見出し画像

24/10/14 🏃燕三条工場の祭典2024 思い出記録~三条編~

 金属加工業で有名な新潟県燕三条地域では、毎年秋ごろに「工場の祭典」と称し、地域の工場が一斉開放されるというイベントがある。12回目の開催となる2024年度は、10月3日(木)~6日(日)までの4日間で開催された。出展企業は109で、昨年より1企業多くなった。
 今年度の特徴は、燕商工会議所と三条商工会議所の青年部のメンバーを中心として、実行委員会が編成されたところである。これまでは、燕三条地場産業振興センターや燕・三条市が中心となってきたが、中心メンバーが変わったことで、出展企業にも新しい企業が多くなった。
 また、イメージデザインの虹色が印象的である。一昨年まではピンクと白の縞々模様が工場の祭典のトレードマークであったが、昨年は黒を基調としたデザインとなり、今年は黒背景に虹色をメインとしたデザインとなった。今年のデザインには、地域の学生が関わったという。
 今回回ったところのうち、いくつかをまとめる。写真は、SNS掲載がOKの企業のみ。


ハイサーブウエノ

 株式会社ハイサーブウエノ(以下、同社)は三条市に立地し、主に厨房のシステムづくりと厨房機器製造を行っている会社である。某牛丼屋やファミリーレストランのシンク、ペットサロンの湯舟まで扱う。
 同社の特徴は、設計から製造まで一貫生産している点、最新機器を導入し、量産対応している点、スピード感のある点である。展開したデータをもとにレーザーで切り出す「切り出し」、手を切らないようにするための「バリ取り」「グラインダーかけ」、水がシンクに残らないようにするための「スジ入れ」、排水部品を板金と平らに取り付けるための「しぼり」、金型を使用した「曲げ」など、幅広い金属加工技術を活用している。
 見学では、ロボットベンダー、レーザー・タレパン複合機、自動ベンダーマシンなど、大きな機械によるダイナミックな生産工程を間近で見ることができた。工場は綺麗に整理整頓され、日々効率的な生産を目指して取り組まれていることが伺える。

マルト長谷川工作所

マルト長谷川工作所ショップの入口
巨大なペンチはフォトスポットのために作られた紙製。
背景は、本体を打ち抜いた後の金属である。

 株式会社マルト長谷川工作所(以下、同社)は、1924(大正13)年に創業した。現在は、工具を扱うブランドである「KEIBA」、ニッパー型爪切りなど美容向け製品を扱う「MARUTO」の2つを中心に展開している。同社は今年、第14回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の「審査員会特別賞」を受賞している。
 創業者の長谷川藤三郎は、1900年に錺の職人の息子として生まれた。24歳の頃、藤三郎は独立し、妻と共にマルト長谷川工作所を設立した。当初は大工道具の「締めハタ」を中心に製作していたが、機械工業の先進地である大阪で出会った「ペンチ」に魅了され、ペンチの生産を始めるべく準備を進めた。1932年、新潟県で初めて「スプリングハンマー」という、鍛造・鍛冶に用いる電動で動くハンマーを導入した。この新潟県初のスプリングハンマーは、見学の冒頭で見ることができる。戦後、2代目社長により海外進出が進められ、生産の拡大、技術改革など日々進化をとげ、今日を迎えている。
 同社の特徴は、10,000坪に及ぶ広大な本社工場の1拠点で、全工程を一貫生産している点である。これにより、高い品質を保っている。見学では、材料である金属の棒を打ち出し、バリを取るまでの工程を学ぶことができた。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集