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地方における今後の大学創設への考え方について R3.6予算質問通告文⑦

 10年前、県議になって以来、私は幾度か大学の創設について提言してきました。そのときの担当の方々との話し合いの中で、この少子化の中で、大学なんてつくっても学生が集まるのか。芸工大・公益文科大ですら大変な状況だから、そっちのサポートが優先だ。というようなにべもない反応が返ってきたのを記憶しています。
 しかし、数年たって東北農林専門職大学の設立が意思決定されました。知事が決断すれば大学の創設も可能であることを思い知りました。
 となれば楽しみなのは次なる大学創設です。都会の大学を地方に誘致するという考え方もありますが、そんな風に国が舵を切ってくれるかは甚だ疑問です。やはり自分たちで創設するしかないと思います。
 しかし少子化の中で山形に新たな大学をつくっても学生が集まらない、というのも真実でしょう。その際に参考になるのが、以前から紹介している大分県別府市の立命館アジア太平洋大学です。この大学は立命館が半分、大分県と別府市が4分の一ずつ出資して、運営は民営の大学です。二千人規模の学生の半分は留学生で、完全英語授業。日本人は完璧な英語、留学生は完璧な日本語を習得できるというのが魅力です。東南アジアを中心に優秀な人材が集まり、日本人からの人気も高い。
 少子化の日本ばかりを見るのでなく、東アジア東南アジアを視野に入れた大学創設ならば可能でしょう。すごいのは二千人規模の大学がちゃんと民営で経営できていることです。そして二千人という学生がちゃんと入学してきて、地域経済に大きな効果をもたらしていることです。
 翻って山形を考えた時、どんな大学が創設できるかを考えると、今後復活するであろう観光分野が注目されます。日本の観光サービスは輸出できるレベルですし、観光はまちづくりに直結しますから、経済興隆著しい東南アジアの人材にしてみれば興味がある分野です。山形県には温泉地が各地にありますから、広大なキャンパスを郊外につくる必要はありません。メインキャンパスはつくるにしても、専門職大学に必須な実習場所は、旅館ホテルでやればいいのです。そして講師は観光とまちづくりで実働している経営者たちがいます。もちろん半数以上の大学で教えられる教員確保の問題はあるわけですが。
 また、山形の強みという意味では醸造大学というのも面白いかもしれません。これはそんなに大規模な大学にはできないかもしれませんが、山形の日本酒、ワイン、漬物の技術は世界レベルでであり、人材も全国に冠たるものがあります。独立した大学じゃなくとも、既存の大学の一学部として創設するといったことも可能でしょう。
 いずれにしても大学創設は夢物語ではありません。すでに兵庫県豊岡市では芸術文化観光専門職大学が創設されました。
 山形県として、若者の県内定着等に繋げていくためにも、今後県内に大学を積極的に創設すべきと思いますが、総務部長の考えを伺います。

※実際の質問では、時間切れで質問できませんでした

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