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身体に”気づき”を与えるインソール へ。


今回もsunny's labセミナー開催頂きありがとうございます!!

今回もたくさんの学びがありましたが、そこからピックアップして記事を書いていきたいと思います。

サニーさんが話していた注意と絡めた身体の気づきの話がとても印象的でした。

私はインソールを作っているので何か絡めることができるのではないかと思いこの記事を書こうと思います。

違った側面からインソール作成を考えていきたいと思います。




▼気づきの大切さ~リハビリを例にして~

気づき1


リハビリの世界では高齢者に対して転倒予防として二重課題のトレーニングを用いることは多くあります。


高齢者の方は景色を楽しみながら外を歩きたいと話す方が多くいます。その際にちょっとした段差や物に躓いてしまい怖いとの意見も聞かれます。そうした訴えを改善する為にリハビリがスタートしていきます。
この訴えを改善する為に私たち理学療法士は最善を尽くすわけです。
ここでいう課題は他の事に意識がある中でちょっとした段差に気づきながら躓かず歩くことだったりします。
そのために他に意識を向けていても躓かずに歩くことができるように手を叩くという課題に意識を向けながら、ラダーを歩く。 
無意識下でも転倒しないようにと練習したりします。

理学療法士から見ても一見この流れは自然な事のように思われますが、実際この練習をすることで目標とするちょっとした段差に躓かないような歩きに転換されるのでしょうか?

人間は危機感を察知した際に脳がその違和感を感じ取って制御に働く機能があります。

雪道で転びそうになった時や自転車でスリップしそうになった時がそれにあたります。


雪道を歩く際の足裏の感覚や自転車のタイヤの違和感に気づいて、とっさに制御することができるかが大事になってきます。
この足裏の感覚だったり、物の先の感覚だったりを人は感じられるから転ばなかったり繊細な動きができるのです。

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つまり自分の身体感覚に気づき、自分自身を客観的に理解できているのかということが大事になってきます。

気づき3

サッカーに置き換えると、足裏、スパイク、芝、ボールの感覚や自分の身体の位置や使い方を知ったうえでプレーができているのかが重要になってくるわけです。

自分の身体をわかって、外界に対して違和感を感じることができるのかということです。




▼気づきとは


気づき4


先程もありましたが、自分の身体感覚に気づけているのか?ということが大事になってきます。
身体感覚に気づくとは?について考えていきたいと思います。


人は自然の中に入ると心が休まり落ち着いた気分になります。
それは人類が猿から進化してきたという事実に基づくからかもしれません。
人は本来自然の中で存在してきました。自然の中で心が解放されたとき、本当の自分自身に気づくことがあります。
山に行けば、緑の感じや川の音が綺麗だとか、空気が澄みわたっておいしいななど感じるでしょう。
その時、緑の感じや空気が澄みわたっているのが素敵と思う自分自身にも気づくのです。


「気づく」という体験は新たなる自分に気づかせてくれるのです。

気づくとは、外界からの刺激を感じ取り、感じ取ったものが自分にとってどんな意味があるのかを選択して、自己の内面世界に受け入れていくことであります。

また、そのような外界からの刺激をどのような基準によって選択しているのか。選択している自分自身の存在への気づきでもあります。

気づきは人によって違います。
富士山に対して雄大な山と捉える人もいれば、綺麗な山と捉える人もいて様々です。

様々な外界からの刺激を感じ取り、それを自分にとって意味のあるものと気づくとき、今の本当の自分自身というものを認識できるのではないでしょうか?

池見はバイオフィードバックは身体的な気づきを促すうえで有用であると述べています。フィードバックされた身体の状態(客観的指標)と自分で感じる身体の感覚(主観的指標)をマッチングさせることで両者の乖離に気づき、それが手掛かりになって身体感覚の気づきが高まる。そのプロセスの中で脳幹や大脳辺縁系や大脳新皮質の機能乖離が改善し、伝達機能が回復すると考えられる。身体の気づきが高まると、感情の気づきにもつながり心身相関の気づきにもつながる。
小林は、自分自身についての認識、理解を深めることは自己実現へと向かう道であり、自分を知るということが自発的な成長力を開放するための手段になると述べている 

自分に気づくことで本当の意味での成長につながるものではないでしょうか。



▼感性とは


気づき5


感性とは、「価値あるものに気づく感覚」と片岡は位置付けしております。
感性が外界からの刺激に対して、そのヒトなりの主体性を持った反応をすることであるなら「気づき」というものは人間の感性と深くかかわっていると考えられます。

気づきは感性を土台ににして生まれてくるものではないでしょうか?

豊かな感性を持っていることは外界からの刺激に対して豊かな気づきを持っているということと言い換えれます。
感性を豊かにするには様々な体験を通して気づき、イメージを膨らませ、イマジネーションを働かせることと考えます。

小林は音楽や絵の感性をわかるためにはまずたくさん見たり、聞いたりすることと述べています。

様々な直接的体験を数多く積むことが感性を豊かにする最初の一歩ではないでしょうか。

外界からの刺激が多いだけではだめで、その刺激をありのままに受け止める。
そして受け入れることに付随してイメージ、イマジネーションを働かせ、内的なイメージを引き起こすようにしていかなければいけません。

また、外界刺激に対して気づき、イメージやイマジネーションを膨らませたことを表現することも感性を養うには大事です。

何らかの形に落としこむことで、イメージしたものを自分の意識下に落としていくことができます。

上手く表現できなくてもいいと思います。上手く表現できなかった自分に気づけるので。


直接体験から”気づく”
そしてイメージ、イマジネーションを膨らませて表現すること

が豊かな気づき、感性には大切ですね。




▼(学習)とプラクティス(練習)の違い

気づきや感性に対して今まで述べてきました。この気づきがあることでトレーニング効果が大幅に向上する可能性があります。
自分の身体や使い方、癖に気づき動作を獲得することは学習と言えます。ただ反復して動きを獲得することは練習といえます。
練習とは反復して行うこと、学習とは身体への気づきが得られ、永続的に使えるものにしていくものと捉えられます。

トレーニングは練習させるものではなく、自分の身体に気づいてもらい、学習させるものでないといけません。

この学習は選手のパフォーマンスアップを促します。

パフォーマンスアップのための学習観点から見てもやはり"気づき"は大切になってきますね。

気づくことで学習効果が向上するとも考えられますね。




▼違った側面からインソールを考える

先程まで述べてきたことを踏まえてインソールを考えていきたいと思います。

私たちは市販にてFCPインソールやFCPインソールlite、アッパーを販売する傍ら、アスリート個々にオーダーメイドでインソールを作るサービスも展開しています。

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(今見ても素敵な笑顔です^_^)

オーダーメイドインソールとは選手個々の身体の動きを分析しながら最も効率の良い動きを追求していき、その選手だけのインソールを作っていくというものです。今まで述べてきたことから考えると選手に気づきを与え、選手自身が動きに対する意味付けを行っていけるように導いていくことが重要です。

気づきが起これば理想の動きに正の転移が生じてパフォーマンス向上が見込めるかもしれません。
選手は身体内部のイメージを膨らませ、プレーに対するイマジネーションが広がります。
インソールで置き換えればオーダーメイドのインソールの作成を通して、自分の身体の癖や重心の位置、感覚を知り、最も効率の良い動かし方に気づくことができます。つまり自分の身体を見つめなおす体験ができると言えます。
身体の癖がわかれば身体の使い方が変わります。
この過程は先程述べたプラクティスではなく学習に含まれると考えます。


オーダーメイドインソールは選手にインソールを提供するということだけではなく、身体に気づきを与える”体験”を提供するサービスと言えます。

身体への気づきを促すため作成前に以下の事を考えてみました。


・これまでの軸の概念 

自分の真っすぐ


・もっとも動かしやすい軸の概念 

動かしやすい軸3


・軸を変えたときの動きと従来の動きの違い 
 動きのロスに気づき、新たな可能性を感じるということ

ロス


・足裏を感じるということ 

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・スパイクの裏を感じるということ 

スパイク


作成前に感覚を研ぎ澄ませてから作成に入ることでよりよいインソールを、そして身体へのイメージを共有できるのではないかと思います。


直接体験(インソール作成)を通して数多くの刺激を与える。その刺激に対してイマジネーション(新たなプレーの可能性)を働かせて、そのイメージを何らかの方法によって素直に表現(プレー)すること。


インソール作成は自分が想像できるプレーの幅を広げられる可能性を秘めています。
感じ取った刺激からイメージしたものを表現すること。
オーダーメイドインソールを作る中で身体に気づきを与え、選手の”感性”に気づいてもらう。

そして私たちは自由な表現の感性をありのままに柔らかく受け止める感性が必要になってきます。
私たちは選手が身体の気づきに対してイメージやイマジネーションを膨らませることができるキューイングを心掛けねばなりません

インソールに認知的側面を加えることでただインソールを作って終わりではなく、選手の今後のパフォーマンスをインソールだけではない部分でも変えられることに気づかせてもらいました。

考え方を変えるとインソールを作りつつ、そのままトレーニングに変換できる良いサービスだということに改めて気づかせていただきました。

今回は自分が提供しているサービスに対する意味をもう一度考える機会を得られた記事でした。

まだまだ発展途上で常に試行錯誤を繰り返していますが、形になればかなり面白いことになってくると思います。


選手と一緒に作り上げる最高のインソールへ。




理学療法士/スポーツシューフィッター 安田智彦

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