映画「THE FIRST SLAM DUNK」を見て

 今回は、先日見た、映画「THE FIRST SLAM DUNK」をみた自分なりのレビューを紹介したいと思う。<ネタばれ注意です>

 実はスラムダンクの漫画をしっかり読み込んで映画を見た訳ではないので、少し見当違いのこと言っていたらすみません。でも、だからこそ、言える!漫画を読み込めていなくても、十分楽しめるどころか、アツいメッセージに心を打たれるはず!もちろん、最低限、湘北のメンバーと背番号ぐらいは予習(もう一度復習)して観に行った方がいいと思う。
 
 なぜ、事前にアニメを十分、復習していなくても楽しめたのか?
 なぜなら、この映画が宮城リョータを主人公とする、いわば原作とはまた別の、もう一つのスラムダンクだと自分は思えるからである。もちろん、この自分の意見にも、あのリョータの描き方などにも賛否両論はあるかもしれないが、あくまで個人的な主観的な意見である。
 だからこそ、「THE FIRST」スラムダンクなんだと自分は思う。原作とは違う1つ目の話、もちろんここでもじゃあSecond、Thirdがあるの?と憶測が飛び交うと思うが、そんな色々な深い意味を与えてくれる映画の、このタイトルが本当に好きである。
 
 そして、この映画のテーマは何か?
 自分は宮城リョータを中心とする、そして負けた沢北をも含む人間の成長の物語だと思った。幼い時に兄ソータを亡くして、そのお兄さんを超えられない、、、ミニバス時代にも挫折をしたことが描かれていた。ミニバスの試合を見に来た人が「兄さんみたいには使えない」のようなセリフを言うが、胸が本当に痛くなってくる。そんなリョータが、兄さんを超えていこうと、もがき苦しみ、成長する感動的な胸を熱くする映画だった。兄さんからのリストバンドは最後はつけていなかったこと、母に返したいたことも感動した。もがいてもがいて頑張っていった姿に自分は本当に心を打たれた。
 
 そして、自分は負けた山王の沢北にも感動した。負けた経験こそ、その人が一番成長できる瞬間だと思う。あの山王の監督が言う、負けを知っていることが強みになる、そして、成長ができれば、それは人生において負けた瞬間ではなく、”成長できた瞬間”井上雄彦監督は敗者にもスポットをあてて、人間の成長を描いていることが本当にすごい。まさに全員の世代に観てもらいたいと思える所以である。
 
 スラムダンクの映画がこれほど流行っているのはどういうことなのか?そして、なぜ今スラムダンクの映画が”今”、公開されたのか?
 批判的な意味ではなく、この映画の公開が嬉しいし、最高だと思っているからこそ、この社会現象を分析したい思いがある。スラムダンクで青春時代を過ごした人たちを中心として、もう一回、胸を熱くしたいと思って劇場に足を運んでいると思う。もちろん、多くの世代が映画館に行っていると思うし、行ってほしいと思っている。自分は、1990年代の、青春時代の熱い気持ちを思い出させてくれた。
 ただ、「懐かしい」漫画の映画版では全然ない!映画を見てれば、分かるが、この映画か1990年代のスラムダンクの焼き増しでは全然ないというところが、井上監督のすごさだと思った。あの漫画の続編とかではなく、漫画では描き切れていなかった、新たなストーリーを押し出したところが良かったと思う。
 
 そして、胸を高鳴る演出に効果があったのは何だったのか?
 一言で音楽だと思う。
 主題歌であるThe Birthdayの「LOVE ROCKETS」とエンディングエンドロールの10 FEETの「第ゼロ感」がとてもかっこいい!
 湘北vs山王の試合中に流れる低重音のロックのような音楽もとても絶妙に入っていて、かっこ良すぎた。特に宮城が山王のゾーンプレスを突破するシーンに流れるギターとシンセサイザーの激しいロックが胸をとても高鳴らせた。劇中の音楽がかっこいいからそ、湘北vs山王の試合の最後、桜木花道がミドルシュートが決まる時の静寂感がよりいっそう引き立っていて、惹きつけられた。
 
 本当に楽しめた映画だったし、世の中で頑張っている人たちへのエールなんだと思った。多くの学生さんが受験を控えている中、そんな人たちにも励ましのメッセージのように受け取れる、胸がアツくなる最高の映画だった。
 

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