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脳内議事録

認識の解像度を上げるための思索の旅の記録です。エッセイ、トーク、音楽などさまざまなかたちで頭の中を晒しています。…本音は傷つく、高くつく。
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2021年5月の記事一覧

何か嫌な感じがする

何か嫌な感じがする

利益でつながる関係は分かりやすい。「差し引きプラスですよね、組まない理由はないですよね」という関係性である。どのように得であるか、根拠を具体的に示すことができる。

それを提案されたときに「なんか嫌な感じがする」という歯切れの悪い態度をとる人間は案外多い。頭では分かるが、感覚的には分からないということなのだろう。

丁半ばくち的な意思決定内から沸き起こる感覚的な何かも、算数が苦手な自分であったり、

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死なないという目的

死なないという目的

生きているのが善であると、当たり前に思い込んでいる。そのような暗黙の了解に、思考が停止しがちである。それに拍車をかけて、日々を忙しく過ごしているうちに、つい「死なない」ということが目的になってしまう。

死なないという目的少し考えれば分かることだが、死なないことは目的ではない。死なないことが目的化するとき、思慮浅さが露呈する。どうして死にたくないのかを考えれば、それはすぐに分かる(生きる目的がぽろ

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強者と弱者

強者と弱者

世の中には「〇〇弱者」がいる。当然のごとく、その反対には強者がいる。

一体、何の強弱なのか。そこははっきりさせなければならない。何となく複合的に社会的弱者だよね、というのでは心もとない。

一元的な評価軸経済的な弱者というのは分かりやすい。お金を持っているか、そうでないか。この軸においては、金持ちは強者、貧乏人は弱者ということになる。そして、世の中の多くの人は実際にこの評価軸で強弱を見ている。こ

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鮮明なインプット

鮮明なインプット

情報過多の時代には、何をインプットしないかを考えることがとても大切だ。

自分が触れる情報、ニュースや動画、本といったメディアだけではなく、どこを歩くか、誰と会うか、何を話すかなどもインプットに含まれる。

何をインプットするかはもちろんのことながら、何をインプットしないかに敏感になれば、より鮮明なインプットが可能になると私は思う。

良質なインプットには、感じることと咀嚼することの両方が必要だ

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失われた気力を取り戻す

失われた気力を取り戻す

365連勤への挑戦を150連勤近くでリタイアした。

休日を挟むことによるオン、オフの切り替えをなくせば、オンとオフが緩やかになり、仕事をしているのがもっと自然な状態になるのではないかという安易な考えで臨んだ。結果はまったく違った。

日に日に失われていく気力。感情が平板化する。気分が緩やかに下がり続け、いよいよ抑うつ的な気分の日が続くようになった。このままでは本気で鬱になる。悩んだ末に、リタイア

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専門家と解像度、とコミュニケーション

専門家と解像度、とコミュニケーション

「専門家」という言葉を辞書で引いてみると以下のように書いてある。

専門家:ある技芸や学問などの専門的方面で、高度の知識、またすぐれた技能を備えた人。(出典:大辞林)

特定の分野でハイレベルな知識ないしは技能を持った人のことを言うらしい。まあ、イメージ通りといったところか。

「知識がある」「技能がある」だけでは専門家としては物足りないなと私は思っている。

専門家は、知識があるからその分野の解

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半径50メートル

半径50メートル

誰かにおめでたいことがあったとする。合格でも出産でも、誕生日でも何でもよい。

何でもよいとは言ってみたものの、合格や出産と誕生日とでは事情が異なるので、やっぱり分けて考えたい。

前者は具体的な社会生活の変化を意味し、後者は数字が1つカウントされること以外よく分からない。数字のカウントに加え、人それぞれに意味をあれこれ付け足し、一体何の日なのかよく分からない複雑化したおめでたさになりがちである。

社会参加とはまるで大縄跳びのようだ

社会参加とはまるで大縄跳びのようだ

社会参加とは、まるで大縄を跳ぶようだ。輪の中にいるのと外にいるのとでは、ずいぶん見え方が違う。

実験中止!休日は休もう

実験中止!休日は休もう

このところ、ほとんど無感情な日々を送っている。

疲れているせいだろうか。自分が自分の遠くに離れている感覚がする。元々、俯瞰視点が強いほうなのだが、さらに拍車をかけて俯瞰している。俯瞰し過ぎると、自分が他人にさえ見えてくる。

生活の中で、他者から「なるほど」という視点をもらうことがある。それでも、心は反応しない。自分が自分から遠く離れている。心までの距離もまた遠いのである。

自己肯定感高め、自

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早寝早起き睡眠不足

早寝早起き睡眠不足

普段なら午前1時台に布団に入る。真っ暗な寝室でKindleを読みながら睡魔を待つ。平均すれば午前2時ぐらいに眠りにつく。

そんな私が、昨晩はめずらしく21時に就寝した。そのまま朝まで眠り、久しぶりに早起きでもしてやろうと企んでいた。

実際はどうだろう。午前0時に目覚めてしまったではないか。ずいぶん早起きだ。

頼まれごとが嫌いなワケ

頼まれごとが嫌いなワケ

昔から、頼まれごとが嫌いだ。まるで、やる気が起きない。他者のためにエネルギーを費やしたくない薄情なやつだと、これまで自分のことを思ってきた。

しかし、どうやらそれは違うようだ。

エネルギーが出るか私は、どのように意思決定しているのか。そもそも、利己か利他かみたいな区切りで物事をとらえていないところがある。「これは私のためか?」とか「これは相手のためか?」などとは考えない。

エネルギーが出るか

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マイノリティがマジョリティ

マイノリティがマジョリティ

S.A.Bという秘密結社を運営している。サウナ、アート、ブックを通じて「自己を再定義する」ことを目的とした秘密結社である。反社会的な活動をしているわけではないのでご安心いただきたい。

このご時世なので、今はオンラインの活動がメインである。Zoomで開催している「仮面読書会」はかれこれ次で7回目を迎える。

仮面・覆面をつけて読書会をする。自分の「顔」をなくして、自分や他者の深い価値観に触れること

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内面化したピラミッド

内面化したピラミッド

私には、社会の構造や人々の価値観がピラミッド状に見えている。それは唯一無二の固定的な建造物としてではない。一人ひとりが内面化させている価値基準のピラミッド、認識のピラミッドである。

一般的に、世代、年収、業界、業態、業種、地域、家族構成、ライフスタイル、趣味、カルチャーなどの影響を受けてつくられる。

高き者、低き者、危険因子インターネット社会以前と以降でピラミッド事情は大きく変わった。インター

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「男女平等」に思うこと

「男女平等」に思うこと

男女平等が叫ばれて久しいが、世間は依然として「男女差別」にまみれいる。