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評価ギャップを減らすために、被評価者が心がけるポイント

こんにちは。HR領域の仕事をしている薮田(yabucccchi)と申します。今回は、目標設定から期末評価までの過程で生じる上司と部下、評価者と被評価者の評価ギャップやそれを無くすために、フィードバックをどう受けやすくするかの工夫について書いてみたいと思います。

特に、評価者される側の工夫について書きたいと思います。

評価やフィードバックのテーマは、フィードバックをする側のノウハウが目立ちますが、受ける側のノウハウが少ないと感じています。そこで、今回は人事・被評価者としての経験もふまえ、評価される側としての視点から、どんな意識を持ち、どんな工夫をすると良いのかをご紹介したいと思います。


評価ギャップが起こってしまう原因を知る

評価ギャップについて考える上で、評価は3つのフェーズにおいて"どういうことが上司部下の間でなされているべきか?"を考える必要があります。大きく分けると、期初、期中、期末の3つのフェーズです。

この3つのフェーズにおいて、理想的な状態を書いてみました。

目標設定から期末評価までの理想的な状態

理想的な状態が守られていれば、評価ギャップを抑えることができます。しかし、現実にはそう簡単にはいきません。実際にどんな課題があるのかを表にしてみました。

目標設定から期末評価までに起こりがちな課題・原因

こうして見ると、評価ギャップが起こってしまう課題や原因は、評価者と被評価者のコミュニケーションやマネジメントに起因する問題が多いようです。

まずは、期初、期中、期末にどのようなコミュニケーションを取っていくかを事前に把握し、上司部下で認識が揃えておくとギャップが生まれづらくなるかもしれません。

上司に全てを委ねず、評価をうける方も工夫する

ここで、私の過去の体験をご紹介させてください。10年以上も前の話ですが、当日の上司の方に「もうちょっと行動や、実績を見せてほしい」と言われたことがあります。
若かりしころの私は、「いや、見るのはあなたの仕事でしょ?マネジメントできてないのでは?」と、思っていました。また、「アピールするのは嫌だなぁ。。かっこわるい」とも思っていました。

自分がマネジメントをするようになり、全てを見切るのは難しい。。。ということを身にしみて感じ、反省した時期があります。

私がここで伝えたいことは、「メンバーの行動を意識して見てほしい」ということではなく、評価される側も行動や成果を把握してもらえる工夫をしないと目線が合わないということです。

目標設定、フィードバック、評価がうまくいかなかったない場合、上司部下どちらか一方だけに責任があるわけではありません。双方の協力、合意のもと、どうやれば達成できるかに向き合うことが重要です。

目標と現在地のギャップを可視化する

ここで被評価者が誤ってはいけないのが、「どうすれば認められるか。高評価をえられるか。」ということに意識を向けるのではありません。

  • 期初から現在までの進行の期待値は遅いか早いか。

  • 期初に決めた期待値の優先度が変わっていないか。

というような現在地を確認しあうことが大切です。

期待よりも早ければ(高ければ)、評価者は「早いね!(高いね!)」などポジティブフィードバックをしやすくなります。自分が注力しているものが評価者や会社にとって優先度が高いものでなければ、限られたリソースを最大化する選択を一緒に導くことができます。

要は、評価されやすいように自分をアピールをすることが大切なのではなく、フィードバックされやすいように自分の現在の状況を可視化できるようにしておくと、お互いのズレが埋まります。

可視化の方法、期初、期中でやっておくと良いことをご紹介

では、どうやって可視化しておくのか?今期の私の被評価者としての事例をご紹介します。特に期初、期中に手を抜いてしまうと取り返しが付かないので、その2つに絞りご紹介します。

やってることは普通のことなんですが、意外とできてな方もいるようなので、自身の答え合わせとしても見てみてください。

【期初】ミッションを言語化し、Key Resultの注力割合をすり合わせる。

どのように達成するか。どのようなアクションをするか?というイメージもこの場で擦り合せます。ここ話すアクションイメージはあくまでも例で、この例は、変更してもかまいません。

例:24年上期の私の目標設定シートのイメージ

【期中】月に1回、アクション、アウトプット、(あれば)アウトカムを共有

私の場合、月に1回上長と上記のシートを同じ画面で見ながら、「期待通りか、期待未満か以上か」ギャップがあればそれは何故かを確認していました。

うまくいってないことや、時間がかかってること、ペンドになったことなどもオープンにすることで、アウトプットがでない理由が自分が原因か、外部要因なのかもその場でシェアすることができます。

また、翌月以降の主なアクションやそれぞれにかけるウェイトを共有し、「ウェイトにギャップはないか?」という話を毎月やっていました。そうすることで、無駄なアクションの動きがなくなり、自身の最大の成果にむけてアクションを続けることができます。

フィードバックを怖がらないための意識の持ち方

ここまでは、目標とのギャップを埋めるための工夫のお話をしました。ギャップがあればフィードバックを受けます。フィードバックには、ポジティブなものもあればネガティブなものも両方あります。

いずれにしてもドキドキしますよね。特にネガティブフィードバックをうけるのは怖いという方もいらっしゃると思います。

フィードバックを受けやすい状況を作る上で、上司部下との関係性はとても大切です。良好な関係性を築き、悪化させないために「関係性の4毒素」について少しお話しさせてください。

以下、引用です。

人間関係を壊す4つの毒素があると言います。非難、防御、侮辱、無視・逃避の4つです。

非難は、「お前が悪い」「お前のせいだ」「お前がやらないからだ」といったように、相手の非だけを責めたてることです。

防御とは、「悪いのは私じゃない」「私のせいじゃない」「そういう意味じゃない」と他人のせいにしたりひたすら自分を守ろうとすることです。

侮辱は、「どうせお前にはできっこないよ」「なんて馬鹿なんだ」「少しは考えてみろ!」といったように、相手の人格まで否定してしまうことです。

無視や逃避は、相手が話しているにもかかわらず、「風呂に入る」「もう寝る、おやすみ」などと言ってその場から居なくなろうとすることです。

https://coaching-labo.co.jp/archives/486

何かしらみなさま身に覚えがあるかもしれません。私自身もこの考え方に触れて、「防御、逃避」が毒素、いわゆる関係性を崩す要因ということを知りハッとさせられました。

「ネガティブフィードバックを受けるのが怖い」というのはおそらく無視、逃避に近い行動なのかなと考えています。こういうときにどう回避すればいいか(解毒剤はなにか)というと「心を落ち着かせる」などと言われています。

どうしてもネガティブなフィードバックを受けるときは心構えも必要です。不意にネガティブなフィードバックがきて受付けられなければ「ちょっと時間もらっていいですか?」と、相手に時間をもらうようにしてみましょう。

私も過去に上司から360度評価の結果を文章(コメント)でもらうことがありました。そのときに私から、「これは今見たほうがいいですか?」と質問したところ「元気なときに見てください」と言われたことをよく覚えてます。

心の健康状態を評価者、被評価者療法が意識をしておけると、フィードバックを受けやすくなるかもしれません。

まとめ

個人の目標設定と評価のプロセスでは、上司(評価者)と部下(被評価者)の双方が協力し、期待値をすり合わせ続けることが重要です。

また、フィードバックを受けやすい環境を作るためには、関係性の維持や心の健康状態にも意識を向ける必要があります。

これらの工夫を通じて、評価ギャップを減らし、より良い結果・成果を目指せるようになるでしょう。

余談:スタートアップ初期は目標設定に意識が向いてたけど、規模の大きくなると薄れてきた気がするのは何故だろう。

「人数規模が大きくなるにつれ、目標よりも評価に向き合う時間が増えているように感じるよね。」こんな話を友人の人事の方としていました。

人数が少ない間は、自分の目標が事業へのインパクトを与える影響が大きく、目標設定に自然と意識が向く。一方で、人数規模が増えると、目標の事業インパクトが薄れ、個々の評価結果による報酬面や金銭的なインパクトが大きくなるため、そちらに目が向いてしまう構造になるのではないかという話をしていました。

いずれにしても、目標設定はどんな規模でも大事ですので、常に重要視し続ける組織であることが望ましいですね。

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