生きてる人と死んでる人と。

親友が突然死ぬってドラマみたいだ。

正確には突然じゃない。
私達がみんな知らなかっただけ。
誰にも何も言わずにひとりで入院して手術をして、そして静かに逝ってしまった。
しっかり者の彼女らしい幕引きだった。

私達がそれを知ったのは何カ月か経った頃。
なんとかお兄さんの連絡先に辿り着いてやっと知った。
驚き過ぎて涙も出ないって本当にあるんだな。

20数年ただの一度足りとも忘れずに、24時ぴったりに送ってくれるお誕生日おめでとうメールが来なかった。
2週間後の彼女のお誕生日に送ったメールに返信がなかった。
珍しく私が24時ぴったりに送ったのに。
お互い忙しくしていて、数か月連絡を取り合わない事なんてよくあったけど、病気のことも何も知らなかったけど、その時はなぜか、死んでしまったんじゃないかと思った。

誰に聞いても最近連絡がないと言う。
久々に送ったLINEも既読にならなかった。

溜まり場のようだった彼女のマンションの近くに住む友人が様子を見に行ってくると言ってくれた。
コロナ禍で会えないのが日常になってしまっていたから、彼が訪ねるのも10カ月ぶりだった。
それがさ、もうあの部屋に住んでなかったんだけど。誰も住んでないのよ今。どういうことだ?
夜遅くにもらった報告の電話で悪い予感ばかりが頭の中をめぐる。

警察に相談する手前まで行っていたのだけど、とにかく連絡の取れる彼女の知人を調べ、話を聞き、そういうことではなさそうだと判断した。
ご両親は亡くなっており今はご実家もなく、諸々の事情で現在は仕事をしていなかったので友人知人以外に連絡の取れる人が居らず事実に辿り着くまで時間が掛かってしまった。

美学かなにか知らないが、家族にも友人にも何も言わないなんて酷いじゃないかと憤ったり、
置いていかれたような気がして、虚しさに圧し潰されそうになったり。

ふとした瞬間にポロポロと涙の出る毎日だったけど、今はもう落ち着いた。
それを知ってから半年が過ぎて、現実を受け止めたのかどうかは自分でもよくわからない。

一緒に過ごした時間が長すぎて、思い出が多すぎて、一番の味方を失ったようで。

その瞬間、彼女は何を考えていたんだろうとばかり思う。

彼女のいなくなった人生を私はこれからも生き続けなくてはならないのか。
割としんどそうな気はするけどなんとかやってみるよ。

居なくなったなんてウソみたいだなって毎日思ってる。

繊細で傷つきやすい彼女が生きづらそうな世の中だったから、少し楽になったのならいいなと考えてムリヤリ納得したような顔してみたり。

もう会えないなんてまだ信じられないな。

やさしい嘘とかいらねえから。
かっこつけやがってとはちょっと思ってる。

ねえ、carnationの新譜が出たよ。

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