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木の記憶03/木造建築が好きなんですよね?

 仕事柄「木造建築が好きなんですよね」という前提でお話が進んでいることがあるのだが、本当に良いよねと感じたのはここ最近だと思う。
 小さい頃は築100年以上の木造の家に住んでいた。子供ながらに「暗いから怖いし、ギシギシ音はするし、隙間から風が入って寒いし」というあまり良い印象ではなかった。その家の柱がシロアリにやられたことがきっかけで、住居部分のみ新築することになった。両親は改修も試みたが、あまりの金額にあきらめたそうだ。というわけで、母の同級生の建築家により居住部分のみ平成元年に建て替えられ鉄筋RCの3階建てとなった。内装については、床はボーリング場のレーン(祖父が近くのボーリング場から譲り受けたものを倉庫にとっておいたとの事)、壁や建具は祖父や母がこだわって集めた材料で作ったので、木質感満載である。
 にもかかわらず、建築に興味を惹かれたきっかけはサグラダファミリア(石)とプロボクサーから東大教授になった有名建築家の建物(鉄筋RC)だった。仕事で林業に関わるようになり木のことを学ぶ機会が多くなり、木の魅力を教えてくれる人との出会いもある中で気づいたことは、扱いやすさやメンテナンスのしやすさだ。
 少しの道具で切ったり小さくしたりくっつけたりと扱いやすい。そして良い木材であれば磨けば光る。このように生活に即した材料は他にないなと最近ますます意識している。(ヤブクグリ会長/林業係/合原万貴)

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