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事業承継できるかな ~初案件! その4(サイトT編)~

■いままでのあらすじ

 ・まずは動いてみよう、とネットの事業承継サイトに登録

 ・デザイン系業務に特化したソフトを販売している「パピルス」社にコンタクト。機密保持契約を締結して先方の樋口(仮名)社長とお会いすることとなった

 ・製品「コンパスちゃん」を紹介していただくも、製品以外の課題が山積していて、買収価格に見合わないと感じた

 ・別の買収候補者と会ってほしいと樋口社長の衝撃発言。理由を聞いてともかくコンタクト。

■せっかくのご縁、コンタクトとって情報収集

「はじめまして、樋口社長からご紹介頂いた塚田と申します、個人M&Aで樋口社長とコンタクトを取っています、と …」

樋口社長から教えていただいたインフラ商店の担当者さんのアドレスにあっさり目の内容でメールします。今後の交渉を考えて余計な事は書かないことにしました。送信元の私のアドレスは事業承継関係用に取得したGメールです。

普通に考えると、案件が終わったら関係者同士で連絡を取ることはあまりないと思います。しかし、用心に越したことはないので、いざとなれば捨てられるアカウントを持つことをオススメします。

で、メール送信したら、ホームページで情報収集。

「ふむぅ、インフラ商店さんはデザイン事務所がお得意様なのか・・・」

中小規模のデザイン事務所に向けたインフラ回りを中心に事業を展開していて、事務所の事務効率化を目的としたWebサービスのラインナップを増やしている、という印象を受けました。勢いよくワーッと製品を乗せた感じ。でもカッコイイ作りは、どこかのお得意様に発注したのかな、と思わせるセンスの良さ。

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■湧き上がる、違う種類の疑問

「最近サイトを新しくしたっぽいなぁ・・・去年より前の情報がないぞ」

一番古い情報は去年の社内イベント開催報告で、楽しそうな社員さんたちの写真が掲載されていました。続いて会社概要を見てみます。

「おや、結構支店や営業拠点があるんだね・・・こんだけあるのに、これくらいの資本金って、アンバランスなような???」

インフラ商店さんはインフラ商店さんで、樋口社長の時と違う種類の疑問がわいてきます。アンバランスな秘密は後日明らかになるのですが、それよりも「どうして樋口社長の製品を欲しがるのか」という根っこの疑問はサイトでは解消できませんでした(仮説も立てられない・・・)。

なにしろ、樋口社長から譲り受けようとしている事業と似たようなソフトを販売しているのです。それなのに、わざわざ手をかけて販売する必要があるのかなぁ??? 私が言うのもおこがましいのですが、いまのラインナップで十分なような気もします。

首を傾げてから数日後、仕事でワタワタしている時にスマホにメール通知が。インフラ商店の担当者さんからお返事があったのでした。

「塚田様

 お世話になります。インフラ商店の山田です。

 ご連絡、ありがとうございます。樋口社長からお話しを聞いております。塚田さんはソフト会社にお勤めとのことで、当社にないソフト開発の知見がおありと思います。ぜひ一度案件についてご相談いたしたく存じます。恐れ入りますが、当社のxx事業所までお越し頂くことは可能でしょうか。お時間は塚田様のご都合で調整いたします。

インフラ商店 山田」

そんなメールもらうようなハイレベルなことを言った覚えないぞ。先方の事務所に行くのは構わないけど、僕が樋口社長のところに訪問して、感じたことを言う以外、先方が求めるようなことを言う自信がありません。

僕は今までの情報と照らし合わせて「どっかでタイミングを見て撤退」と考えているんだし・・・。今回の案件、インフラ商店さんには申し訳ないけどポジティブな要素があまり言えない。どうしよう???

それにしても、樋口さん、山田さんにいったい何を言ったんだ(困)

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