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PPP的関心2023#33【久しぶりに思い出したメモ。Value Creation and Capture Framework】

フェイスブックの「思い出」は、色々と昔の自分の記録を思い出させてくれますが、5年前のちょうど今頃(2018年8月12日〜19日)は「オーストラリアPPP視察ツアー」と銘打って社会人大学院のメンバーと一緒にメルボルンとシドニーに滞在していました。
今回は「短い言葉」ですが、その時の記録の中で改めてPPP的な取り組みが持つ意味みたいなものを再確認させてくれる「Value Creation and Capture」という言葉を記録しておこうと思います。


Value Creation and Capture

この言葉を聞いたのは、視察ツアー初日に訪問したビクトリア州 内閣総理府への訪問時でした。
大規模(多額)な投資、高リスクな投資、戦略的プロジェクト、公有地活用等の計画に導入において、2017年に従来の事業性評価指標(視点)であった「費用対効果分析(B/C) 」、「 広域的経済価値分析(WEBs)」に加えた新たな視点が「VCC(Value Creation and Capture)Framework」でした。

Value Creation[環境など社会的な価値、新たな価値の創造]
プロジェクトがもたらす副次的な(社会、環境、経済的)価値の創出 (その範囲、手法は柔軟に受付)
Value Capture[結果的な地価上昇や税収増、経済的効果の拡大]
課税や料金徴収によりプロジェクトで生み出された価値を回収する  (範囲、手法は限定的)

参考までに。
5年経った今でも(当たり前かw)、ヴィクトリア州政府のHP「Value creation and capture framework Maximising social, economic and environmental value from infrastructure investment.」で解説されています。

5年前の視察記録の読み直しが案外良かった件。

当時の報告ペーパーの「まとめ的なメモ」には、以下のようなことが書き殴ってあります。行った人でないと分かりにくいかもしれませんが、放置すると埋もれてしまいがちなので、「PPP的関心」に記録を飛び出させておくのも良いかなと思って記しておきます。

PPPの価値計測 Value Creation and Capture Framework
・PPPの効果をValue Capture=経済的価値だけで測らない
・プロジェクトの社会的価値等の認識、評価
導入促進 Partnerships Victoria
・PPP政策普及のための環境整備
・能力向上研修、書類等の標準化による労力、時間の削減
・大規模な契約変更、契約の再交渉や借換え、契約満了時の対応などを担当
・入札提案者の負担軽減策(落札できなかった事業者が提案作成時にかけた外部費用の一部を補償)
専門化と分業による病院運営
・医療と施設運営の専門化・分業による便益・効果アップ
・医療に専念するドクター、ナース
・病院の建設・運営・維持管理・大規模改修に専念する管理者
民間提案によるコンベンションセンター拡張
・需要に応じた主体的・積極的なPPP契約の変更(拡張)
PPP事業会社の収益拡大モチベーション
既存施設のPPP事業会社との既存契約の変更による民間提案
新棟(約2万㎡),ホテルや駐車場棟を増築し利用者拡大を図る
リスクとリターンの適正化 @ Infrastructure Australia
・優先順位つけと計画の適正化
・インフラの長期計画、優先プロジェクトのリスト作成
・国家予算を利用するプロジェクトの審査・推薦
市場環境の整備  @ Global Infrastructure Hub
・インフラ事業に民間投資を呼び込むための情報発信
・資金調達,費用回収の概念の明確化
・必要なデータ 整備、知識データベース、ツールの開発
市場環境の整備 @ Office of Social Impact Investment
・SIB:社会課題解決の効果を指標に投資資金を呼びこむ
・事業規模、内容、受託事業者の規模や財務余力に応じ投資形態の選択や投資リターンの幅を設定
既存アセット活用と新規開発 @ Sydney Olympic Park Authority
・住宅事業者 ,オフィス・商業事業者への土地のリース,開発管理
・スポーツに関連する産業育成、需要発掘・創出
既存アセット活用と新規開発 @Western Sydney Investment Attraction Office
アエロトロポリス構想(新空港と物流拠点 ,医療・保健拠点の整備)

…と、まぁ、なんのこと?のオンパレードみたいな自分用(もしくは一緒にツアーに参加した人同士用)みたいなnoteになってしまいましたが、自分が昔記録したメモを再読してみると、あっ、最近この視点忘れてたな…という気づきを得られて良かったな。

今回はそんな話でした。

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