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2024年にVPoHR(人事責任者)のバトンを渡します

こんにちは、SmartHRの薮田(@yabucccchi)です。

この度、2023年末をもってSmartHRのVPoHR(人事責任者)を退任することにしました。会社を辞めるわけではなく、SmartHR内で新たなチャレンジを予定しています

権限移譲、サクセッションプランも着々と進んでおります。

サクセッション・サクセッションプランという言葉に耳馴染みがない方は以下の引用をご覧ください。

サクセッションプラン(Succession Plan)とは「後継者を確保・育成するための計画」です。 従来はCEOの後継者を選定・育成することが中心でしたが、現在ではCEOだけではなく、幹部や管理職といった企業にとって必要不可欠なポジション(キーポスト)の後任となるリーダーを確保・育成することを指します。

SmartHR Mag.次世代を育成する「サクセッションプラン」の導入手順とポイント


では、早速後任のご紹介をさせてください。

※左から私✌、日永さん、豊田さん。

VPoHRの役割は、2つの分野に分けて移譲します。採用人事責任者は、今まで採用組織をリードしてきた日永さん(@hinas119)に。それ以外の人事領域は、アジャイルコーチとして関わっていただいていた豊田さんを正社員として迎え入れ、担っていただきます。管掌取締役はCEOの芹澤さんという体制です。

今回は、退任を決めた背景や、決断にいたった私の考えなどを書いてみました。

1. 1000人以上の組織を支えるリーダー像

当社は、来年に1000人を超える組織規模になる予定です。それ以降も事業成長とともに従業員規模も拡大していくと思います。

ここでクエスチョン!

「1000人の組織を支える、人事責任者ってどういう課題を解決していくのか。そのためにどういう経験や能力が必要なのだろうか?」

2つほど、思ったことを書いてみます。

1)「経営視点/豊富な経験」

以前、CEOの芹澤さんがnoteで「SmartHRらしい大企業を目指して」ということを書かれていました。

『組織の多様化』『人材の多様化』『そういった状況で求められる意思決定スピード』などなど。大企業になっていくと、解く課題の種類が変わっていきます。また、経営課題と人事課題はより密接になります。そんな中で、スピード感を持って、合理的な意思決定をしていくには、求められる『経営視点』は数段階上がる。CEOとタッグを組んで経営課題に取り組める、壁打ち相手になれるくらいの人が求められると思います。それこそ大企業でのCHRO経験者なんかは適任かもしれません。

私は、1000人以上の企業経営というよりは、ゼロイチのスタートアップを支える組織の人事責任者タイプだと思っています。これは組織規模の好みの話かもしれませんが、変わった方がよいなと思った1つの理由です。

2)「通意性/ビジョナリー」

合理的な意思決定の次は、チームで成果を出せるように働きかけること。過度にトップダウンをするのではなく、意思決定の背景や目標をわかりやすく示し、従業員や人事メンバーをワクワクさせる。そうすることで、チームとして成長し、成果をあげられるはず。

私自身は、トップダウンではないですが、チームメンバーと合議形成をとりながら一緒に進んでいくマネジメントスタイルです。そのやり方だと、これからの規模だとスピードが合わなくなる。また、多少の意見のコンフリクトがあったとしても、ビジョンをもってコンフォートゾーンを突破できるリーダーが必要だと思います。

1000人未満でも同様では?

1000人未満のリーダーでも必要だと思います。ただ1000人未満のリーダーは、指針を示すだけでなく、自らが実務で現場の業務をフォローすることの方が重要になるフェーズです。両方持ってると一番良いですが、そんなスーパーな人は少ないと思います。

※参考までに、初期フェーズの人事責任者の役割については、以前に書かせていただきました。よろしければ御覧ください。

いずれにしても、フェーズによって求められるマネジメント能力やリーダーシップのスタイルは変わる可能性があることを念頭におくこと。そして、マネジメント適正を自己評価をし、他者評価してもらうことを忘れず、最適な組織に変わる意識を持つことが大事だと思います。

2. 退任は組織変革のスタート

自分が描く組織の理想は、リーダーが固定化するのではなく、『変化できる組織』。これが思いとして強くありました。

そういった考えもあり、私はSmartHRに入社した頃からサクセッションを意識していました。ここ1,2年では、「新たに採用するか」「育てるのか」そんなことを考えていました。

そこで考えないといけないのは『タイミング』です。

私は、規模の大きな企業で人事をやっていたことはありますが、責任者の経験はなかったので、規模が大きめのCHROの方、数名にヒアリングをさせていただきました。「どんな課題がどのタイミングで出てくるか」「責任者の役割や必要な能力は?」等です。

ヒアリングの中で「1000人まではなんとかなる。そこからは違う。」ということをおっしゃってた方がいたのですが、その言葉がなぜか頭の中に残っていました。

自身の経験、CHROのヒアリングを重ねると、1000人の人事責任者は何かしら分岐点があるのでは?ということが確信に近づいてきたこともあり、バトンを渡すタイミングとしては800名規模の今のタイミングかな?という決断をしました。

「薮田さんも変わっていけばよいのでは?」と、思われるかもしれません。

ただ、自分のマネジメントの種類、形を考えたときに、今後のリーダーに求められるマネジメントの種類、形を持った人に渡す方が、成長スピードが速いSmartHRにはあっているように思います。

何より、引き継ぎをすることで、VPの役割を整理できます。これまでの考えや習慣を時には捨てるくらいの変化が組織成長には必要だと思っています。まさに、退任というのは組織変革のスタートだと考えています。

日本では、サクセッションについて考えられることは少ないかもしれません。サクセッションを早め早めに意識しておくことは非常に重要だと思います。

3.後任への期待

今回、退任や後継者選びを私1人で決めたわけではありません。CEOの芹澤さんや、CEO室の皆さんとで、理想の人事組織構造を議論をして決めました。

もし、人事だけで人事組織の将来を考えている方がいたら、おすすめしません。この規模になると経営と人事はより密接です。1000人を超える組織になると、人事課題は経営課題と一体で考えないと組織は変革できないと思います。

また、将来の人事組織像を人事だけで考えてしまうと、客観性が不足する。主観が入ってしまったり、これまでの積み重ねが頭によぎる。組織を見つめ直す上では、経営+人事で検討するのが適切だったなと実感しています。

SmartHRの強みは、経営が人事に対する意識が高いことだと改めて感じています。

採用責任者の日永さん

私は、サクセッションは、社内から抜擢するのが理想と思ってます。日永さんは、通意性、説明の明確さがある方です。かつ、やわらかいリーダーシップができる一方、数字も強く目標達成に向けてリードができる方です。それでいて、チームメンバーから信頼される稀有な方です。

SmartHRでは、今までキャリア採用のみだったんですが、新卒採用など、他の採用手法に取り組んでいく予定です。より強固な採用活動をしていく上で、チームで成果を上げられる組織作りをお願いしたいと思います!

人材・組織開発責任者の豊田さん

私たちのこれからの経営テーマの1つ。それは、「育成文化の醸成」です。どういう人を人事リーダーに置くのか?というのは、経営メッセージだと思ってます。豊田さんは、人材育成や組織づくりに精通されている方で、すでにSmartHRでも実績を上げていただいております。

また、人事組織自体の組織づくりに関わっていただき、他の組織のマネジメント層が参考にしたくなるような組織にしていただきたいと思ってます!

ちなみに、先程、サクセッションは中から抜擢するのが理想という話をしました。理想と現実の間でいかにうまく成果をだすのかを組み立てるのが人事だと思います。SmartHRは非常に成長スピードが早い会社なので、豊田さんのような、パラシュート人事は一定数必要だと思います。

(すでに業務委託として実績があるので、真のパラシュート人事と言われると難しいのですが、、、)

そういうわけで、今回は、社内からの抜擢とパラシュート人事のハイブリッドで、後任の選出をいたしました。

チームで組織を支える人事組織に

人事というのは幅広い。この規模で全ての人事を管掌できるリーダーを探すとなると、なかなか見つからない。まずは、採用、人事それぞれに責任者を置き、人事組織をリードする体制にしました。

また、2名だった人事もこの5年で30名を超えるチームになりました。それぞれが個性をもった優秀なメンバーが集まっています。来年から新体制になりますが、これからの人事チームがどうなっていくのかとても楽しみです。事業とともに、組織も個人も成長していっていただけるでしょう!期待!

4.責任者のネクストキャリア

私、退任しますが退職の予定はありません。やぶちゃんやめへんで。

仮に私が退職してしまうと、VP・執行役員のネクストキャリアは社外にしか目をむけられないポジションに見えてしまうと思います。VPが社内キャリアの終着点に思われてしまうと、サクセッションを意識したいのに、VPの魅力が減ってしまう。。。それは避けたいです。

私が目指したいのは『変化できる組織』。サクセッションが促進される環境作りです。まずは、未来のVPの抜擢や育成、VPが交代しやすい仕組みづくりをしようと思います。

変われる組織は強い。変われる人は成長する。

ちなみに、過去にもPMMのVPが退任し、グループ会社の立上げをしています。

私はグループ会社に行くわけではないですが、VPのネクストキャリアの選択肢が社内に複数あることで、既存のVPも交代しやすくなるように思います。

交代することだけが正ではないですが、フェーズによって変われる仕組みを作ることは、最初の人事責任者だからこそできることの1つと考えています。

それ以外にも、元人事責任者だからこそやることはあると思っています、どんなことをやるのか、具体的なお話はまたどこかでご紹介させてください。

社内だけでなく、社外にも自分の経験を活かせる動きをしていく予定です。既に、スタートアップの人事支援を副業でさせていただいています。

今より時間に余裕ができるので、私が何か貢献できることがあれば、協力していきたいのでカジュアルにお声がけください。

スタートアップの成長にお役立ちできると幸いです。

【PR】SmartHRで働きませんか?

本来であれば、CHROも必要になる組織の大きさです。人事の管掌役員はCEOの芹澤さんですが、ずっとその状態を継続できるわけではないです。1000人の壁を超える企業のリーダー像を見て、ピンときた方いませんか?!まずは、今のSmartHRってどんな状況?という情報交換からでも良いので気軽にお声がけください。

このnoteも求める人材像の参考になれば幸いです。

人事だけでなく、これからのSmartHRの規模を支えられるリーダーも募集しています。今までは、パラシュート人事もしていませんでしたが、今回のようにチャレンジもはじめています。ぜひぜひ、ご応募ください。


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