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医学部学士編入を独学で乗り切るための教材 Part1

医学部編入に伴う費用は安くないことから、入塾に踏み込めずにいる人も多いのではないかと思います。私は、完全独学とはいきませんでしたが、受験を終えてほぼ独学でも乗り切ることは可能であると思いました。このページでは、独学で学ぶ人向けの教材をまとめて見ました。参考にしていただければ幸いです。

生命科学は大きく分けて、細胞生物学、分子生物学、生化学、免疫学、生理学、に分けることができます。以下ではそれぞれわけて説明していきたいと思います。

生命科学に入る前におすすめしたい本


・リードLight ノート
難易度 ★☆☆☆☆
分量  ★☆☆☆☆
用途:内容理解、暗記、問題演習
まとめノートと問題の両方がコンパクトに載っており、概要を手取り早く掴むには大変おすすめ。人体に関係のない、生態系、生物の分類、植物あたりは飛ばしてOK。概要を掴むことが目的であるため、そこまで時間をかける必要はない。

・生物合格77講(東進ブックス)
難易度 ★★☆☆☆
分量  ★★★★☆
用途:辞書
初学者向けの辞書としておすすめしたいのがこの本。実験手法や一部の研究の内容も載っており、わからないことがあったらまずこの本に載っていないか検索していた。特に、遺伝情報や酵素反応の部分は図も細く説明も丁寧だったため、受験時は何度も読み返していた。ただ、一般大学受験向けなので、深掘りしすぎないように気をつける必要がある。

生理学


・N教授の生理学講義ノート
難易度 ★★★☆☆
分量  ★★★★☆
用途:内容理解
難易度、分量ともに優しくはないが、読みにくいわけではない。むしろ読みやすく面白い!文章と図のバランスがよく、重要な点はハイライトが引っ張ってある。また、文章も講義口調なので、頭に入ってきやすい。整理学を独学で進めるならこの本を中心に勉強を進めていくことをお勧めする。順番としては、循環→呼吸→血液→腎臓→消化→筋肉→内分泌→特殊感覚→神経がよい。KALSの要項集以上の内容が載っているため、わからない部分は適宜飛ばして戻ってくるくらいで良い。個人的には、後半の内分泌、特殊感覚、神経あたりは他の教材の方がわかりやすかった。

・生理学トレーニングノート(医学教育出版社)
難易度 ★★★☆☆
分量  ★★★☆☆
用途:暗記
穴埋め式のノート。N教授のテキストと並べ、このトレーニングノートに情報を書き込んでいけば、独自のノートを作ることなく必要な情報を暗記できる。レベルは、まさに編入試験レベルである。とはいい、まあまあなページ数があるので、生理学があまり出ない大学にはtoo much。

・Youtube ネコかん
難易度 ★☆☆☆☆
分量  ★☆☆☆☆
用途:内容理解
生理学の概要を掴むときによく見させてもらった。特にホルモン、消化、酸塩基平衡はまずネコかんをみるべき。

・Youtube ゴロー
難易度 ★☆☆☆☆
分量  ★☆☆☆☆
用途:内容理解
こちらもよくお世話になった。ただ分量が多いため、部分的に理解できないところを見た方が効率的。

・コスタンゾ明解生理学
難易度 ★★★★★
分量  ★★★★★
用途:辞書
編入試験にはtoo much。ただ、計算問題が載っているのはよかった。辞書的な使用をお勧めする。


生化学


・運動・からだ図鑑 生化学の基本(マイナビ出版)
難易度 ★★☆☆☆
分量  ★★☆☆☆
用途:内容理解
これから生化学に取り組む人におすすめしたい。生化学といっても、糖、脂質、タンパク質、核酸といろいろあるが、各要点がうまくまとめられているため、これを読めば生化学の大まかな概要はわかる。非医療系の人でも読めるくらいのレベルだが、糖の構造など細かい部分も載っており、これを完璧に復唱できる受験生は少ない気がする。他方で、受験に必要な知識を全てカバーはできていない。一読したら次に行くべき。

・Youtube Hakushi先生の動画(高校生物6発酵から9呼吸まで)
難易度 ★☆☆☆☆
分量  ★☆☆☆☆
用途:内容理解用
糖の代謝を学ぶファーストステップとしてとてもおすすめ。糖の代謝は生化学で一番初めに習うことだが、覚えることが多く、挫折しがち。この動画では、糖代謝の概要と覚え方のコツを学ぶことができた。

・生化学ドリル(南山堂)
難易度 ★★★★☆
分量  ★★★☆☆
用途:暗記
ほぼ編入に範囲をカバーしている。ただ、編入以上の情報もかなり載っている。覚える構図や用語がわかりやすくまとめられているという点でお勧めできる。2、3、5、6、8、9、(10)章あたりはフル暗記したい。12章以降は生理学ででてくるため飛ばしてもOK。

・シンプル生化学
難易度 ★★★★☆
分量  ★★★★☆
用途:辞書
ほぼ使わないが、細かいところを調べたいときに持っておくと便利。

生化学のコツ!!
生化学はいかに情報を整理するか、が得意不得意を分ける鍵だと思っている。そこでおすすめしたいのが、「大きな紙に糖、脂質、タンパク質の代謝の構図を書き、そこに情報を足していく」という整理術である。詳しくは別のページで書いていきたいと思う。

免疫学


・休み時間の免疫学
難易度 ★★★☆☆
分量  ★★★☆☆
用途:内容理解
免疫学における私にとってのバイブル。わかりやすさを追求して細かい部分を端折っている入門書もあるが、後々混乱するため、少し難しくても本書から取り掛かるのが良いと思う。私は、高校範囲の免疫も飛ばしてこの本から取り掛かった。そのため、Chapter1を理解するまで3〜4周かかった。全10チャプターあるため、理解できるまでそのチャプターを何周も読み、進めていくのが良いと思う。免疫学はわからないまま先に行ってもあまり意味がない。ゆっくり時間をかけて少しずつ進めることを勧める。

免疫学のコツ!!
生化学と同様、情報の整理が重要である。大きな紙に構図を書いた上で、情報を書き足していくスタイルがお勧め。また、免疫は同じ登場人物が様々なところで出てくるため、登場人物の確認もしっかりとやるべき。また、使う用語がテキストによって異なってくるため、出てきた際にはまとめておくべき。


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