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台湾のインテリア設計事情

台湾で使われているCADソフト

台湾で使用されているCADはほぼ全てと言っていいほどAUTOCADです。なぜ日本みたいにいろいろなソフトが使われていないかは色々な理由はあると思いますが、私個人的には下記の理由によるものだと思います。

・AUTODESK社が台湾での普及に力を入れていて成功した。
 以前にBIMについて色々と調査をした際に聞いた話ですが、建築系CADの初期導入期にAUTODESK社が色々なキャンペーンを展開して、一挙に市場を独占したようです。ちなみにBIM業界ではREVIT一択の様な状況です。
その影響がインテリア設計の方にも出てきているのだと思います。

・その当時は繁体字に対応するソフトが少なかった
 台湾の人は簡体字も問題なく読める人は多いですが、やはり繁体字であることの好影響は大きいと思います。ちなみに日本のインテリア事務所でよく使われているVectorWorksは簡体字版しかなく、台湾では存在すら殆ど知られていません。

・大学の授業で教育版AUTOCADを使用している
 
多くの大学において教育版AUTOCADを利用して授業を行っているので、その後も何の疑問を持たず使い慣れたAUTOCADを使用続けているだけと思います。

正直、台湾の建築及びインテリア業界自体においてAUTOCADが既に標準化されているので他のソフトが今更入る余地もないような気がします。
上記にも書いています以前BIMについて調査した際に、BIM関連団体が部品共有プラットフォームの設立の話が出てきていましたが、その際もRevit一択での前提ですべての話が進んでいました。

CADソフト以外のソフト

上記に記載している通りCADはAUTOCADを使用している関係上、プレゼンテーション資料を作成するために、下記のソフト等も併用しています。

・着色用ソフト:Photoshop
 AUTOCADではプレゼンテーションに耐えれる着色機能がないため、多くの設計師はPhotoshopを使って着色をしています。台湾では水彩画風やリアル風な着色が好まれていていて、着色にもこだわりが多いです。

また、マンション販売に使用されている家配圖と言われている販売用図面も同様の着色を施されていることが多いです。
VectorWorksを使っている私個人としては、図面修正の度にPhotoshopに持っていって着色するのは面倒くさそうだなぁと思って、台湾設計師が作業するのを見ていました。

・3D作成ソフト:3ds Max, SketchUp
 私が台湾に来た当時は、AUTOCADとの連携の関係があるのかどうかはわかりませんが、ほとんどの設計師及びパース作成業者は3ds Max一択で3D図を作成していたように思います。その後SketchUpが普及し、レンダリング機能も徐々に向上してきたので、SketchUpのみで3Dを完結する設計師も増えてきていると思います。

まとめ

上記の話は私がインテリア設計業務に携わっていた当時(2018年頃)は上記のような状況でしたが、その後色々な新しいデバイス、ソフトが出てきていますので、状況は変わってきているかもしれません。
ただ、AUTODESK一強の状況は今も続いているかと思います。



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