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すましたjokerもいいけれど

Sexy Zoneの新アルバム「Chapter Ⅱ」に収録される風磨くんのソロ曲が「My World」というタイトルだと知って、夢にあふれたエモい歌が来るのかなと思っていた。

しかし実際に来たのはバチバチの、尖った姿だった。

「炎を胸に、全てこの手に」の「手」のがなり方にゾクっとする。
「I am the king and This is my world」の「This」で上がるメロディや、「勝ちは全て価値へと化した」の畳み掛け方に高まる。
特にCD音源だと風磨くんのラップはメロディアスな印象が強いので、こんな風にぶつけるみたいな歌い方をすることに驚いた。

ふと、CD版の「timeless」の歌声が切実すぎて泣いているかのように聞こえたことを思い出した。ああいう迫り来る何かを感じる。CDでこれだから現場で聞いたらどうなっちゃうんでしょうね。

風磨くんのラップといえば、一番印象的かつ好きなのは「NOT FOUND」。リリース後のラジオでラップ詞について説明していたのを覚えている。記憶の中にしかないのではっきりは書けないけれど、 Jr.の期間が短いSexy Zoneは他から見ればパラレルのような存在なのかもしれない……というような話だったと思う。

Jr.の期間を積み重ねて仲間とデビューする道とそこのパラレルに存在する道。「パラレル」な彼・彼らに投げかけられる「あれは運」があったんだとしたら……と、「My World」を聞きながら考える。だから「『あれは運』だ? 馬鹿には言わせときな」で思い出すのはノッファの「Haters gonna hate」だけじゃない。「パラレル? 変わらず時は過ぎてく」も思い出す。

もしかすると、運だなんだというのはもっと最近の話なのかもしれない。ここ数年の大活躍に対しての「あれは運」もまああるのかもしれない。

個人的なイメージだと風磨くんはそういう外野の声を気にしなさそう……というか気にしていると思われたくなさそうだし、ファンに変な擁護をしてほしいこともないんだろうなあと思う。

「自分がいいと思えばいいし、よくないと思ったらよくない、判断基準は常に自分」

「世間や周りから自分がどう思われているのかとかも、あんま気にならない。だから、どんなに環境がめまぐるしく変わったとしても、自分自身はずっと変わらないんですよ」

マキア 2022年4月号

の御方だし。

一方で石橋を叩いて渡るタイプだなあとも思う。たとえば同じ「空を飛ぶ」ということを目指しても、ケンティーが上を見上げるのに対して風磨くんは地面が崩れないことを気にする。そんな印象がある。

実際本人もある種ネガティブだとおっしゃっている。

自分に仕事が来ることにも評価されることにも割と冷静で、特にアイドルとして歌って踊る以外の仕事に対しては謙虚……というか「いやあ自分なんて」のマインドを強く感じる。

ちょうど読み返したマキアでも「今のこの状況もほぼ"運"(笑)。自分の実力ではないと思っているんですよ」と話していた。必死に考えて努力して掴み取る姿よりはなんでもさらっとこなす姿を見てほしいんじゃないかとも思う。

そんな風磨くんの口から出てくる「俺のBrainでGain」ってさ、どうですか。
自分で「ほぼ"運"(笑)」って言ってた人が「『あれは運』だ? 馬鹿には言わせときな」ってどうですか。

勝利くん曰くグループの司令塔である風磨くんが。ハムレットをやる上で作品の文化と伝統を守るとはどういうことかと聞かれて「理解」と返す風磨くんが。私を何度もノックアウトしてきた頭脳が俺のBrainで得たものだと宣言してくれる。そのよさったらない。

なんてギラギラしていて眩しいんだろう。私はそういう考えて掴み取る姿が好き。そのギラギラした熱量がたまらなく好き。だから「二兎追い二兎得る だっけ? Maybe」も好き。二兎追って二兎得るエネルギーが眩しい。

そして、そんな姿を見せてくれることを嬉しく思う。すましたjokerもいいけれどI am the kingな風磨くんを見られてとてもとても嬉しい。風磨くんの単独作詞だったらこうはならなかったのかなと思いもするのでありがたい限りだし、これでいこうと決めてくれた風磨くんにも感謝。

ケンティーと勝利くんというkingみの強い人がいるグループだから風磨くん=kingという印象は正直なかった。でも風磨くんもまた風磨くんが作り出す世界におけるkingであり、その世界を拡張させている。「お前のマインドも占拠してく広げてくパイ」は風磨担になるまでの脳内の話だと思っているから!!(?)

Chapter Ⅱのはじまりに

曲を聴いて、受け止めて、風磨くんのMy Worldがさらに広がっていくことを願った。グループの第2章のはじまりでそう思わせるような強い曲を歌ってくれてありがとう。

さて。最後に提供者の方のお話ですけど。
楽曲クレジットには「BASHARS」とあるけれど共作なのに「菊池風磨/BASHARS」ではない。ユニット名的なことなんだろうか。どなたとどんなふうに作ったのか、ぜひ聞きたい。強欲なオタクなのでどこを風磨くんが書いたとかも聞きたい。お話待ってま〜す。