鎌倉のカリー

2月にしては、暖かい日のこと。

鎌倉は大好きな場所だというのに、かなり久しぶりの訪問でした。平日でも、鎌倉駅はものすごい人。せっかくだから仕事の前にランチをしようと、長らく気になっていたお店に行くことに。

小町通りをまっすぐ。左手に、奥まった建物が現れました。すごい行列…は1階のアクセサリー屋さんで、目的のお店は2階。待っていたのは7〜8人ほどだったでしょうか。「1名さまなら、早めにご案内できるかもしれません」と、女性の店員さんが整理券を渡しながらやさしく声をかけてくれました。

バルコニーに椅子が並んでいて、メニューや鎌倉のガイドブックを読みながら待てるようになっています。初めてなので定番メニューを食べようと決めていたので、本を読むことにしました。大好きな作家さんの新刊。

評判通りにとても素晴らしい作品で、読み進めるのがもったいないような気持ちでページをめくっていました。日当たりが良いバルコニーでは、コートを着ていると暑いくらい。暖かくてうとうとさえしそうで、なんだかものすごくしあわせな気持ちになりました。

30分ほどで順番が来て、先ほどの店員さんが案内してくれました。カウンターテーブルにもう食器がセットされていて、スペースは椅子2つ分。お隣に人が座らないように、配慮してくださったようです。混んでいるのに申し訳ないな…と少し思いましたが、心づかいが素直にうれしかった。機械的な接客ではなくて、「私のため」だと感じたのかもしれません。

注文は、エスニックそぼろカリーとアイスチャイ。間もなくやってきたチャイは、ビーカーのようなグラスに入っていて、一口飲んでハッとしました。なんというか、「丁寧につくられたもの」というのは、きちんと人に伝わるんだな、と。

そして待ちに待ったカレーも、空腹のせいじゃなく、心から美味しかったのでした。食べ終えるのがもったいなくて、ゆっくり食べたいのだけど、それでもスプーンが止まらないような。

いつまでもいたかったけれど、おやつの時間が近づいてもまだ混んでいたので、あんまり長居しないうちにお店を出ました。バルコニーで浴びた陽射し、店員さんのさりげないやさしさ、カリーの味。いろんなことが合わさって、「行ってよかったなぁ…」と心から思った帰り道でした。お土産にしたショートブレッドとパウンドケーキも、もちろんすばらしかったです。

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オクシモロン コマチ（鎌倉駅から徒歩7分）

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