とのフライベント雑感「滔禍噎ぶ白群の悲雨Ⅱ」
やながわです。
メイン更新からの異典の流れはカロリーが高くていいですね。俺は今最高にとのフラをエンジョイしてると思う。問題はそのカロリーに俺がついていけてないことなんだけど…
それはともかく一週遅れでエーリカ異典第二弾の感想です。
ちなみに前回の悲雨Ⅰの記事は↓。
無欠の黄金、再び
前回の回想シーンにて(影エーリカのいた世界における)ユエがボードウィンの人間に「怪物」の殺害を嘆願していて、その相手はジゼルではないかという予想をしていたがこれは正解だった。ただしジゼルはジゼルでもジゼルの影の方だった。
つまりエーリカの影とジゼルの影は同じ絶望の未来出身という意外な繋がりが明らかになった。世界は狭い。
ボードウィン関係者による異典イベント「刻亡する黒き黄金」にてブリジット、ジゼル、ホリィら3人の影がそれぞれ別の未来から現れたが、このうちブリジットの影の未来は同じ世界からシルヴィの影が来たことで他の影の未来より若干情報量が多いものの残る2人の影の未来については自分以外の2人が殺されたこと以外あまり触れられなかった。思わぬ形で情報量が増えたが今後ホリィの影がいた未来も別の影との繋がりが判明したりするのだろうか。
当然ユイとの因縁もあるのだがその結果はまさかの完敗。
暗示により傀儡にされて影エーリカ殺しに加担させられたあげく用が済んだらポイ捨て。いっそ殺されたほうがマシだったぐらい目も当てられない結果だった。
…影ジゼルって設定的に魔術士としては相当な上澄みの部類のはずなんだけど、どうもさらなる格上の踏み台にされがち。デビュー回である「刻亡する黒き黄金」からして黒幕である大トリの影シルヴィの前座みたいになってしまったし…
自身の異名でもある影ジゼルの術式「無欠の黄金」についておさらい。
ざっくり言えば空間の隙間に引きこもりながら質量を持った残像幻影で相手をぶん殴るというもの。事前の仕込みが必要なため一度破られると即座の再構築は出来ないもののそれを差し引いてもかなりのインチキ術式であり、本物がその場にいない以上どうあがいても影ジゼル本体に攻撃は通らず影ジゼルはなんか実体持ってる幻影を駆使して一方的に攻撃出来るというおおよそ無敵の術式。
「刻亡する黒き黄金Ⅱ」ではこれを破るためクラウソラスは領域内に引きずり込まれるも蚊帳の外だったルイーズに自身の力を貸し与えつつ伏兵にし、潜んでいた影ジゼルを直接引きずり出すことで攻略したがこれはクラウソラスが手の内を知っていたからこそ出来た芸当である。
…ところでこの駄剣、なんで影ジゼルの手の内知ってたんだろう?
閑話休題。「女帝」との戦いにおいて影ジゼルは暗示対策を徹底したことでリソース不足により無欠の黄金を発動出来なくなってしまうがまぁ暴力勝負なら勝てるだろと判断し、無欠の黄金を封じたまま女帝に挑んだ。
実際問題として空間の隙間に引きこもっても幻影を操る都合上、幻影のいる場所の状況を把握するためにはなんかしらの形で幻影と本体は聴覚等を共有する必要がある可能性が高く、女帝の声を聞くだけで一発アウトとなれば無欠の黄金だけでは防ぐ手段は無いと思われる。
それゆえに(併用が不可能となれば)無欠の黄金を捨ててでも暗示対策の方に重点を置かざるを得なかったのだろう。
その判断自体は間違ってなかったのだが、ガチガチにメタ張って対策してきたのに女帝はそれに対して偶然入手した姉の遺品(クラウソラス・レプリカ)とかいう影ジゼルの精神を揺らす代物を持ち出されたことで隙を作られあっさり傀儡にされてしまった逸話があまりにも酷い。
ジゼル特攻を「たまたま」で都合よく手に入れるな。
4000m身投げダイブで生還したユイの逸話も大概だったが幸運を呼び寄せるトヒルの瞳の本来の恩恵がここまでえげつない結果を呼び込むとは…依頼した向こうの世界のユエも頭抱えただろうなコレ。
というかまともに戦ったら誰も勝てないんじゃないか?だってなんか偶然都合よく逆境を打破するアイテム持ってましたとかやってくる相手にどうやって勝つの?っていう話ですよ。
しかもこいつちょっとでも隙見せたら即暗示で傀儡にしてくるんだぜ?無法すぎる。
ともかく、影エーリカに煽られたことで雪辱を果たすため影ジゼルも動き出す。しかしそこに立ちふさがったのは…
「ヒーローは遅れてやってくる」を地で行く女
そんなジゼルの影の前に現れたのは領域の変貌後行方をくらましていたブリジットだった。
…ブリちゃん、「夢謡う始まりの聖女」でもなんか遅刻してきたけどそれクセなの?
ユイは影ジゼルらの世界と異なり主人公と出会ったことで女帝には至らないと諌めるブリジットに「出会い一つで運命が変わると?」と疑問を呈す影ジゼル。だがブリジットは「その答えは、あなたたち絶望の影が一番良く知ってるでしょう?」と返す。
絶望の影があくまで「影」という立ち位置収まっているのはその一つの出会いで運命が大きく変わったからである。そんなことはいちいち言うまでもない話なのだ。
別の世界の話を持ち出してこちらの世界のユイを否定するのは筋が通らない。ブリジットの言葉に感じるものはある影ジゼルだが、ならばこの感情をぶつけるべき相手にぶつけるのなら文句はないでしょうとユイ…ではなくその内にいるもう1人の来訪者へと呼びかける。
そして狂笑と共にその姿を表した女帝…ユイの影によりブリジットは妹殺しの暗示を受けてしまう。
ただ、ブリジットは本格的に顔見せする前に影シルヴィと会っていたような描写があるのがポイント。彼女は影ユイの存在を把握している節があることから何らかの暗示対策を授かっている可能性はあるか。
「いろいろ」という発言からブリジットには影ジゼルへの対応以外にもやってもらいたい事がありそうな口ぶりなので影ユイの存在を把握している以上影シルヴィがブリジットを無策で放り出すとはちょっと考えにくい…ので何かあるんじゃないかなぁという希望的観測。
悪辣なる虎蛇幇の女帝
満を持して登場した今回の異典のラスボス枠。「女帝」ことユイの影。
暗示を一切の躊躇なく行使し悪辣な仕掛けを愉悦と共に行うユイの影は規格外レベルの危険人物である。
危険人物と言えば天魔のようなヤバい奴もいるにはいるが個人的には天魔は歩くはた迷惑、愉快犯のキ◯ガイではあっても外道ではないという印象がある。良かれと思ってと善意で動くタイプの狂人。
影ユイも天魔も自分の願望のためなら他人を崖下に突き落とすことが出来る人種だが天魔はそこに人の輝きという希望を持っている。這い上がって来いよ(ワクワク)みたいな。こう書くとクソ迷惑だなコイツ…
ユイは多分別種の人間だと思う。影エーリカというイレギュラーには希望を垣間見たが根本的に彼女を支配しているのは諦めに由来する絶望。愉悦も本気で感じているわけではなく自分が死んで終わるまでの暇つぶしくらいにしか考えていなさそう。
崖下に人突き落としたはいいものの予想通り這い上がって来なくて「はぁ…ガッカリ」みたいな事を言うタイプ。こいつもクソ迷惑だなって思ったけどそもそも崖下に落としてくる時点で論外だったわ。
だがそんな彼女にとって影エーリカは特別だった。言葉一つで誰でも自由に操れる彼女が唯一操ることが出来ない特別な人。自分を殺して終わらせてくれるかもしれない人。だからこそ影ユイは影エーリカを焦がれるほどに想ったのだ。影ジゼルとかいうトンデモをぶつけたせいで結局想いは果たされなかったが。
そしてその「特別」は主人公も該当しうる。
これが今回の異典、ひいては影ユエの今後における重要な鍵になると思う。
その他注目ポイント
影ユイによる暗示の強制力はどの程度なのかという疑問
ラストで「妹を殺して?」とブリジットに暗示をかけた影ユイ。
ただ正直な話、ブリジットと影ジゼルの実力差でそれって可能なの?というシンプルに失礼な疑問が浮かんだ。
こう言うとアレだけどスペックだけで語るならブリちゃんはジゼルに勝てるか?と聞かれるとやっぱ難しいんじゃない?と言わざるを得ない。
もちろんそこで諦める姉ではないだろうし影連中は往々にしてスペックは本家より高い一方でメンタル面は本家より脆い傾向にあるためそこを突ければ勝ち筋はあるだろうが、果たして影ユイの暗示はこの実力差を埋める手助けをしてくれるのだろうか。具体的に言うならバフ効果はあるのかという疑問。
さぁ絶望の声でエーリカをお出迎えしましょう!ってはりきって暗示かけてもお出しされた結果が返り討ちにされてズタボロにされたブリちゃんじゃ影エーリカも特に何も思わないでしょ。なんせ影エーリカは恐らくブリジットの事知らないし。
この辺の答え合わせは次回見れるかな?
怪物vs怪物が見たい~!という願望
おおよそ生半可な手段では太刀打ち出来ないトヒルの瞳の加護が生んだ怪物、ユイの影。
だが待ってほしい。本当に誰も太刀打ち出来ないのだろうか。あ、テルティアさんはこの後言及するので座っててください。
トヒルの瞳の加護が生んだ怪物はもう1人いるよなぁ!
女帝が居た絶望の未来とは別の世界…ブリジットの影の未来において友達を助けたいというただそれだけの、しかし切実な願いから闇に堕ちトヒルの瞳の加護と無数の禁忌の産物を手にしたシルヴィの影であれば女帝にも対抗しうるのではないだろうか。
少なくとも幸運の加護に関してはお互い同質と思われる以上ここで突然遺品ポーイ!みたいなインチキで隙を突かれる可能性は薄い。逆のパターンで互いにインチキ合戦に発展する可能性はちょっと否定できない。
後は暗示に対抗できるかどうかの話になってくるので影ジゼルよりも条件は良いはず。影ユイや影エーリカのように加護によって特異な能力が強化ないし発現した節はないものの、人間の魂を使って自ら作り上げた無数の魔道書を所有し、さらにV化制御技術による自己改造まで施した影シルヴィはそれらにも勝るとも劣らぬアドバンテージを有している。
幸運と暗示以外のスペックに関しては未知数の影ユイだが正直暗示でだいたいなんとか出来てしまう彼女の境遇を考えると戦闘能力に関してはそれほど高くないのではないかと思う。であれば暗示さえ切り抜ければ斬られた程度なら全然死なない再生能力持ちの影シルヴィなら勝てると思う。思うのでぜひ直接対決してほしいなぁ!
まぁ影シルヴィはブリジットを介した反撃ぐらいで終わりそうだけど正直この怪物対決は浪漫があるのでなんかの機会に実現してほしい。
ラストの実装キャラは?
片方はまぁ影ユイで確定か。立ち絵あるしね。
ただ影ユイがちょっと味方側に置いておくには色んな意味で危険すぎてワンチャン影ノルンや幽炎亜紗花のようなガワだけ異典仕様という可能性もあるかも。
問題はもう片方。これエーリカ来ない流れじゃね?と思い始めてきた。
一つの基準として、1つの異典イベントシリーズ内で異典版と共にオリジナルの両方が実装されるパターンは稀で、現状だと…
ヴィー[火乃渡]/空狐[回祁者](天魔、月を穿つ)
七羽[赫月葬刃]/天魔[血月狂刃](天魔、月を穿つ)
ダナ[憎哭凶哮]/ダナ[想い継ぐ繋願](玻璃狂愛に歪輾する終淵)
のわずか3例のみである。報酬キャラがガチャで来たり(影ミルヴァ、サーシャ、マリア)同じキャラがガチャで二度出てくる(リディア)パターンなら他にもあるが、現在で第7弾になる異典シリーズでも異典とオリジナルが両方実装されるのはそれだけレアケースなのだ。
とはいえ恐らくユイはこのパターンの4例目になるだろうし、パターンが少ないからなってはいけないという話ではない。
ただそれ以外にもルイーズとの対話を経てもなお復讐心を滾らせる影エーリカがこちらのエーリカに場を譲るような雰囲気もなく、さらに言ってしまえば現状の騒動は影エーリカの世界における諍いの延長戦であることを考えると発端がトヒルの瞳であるとはいえエーリカ自身が決着をつけなくてはならない動機としては少々乏しく個人的にエーリカ実装の戦は薄い気がしてきた。「無い」とまでは言い切らないが。あとぶっちゃけ影ユイ相手にエーリカが出てきても正直荷が重いという印象は拭えない。
逆に来そうな印象が増したはテルティア。
影ユイの暗示を一切受けつけないであろう彼女は現状を覆しうる最強のジョーカーである。
総体から離れたナコト原書の夢の一片だがその力は今もなお強大。なんせ強すぎて器になってる主人公が耐えられないほどだしね。テルティアであれば影ユイの暗示能力に直接干渉して制限を加えるような芸当も不可能ではないと思われる。
主人公の中に存在するだけで意図せずウルスラの時忘れの術式を歪ませた前科実績もあるため、主人公とユイが絆を繋ぐことが出来ればそれを糸口にテルティアが直接介入する展開もありえるか。
…ただ、そこまでやるならそもそもユイ本人の暗示能力もナーフしてやれよって話になりそうなのが難しい所。
テルティア実装説の欠点は要するにテルティアがちょっかい出せる状況さえ作れれば良いので別にユニット化する必要までは無いという点。「煌励示す燦爛舞台」のように口元カットインで干渉だけするという展開でもいいわけで。
ただテルティアさん2部4章で鳴り物入りで実装されてもう1年経つけどまだ実装2回しかないのでそろそろ来るんじゃないかなぁとも。ここ逃すと次何時になるやらって話だし。
以上ここまで。
影ユイの登場で「滔禍噎ぶ白群の悲雨」もいよいよ大詰め。
最悪の暗示使いである影ユイを前にそれぞれはどう動くのか。そして最後の実装キャラは誰なのか。期待して待ちたい。
個人的にはテルティア来てほしいなぁとか思いつつ次回へ。
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