適切なことをしているか」というのが、結局人生での大きなファクターなんだな、ということ。


このnoteを書いている1週間ほど前に、ヨーロッパでは軒並みの国が国境を封鎖して、入国ができなくなった(現地在住の人が、日本に戻るために出国することは基本的に問題なくできる)。


かくいう自分は、ヨーロッパで有効な査証(ビザ)を持っていて、この制限が加わる1週間ほど前に、日本からヨーロッパに戻ってきた。


ぶっちゃけた話をすると、僥倖でしかない。


もともと、この2月3月で日本に戻る予定は去年の11月頃に決めていたし、チケットもその時期に買ったので、今回の騒動は当時予想だにしていなかったわけだけれど、2月の日本帰国、そして3月のヨーロッパ戻りは共に、関係当局からの情報もつぶさにチェックをして、特に問題がないことを自分なりに判断していた。


なので、振り返って見れば「間一髪」セーフという状況ではあるけれど、自分は特に問題もなく、今回は日本とヨーロッパを行き来することができた。



問題は、この時期の後で、ヨーロッパで身動きが取れなくなってしまった人だ。自分の直接の知り合い、というわけではないけれど、ヨーロッパのシェンゲン外(普段から、周辺諸国との移動には必ず国境審査が必要な国)で、ほぼ軟禁状態になってしまった人も、色んな方面からの情報を参照していると一定数いるらしい。


ただ正直、こういう人たちに対しては、ある程度の同情は禁じ得ないものの、「行動のタイミングが悪い、かつ、行動の方向性が間違っていた」という感想のほうが、大きい。


例えばこの時期に、有効な査証を持っていない状態で海外を旅行するのは、リスク管理の観点からすると、あまり好ましいものではない(実際にヨーロッパは、有効な査証を持っている人であれば、他の状況も鑑みて国境の移動は可能であることを、当局が表明している)。


片や、査証がないということは、あくまで短期滞在者という位置づけになってしまい、今回のような状況下においては、デメリットしかないように思う。


もちろん、今回のような「想定外」の状況が起こるなんてことは、この世の人々の何パーセントも考えてはいなかっただろうが、だからこそ、「いざ」という時のために身軽に動けるような体制を確保しておく、ということは、普段から考えられることであるし、準備しておけることでもあると思う。


自分の場合、

・一時的なものではあるが査証を持っている

・ヨーロッパにもシェルターがある

という状態であるが故に、今のところ問題なくこちらでも生活を営めているが(仕事がリモートで、今のところ物理的に影響を受けていない、というのも大きい)、いわゆる海外を旅するバックパッカーやノマドには、あからさまな逆風になっているとは、他人事ながら想像に難くない。


ただ、各人の状況の如何にもかかわらず、数週間前からの一連の騒動や各国の動きをフォローしておけば、

・このタイミングで取れる行動

・このタイミングで取ってはいけない行動

・このタイミングでいていい場所

・このタイミングでいてはいけない場所

というのは、自分なりに判断ができるものでもあると思う(そして、この「タイミング」「行動」「場所」については、各人の個別のファクターの違いもあって、万人に当てはまる共通解というものはない)。


恐らく、自分の場合も、周囲の環境が少しでも違っていれば、ヨーロッパに戻る判断を変えていたかもしれないし、一旦こちらでの暮らしをリセットして、日本で体制を立て直す、という方向に全振りしていたいたかもしれない。


しかし、そういう行動を取らなかったのは、自分の置かれている状況を整理して、自分が抱えている課題と、その利害関係者との関係性を整理して、今取っている行動が適切であるから、と自分なりに判断したからに過ぎない。


そういう意味では、今後の状況の変化次第で取り得る行動の方向性を3つほど考えていて、いつでも「最悪の事態」を考えながら、その場合でもできるだけ被害や、周りへの影響を少なくして物事を済ませられるようには考えて、スタンバイはしている。



逆に言えば、自分の置かれた環境や、周りの状況をきちんと考えれば、

・適切なタイミング

・適切な行動

・適切な場所

というのは、ある程度分かるものだと思うし、「この手はないな」という、切り捨ての選択肢が真っ先に分かるはずだとも思う。



そういう「最悪の事態」を想定できずに、なんとなく行動を取っている、問題の解決(取り組み)を先延ばしにしている、というのは、他でもない責任回避にしか過ぎないし、危機感がなさ過ぎるのではないか、とも思う。



「運が悪いは目が悪い、目が悪いは頭が悪い」


という言葉をどこかで聞いたことがあるが、この言葉は、ある側面においてはまことに真なり、ということを、今回の一連の事態を色々と眺めていて、思ったものである。

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