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'本質的な課題' 認識のズレへのフィードバック

主宰する異業種混合型社会課題解決プロジェクト「ALIVE」では、4回のセッションのうち、セッション1で3つの答申先からテーマを提示し、各テーマごと3〜5つのチームからセッション2・3・4で毎回提案をブラッシュアップしたプレゼンテーションを実施。答申先と外部のアドバイザーからフィードバックを受ける。

これまで過去39の答申先の150以上のチーム、670人を超える卒業生を見る中で私が感じている大企業の次世代リーダーならではの難しさは、’本質的な課題’を考えること、だ。

意図的に、セッション2では、課題解決の提案を評価基準とせず、その手前の'本質的課題'をお題としている。(セッション3・4は課題解決提案が評価対象)

https://note.com/y_shoji/n/nbc52a794e36f


この企業の次世代リーダーが典型的に陥る'本質的課題'に対し、答申先やアドバイザー から受ける手厳しい代表的なフィードバックを挙げてみたい。

■与えられたお題(テーマ)そのまま
 答申先からのテーマ、例えばマツリズム からの祭り文化の継承というテーマが提示された場合、本質的課題を「祭り自体が続いていかないこと」とするような、テーマをそのまま言い換えたもの。

■深掘りできていない
 上のテーマを言い換えたというのも一種ではあるが、なぜなぜが甘いもの。先ほどの例で言うと、一歩進むものの例えば「祭りを担う人がいないこと」など。なぜ祭りを担う人がいないのかなどの深堀りが足りていない。

■ありたい姿がない
 ここは次も含めた'課題'という言葉の定義が企業によって違う、もしくは'問題'と混同して使われているためだと思われる。自分自身としては、'本質的課題'とは、’ありたい状態に現状を変えていく、最も解きやすく・効果を呼び起こしうる問い’というような定義がしっくりくるが、チームで最終の提案につなげるために違う定義を用いてもOKではあるが、少なくとも最終提案で実現したいありたい姿からの検討が要素として入っていないことはないように思う。が、実際のセッション2の次世代リーダーからの提案は驚くほど現状の問題点の指摘にとどまることが多い。

■問題点の羅列
 上と同様+問題点の整理もない。箇条書きで現状の問題点が羅列されても、その通りだなということはあるかもしれないが、決して解けそうには思えない。

■インパクトがなさそう
 ここは、解決の方向性ともセットで考える必要はあるが、ここを解いて言っても決してテーマが実現できるようなインパクトが見込めそうにないもの。いわゆる筋の悪そうなもの。ただここは実際の具体策に落としたときに答申先やアドバイザーの想像を超えた提案に至ることもあるので、一概にダメダメではない。 

■失礼
 最初の与えられたお題の言い換えの場合によく発生するのが、これ。答申先自体は自虐も含めて金や人のリソースのなさを触れる場合が多いが、もちろんそうせざるを得ない中での必死での取り組みの結果である。それを真に受け、答申先のできていないことをそのままできていないと課題化。深堀できてないこともあるし、そもそもの姿勢として、上から目線になっている。


などなど、これだけではないものの代表的な'本質的課題'の次世代リーダーの認識のズレを挙げてみた。最終的には、答申先のため・自分の成長のため、本気で取り組める'本質的な課題'にぶち当たってもらいたい。


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