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共創プロセスへの5つのポイント

 地域創生の新たな枠組み「100DIVE」が、7/31スタートする。100DIVEは次世代リーダー向け異業種混合型社会課題解決プロジェクト「ALIVE」から派生した。ALIVEの多様な人材がチームとなり夢中になる共創プロセスが、関係人口もかかわりながら新たな地域ビジネスを生み出していく枠組みの導入部分になるという考えからだ。

 
 ただ、もちろん単純に多様性のあるチームができれば共創プロセスになるということではない。今回、過去のALIVE参加者がボランティアで、100DIVEのプログラムをブラッシュアップするために30人で'共創'した。そのセッションに至るプロセスを通じ、単なるビジネスコンテストに終わらないALIVEの共創プロセスに至る工夫の一端を披露したい。

 
1.意義による共創 
  人は意義を感じられないものには本当の力は発揮しない。なぜこの場があるのか、ここでのアウトプットはどのような意義があるのか、熱く伝える。例えば今回で言うと、参加者がよく知るALIVEのプロセスを進化することで、疲弊する地域の中で人起点での新たな枠組みが作り出せるかもしれない。作り出せたときに今後の日本の人口減少に苦しむ地域の光明になれるかもしれない、など。

2.複数のチームによる競争
  目的を理解してくれそうな人をとにかく集め、複数のチームを必ず作る。今回も、ALIVEの過去参加者570人のうちから一本釣りも含めて30名近くの参加希望を集め、当日は6つのチームを作った。一回きりの今回はそこまでではないが、やはり複数チームで、一つの目的に対しゲーム感覚での健全な競争意識が、真剣に向き合うことにつながる。その上で、1の共創意識が、それぞれのチームでとどまらない答えの掛け合わせなどでのブレークスルーを呼ぶ。

3.仮の答えは持つ
  自分なりではこうやったらいいのではないかという仮の答えを持つ。今回で言うと、企業の人材育成の面も色濃いALIVEと違い、ダイレクトな事業の提案が求められる100DIVEでは、自分ならどのような答えがありうるかを具体的に事前に考え、その自分なりの答えが出てきたストーリーをなぞり、切り口を提示した。自分が仮の答えを持っているから出せた、具体的な切り口は以下の内容であった。
 ・参加者をより夢中にするためには?
 ・ALIVEよりもさらに異業種となる、 チームビルディングをどうするか?
 ・ゴールイメージの設定の仕方と伝え方は?
 ・プレゼンとリフレクションをどのようにするか?
 ・どのような情報インプットをどのようにするか?
 ・終了後の参加者と地域とのマッチングの仕方


4.柔軟に考えを変える
  ただ、あくまで答えは自分なりの考えであるので、チームからの多種多様なアイデアを柔軟に受け入れて、考えを変えていく。自分の考えを当初から持っていると、そちらに固執して新たな他者からのアイデアを受け入れにくいということがありそうだが、実は逆。自分の答えを導き出したストーリーがある分その対抗軸を持ちながら他者のアイデアを聞くことで、よりストーリーの幅がわかり最良の選択肢を選ぶことができる。私の場合は。
 昔よくやっていたのは、共創を目的とした会議の前に、仮想の議事メモを作っていた。会議の中でどこで新たな考えになって自分の意思決定のプロセスが明確になるし、終了後驚くほどの早さで議事メモを出すことで参加者に決定事項を印象付けることもできる。


5.企画より実行
  今回のセッションでは、現時点は1から4までだが、この共創プロセスは企画だけで終わらない。もっとも力を発揮するのは、実はその後である。企画を一緒に考えた仲間として、その後の実行フェーズでは自分ごととして力を貸してくれる。この部分が実は一番効果が大きい。今回もこのALIVEの過去参加者が今後いろいろなフェーズで100DIVEでも力を発揮してくれることだろう。

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 そもそも、ここに至るのは、圧倒的に戦力が少ないときにこの枠組みが効果を発揮することを知っていたからだ。ハイボールブームがくる10年前の圧倒的に競合より営業戦力が少ない焼酎天国の鹿児島で、チェーンの店員を仲間に巻き込んでウイスキーを売りまくった「店頭活性化セミナー」や、洋酒やビールが事業のメインの中で新興事業かつ氷結チューハイに一気にシェアを失う売りにくい環境下で全国の営業支店でチューハイリーダーを作り、史上最高の店頭を作りだしNo.1に返り咲くきっかけとなった「-196℃営業プロジェクト」。ドメスティックな会社で英語リーダーを各部署に設定し、彼らと一緒に史上空前の英語ブームを呼び起こした「KEY(京橋・英語・やってみなはれ)プロジェクト」。


 もちろん、枠組みを立ち上げること自体も理解を得ることは難しいし、簡単にこの枠組みが簡単に機能するわけでもない。本日の5つのポイントは代表的な立ち上げて機能させるポイントではあるが、この間にも細い暗黙知的なTipsは山ほど必要となってくる。

 圧倒的に人が足りない地域において、自分自身の集大成として、100DIVEを成功につなげていきたい。

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