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3 マスクの無い日常への回帰について R5.2月定例会一般質問③

 1月27日、政府は5月8日をもって新型コロナウイルスを5類相当とすることを発表しました。何度か2類相当などという危険なウイルス分類から下げるべきだと発言してきました私としては、ずいぶんと遅きに失したような気もしますが、つい先日までゼロコロナ政策などという無茶な政策をとっていた国もあることですし、一昨年ころまでは同じくゼロコロナを主張する日本の野党もあったくらいなので、仕方がないとも思われます。
 新型コロナウイルスなど大したことはない、と言おうものなら袋だたきに遭い、コロナに罹っただけで犯罪者扱いされる。さらに、コロナ禍では様々なことが悪者にされました。最初はパチンコ屋が悪者にされ、つづいて旅行とGOTOキャンペーンが悪者にされ、大勢での会食が悪者にされ、それによって多大な犠牲が払われました。国民全体がそんな狂乱にあったから仕方ないとも言えますが、それを引き起こした一部専門家とマスコミにも大きな責任があると思います。それなのに、「5類に下げる判断が遅い」などと論じるコメンテーターには憤りすら覚えます。
 いずれにしても、5月8日をもって本当の意味でのアフターコロナが始まるのだと期待したいと思います。
 ただ、三年間も狂乱が続いたものですから、コロナ禍で感染防止に有効だとされていたものが社会からなくならない恐れがあります。どれほど科学的根拠があるのかわかりませんが、いまだに朝食ビュッフェのトングを握るときはビニール手袋を義務づけているホテルもあるくらいです。目の前のアクリル板もその一つで、5月8日以降は不要のものと考えます。
 大きいのは、手の消毒と体温計です。手の消毒は感染防止に有効だったのでしょうが、手荒れに苦しむ人もいるのですから撤去していいものですし、体温が高い人を入店拒否などしたら、5月8日以降、人権侵害になる恐れすらあります。
 過ぎ去ったから言えることですが、コロナ感染防止策はもちろん有効なものもありましたが、批判を回避するための世間に対する言い訳のような、科学的根拠の無いものも多かった気がします。こうした「コロナ禍の残滓」がすべて撤廃されてはじめて、アフターコロナは訪れるのでしょう。
 その象徴と言うべきものが、マスクであります。
 政府は、3月13日からマスクの着用を「個人の判断に委ねる」という方針を示しました。ようやくマスクの無い日常に戻れることになります。
 むろん感染防止へのマスクの有効性を否定しているのではありませんが、三年もの長きにわたってマスクは感染防止の絶対兵器のように扱われてきました。マスクをしていないことが悪で、マスクをしていないと入店や乗車が断られるような状況が続いてきたのです。3月13日あるいは5月8日以降、国民一斉にマスクを外せるか、非常に危惧しています。
 「欧米では」とすぐに日本と欧米を比較し日本を自虐するのは嫌いですが、確かに欧米に比べて日本人は自分の判断でマスクを外せる人が少ないでしょう。真面目な国民性と同時に、批判されることを極度に恐れる国民性もあるかと思います。
 しかし、マスクは感染防止には有効かもしれないが、弊害だって多いと思います。常に自分の呼気を再び吸い込むのですから、二酸化炭素を通常より多く吸い込みます。我々ですらマスクをして運動すると息切れが激しいのですから、小さい子どもや高齢者には決して健康に良いものではないでしょう。もちろん夏になれば熱中症を引き起こしやすくもなります。
 そして大きいのは、人の表情が見えないことです。情操教育において赤ちゃんの感情形成に人の表情が見られないのはどれほど悪影響を与えるか。乳児だけではなく、子ども若者、社会人まで、人とのコミュニケーションを著しく阻害します。この三年間、一度も素顔を見ることなく付き合った県職員さんのなんと多いことでしょうか。
 「マスクは日本の文化だ」などと言った医者がいましたが、とんでもない。面と向かって話すときにマスクをするのは三年前まで失礼とされてきたのです。
 くり返しますが、マスクの感染防止への有効性を否定するものではありません。しかし、くせ者なのは、3月13日以降マスク着用が個人の判断に委ねられたとしても、5月8日以降、コロナが5類に下がったとしても、「最低限の感染防止に務めてもらいたい」などという言葉なのです。
 そんなことを言ったら、コロナから国民は解放されません。季節性インフルエンザと同じ五類になるということは、その病への感染防止が義務ではない病になるということです。それなのに努力義務を与えてしまっては、感染防止があたかも義務であることが続き、いつまでたってもアフターコロナは訪れないでしょう。そうなれば、マスクはつけ続けなければならないし、大人数での会食は忌避され、旅行に行くのもはばかられる世の中が続いてしまいます。
 コロナ禍の象徴たるマスクを3月13日あるいは5月8日以降積極的に外し、体温計やアクリル板など、コロナ禍の残滓を撤去していくことが、アフターコロナを創る第一歩と考えますし、「マスクを外そう県民運動」が必要だとすら考えますが、マスクをはじめとする感染防止策の不要性の周知、通常の生活に戻ることの重要性についてどう考えるか、防災くらし安心部長に伺います。

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