【映画感想】『未成年だけどコドモじゃない』

早く見なきゃな~と思っている中島健人さん出演作品がいくつかあります。一番は『ドロ刑 -警視庁捜査三課-』。ケンティーの顔であざとかわいい役なんて絶対に好き。『砂の器』は実質無理だけどいつか録画している人に出会える可能性を信じています。

数ある出演作の中で『未成年だけどコドモじゃない』の個人的優先度がすごく高かったかというと、実はそうでもありませんでした。そもそも恋愛もの、ましてやラブコメにドはまりしたことはないし、ヒロインと男の子二人という構図もちょっと苦手。だってだいたいどちらかは失恋しちゃうんですもの。私は「幼馴染しか勝たん!」「時かけなら翔平より吾朗!」の人間なので見ていて切なくなる可能性が高いのです。

しかしふと、3連休の最終日にAmazon Primeでみせコドを見ました。「連休最終日に見るぞ~わくわく!」というよりも「連休中に片付けたかった仕事があるけど手を付けるのすら嫌だ……いったん映画見るか!!」のノリだったことを告白します。その軽いノリだったからこそ「見たら失恋するであろう知念くんの役に感情移入して悲しくなっちゃわない?」という自問自答をスキップして見られたとも言えます。

何はともあれ見ました。そして思いました。これはもっと早く見るべきだった。

見るべきポイント①:尚先輩かっこよすぎ

Sexy Zoneのファンがいきなりケンティー演じる尚先輩に言及しないほうがいいのかなとも思います。役者目当てで見て役者の話だけする視聴者ってあれかな~と思うし、そういう配慮という視点は抜きにしてもベタに絵本のシーンでちょっと泣いちゃったこととか、ヒロインの香琳ちゃんが可愛かったこととか、いろいろ言いたいことはあります。でもまずはこれを言わせてほしい。マジで尚先輩がかっこいい。かっこいいんだよ、マジで。

まず登場からかっこいい。サッカーする尚先輩かっこよすぎない? そりゃ香琳ちゃんも惚れるわ。前半は登場するたびに「へへっ……」と声が出るくらいでした。香琳ちゃんと同じ顔で画面を見ていたかもしれない。勉強を教えてくれるシーンもドライヤーで髪を乾かしてあげるシーンも好き。そんなん好きになっちゃうやないかーーい! もう全部かっこいい。

でも尚先輩は王子様的なかっこよさだけじゃないんです。シリアスなシーンの真面目な表情、夢見る少女の香琳ちゃんに対するちょっと不機嫌な表情、香琳ちゃんのあれこれにこらえきれずに笑うときの表情……。車を見送ったり離婚を切り出したりするときの思いつめたような表情もぐっとくるものがあり、「そうだよねえ、香琳ちゃんのことを好きになっているからこそ香琳ちゃんの夢を叶えて幸せにできるのか悩んじゃうよねえ😢」と思いながら見ていました。

そしてブロッコリーを前にしたときの涙目やふとしたときのきょとん顔は可愛い。かっこいいも可愛いもいけるのか。なんてこった。

そりゃ顔はケンティーだからかっこいいでしょうよというのはありつつ、役としてかっこよかったのが印象的でした。割れない皿を探しに行くシーンと「世界中を敵に回しても~」のところは若干「尚先輩ってかケンティー?」と思いましたが、まあそれはそれ。強い光を目に宿してリンリンと対峙しているシーンでは「目で演技ができる男……」と思いました。かっこいい役をしっかりかっこよく演じられるケンティー、好き。

見るべきポイント②:香琳ちゃんが可愛い

生活力はないし金銭感覚もおかしいけれど、尚先輩に教えてもらえればちょっとずつできるようになるところ。江の島デートをかけたテスト勉強をせっせと頑張るところ。ただ世間知らずなお嬢様なだけで、まっすぐで天真爛漫なところは可愛いな~と思わせるヒロインでした。尚先輩と同じペースで香琳ちゃんを好きになれた気がします。

ピュアな可愛さを感じたシーンでいうと、たとえば訳あって尚先輩と同じ部屋で一夜を過ごすことになったとき。そのシーンでも翌朝のシーンでもポジティブというかあっけあらかんとしているんです。「昨日はよく寝られたかしら」「こらこらそんなことを聞くもんじゃないよハハハハ」みたいなご両親を横目に「香琳はぐっすり~♪」。これはもう保護せねばって感じですわ。リンリンの気持ちがわかる。全部夢かなえてあげたくなっちゃうね。

ぶれることなく尚先輩を好きなところも好感でした。尚先輩は最初はお金目当てだし、キラキラ王子様なだけじゃなくて実際はキツイことも言う。それでも香琳ちゃんはずーーーっと一途に好き。一度離婚を決めるけれどそれも尚先輩を思ってのことですもんね。

そしてその「好き」の理由の一つに「顔」があるところが素直でよろしい。顔入りでもいいじゃない、と。考えてみれば顔もお金もその人の持っているものの一つであって、優しさや賢さと同列といえば同列なのかもしれません。

やっぱりラブコメはヒロインが可愛くてこそですね。まあケンティーきっかけで何本か見た程度ですが……。恋愛もののヒロインってみんなかわいいなあと思います。それともケンティーがヒロインを輝かせる天才だったりする??

見るべきポイント③:引ける男、リンリン

後味を悪くせずにいてくれたリンリン、マジセクシーサンキュー。

幼馴染しか勝たん派の人間にとっては「ずっと好きだった幼馴染が金目当てのイケメンと結婚し、なんやかんやあって本当に二人は好き同士になりました」なんてストーリーは本来ノーセクシーサンキューです。先に香琳ちゃんを好きになったのも香琳ちゃんの夢を叶えられる理想の王子様になろうとしていたのもリンリンなんですけどぉ!? ……恋愛が先に好きになったもん勝ちじゃないことは時かけで予習してるので、これは幼馴染しか勝たん派の戯言です。

しかしやれるだけのことをやって潔く手を引いたリンリンのおかげで、「リンリンの気持ちはどうなるんだよ!?」というモヤモヤが変に残ることなく、エンドロールのWhite Loveを楽しむことができました。

個人的にそのモヤモヤ感のなさにつながったのは尚先輩が頭を下げに来るシーン。「親か」というセルフ突っ込みをを見て、香琳ちゃんへの感情を恋愛に限らない広い愛に昇華させてくれたような気がしました。実際5年後の結婚式には出席していますし、別の愛の形で香琳ちゃんを見守る存在になろうとしたんだろうなあ……と。やっぱりちょっと切ないか。でも思っていたようなモヤモヤはなくてよかったです。


社会人になってから高校生のラブコメに惹かれてしまうとは自分でも意外ですが、逆に結婚の足音が聞こえる世代だからこそ(だいぶロマンチックとはいえ)結婚物語に関心を持てたのかもしれません。先日、辻村深月さんの『傲慢と善良』を読んだのも影響してそうです。あれはあれで結婚の夢を信じている節のある終わり方でした。

なんというか、結婚って相手を幸せにするというよりも二人で幸せになるためのものなんだなあ。したことないから知らんけど……。

とまあストーリーに思いを馳せるなどしてしまいましたが、視聴後の脳内の8割くらいが「尚先輩かっこよかったな~!!」だったのは否定しません。香琳ちゃんも言っています。顔で好きになって何が悪いのと。そうだよね!? 顔が印象に残ってもいいよね!?!?

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