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【エッセイ】お墓には来てくださいね

風邪をこじらせて肺炎になるように、
私もそれをこじらせてしまったのです。



軽症だったそれは、今や重症。
入院したところで治るものではない。
治癒かお悔やみ、貴方に待つのはその2つのみ。
ご愁傷さまです。



そんなことを告げられた日には、症状はより悪化したように思います。

朝は心地よく目覚め、昼は活発に動き、夜は快眠。
健康的な生活を送っている頃は中等症。
むしろ患っている方がいいと言われるような状態。

それがずっと続けばよかったのですが、それは私の体を蝕んでいきました。


朝は起きづらく、昼も頭が動かず。
夜に眠れるのは幸いでした。
眠っている間だけは、病のことを忘れられるのです。


夢も見ずとも、気づけば朝を迎える。
ずっと眠っていればそれのことを思い出さずに済むのなら、
目を覚まさなくてもいいかもしれません。

それが彼が言った、お悔やみなのでしょうか。



恋患いだなんて言葉、誰が言ったんでしょうね。

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