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古田 亘 流鏑馬が見たいんだよね。 [第5回] 「白い罌粟(けし)」

立原正秋という作家が好きだ。
彼の「白い罌粟(けし)」という作品が好きだ。
あやしく、美しい男がいて、その男に狂おしいほどに惹かれてしまう。
その人に褒めてもらいたい、その人に言葉だけでもかけてもらいたい、
そんなことを考える自分に恥じ苛立つ。そしてその人に嫉妬を覚える。
その人の仕事は分からない。優雅な気品はどこから来るのか。
自分の人生はどうだ。こういう男になりたかった。

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読んでいると僕の価値観と目の前の景色が緩やかにグニャっとよじれます。
その人が書いた作品で「流鏑馬」というものがあります。

(写真 : 鎌倉 鶴岡八幡宮)

(この連載は毎週火曜日に更新予定です)

古田 亘(ふるたわたる)
1971年、静岡市生まれ。制作会社にて様々なメディアコンテンツのプロデュース、ディレクションを手がけ、2001年に独立。浅野忠信初監督作品「トーリ」(’04年)のプロデュースや、サーフドキュメンタリー映画「アドア」(’07年)の監督として注目を集めた。テレビ番組、舞台演劇、映画などの写真、デザイン、映像演出を数多く手掛ける。2020年7月、写真集「YABUSAME」を刊行。神奈川県葉山町在住。
https://www.watarufuruta.com


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