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のりたま物語 かごんまのやま 第八話

 この物語は、フィクションです。

 数日後、交通事故の検証することになった。

 桜島は今日も煙を上げている。

 ゆうちゃん は、交通事故の検証の様子を、少し離れて見守っていた。

 父は来なかった、母は来たけど事故当時いなかったから任せます。と言って直ぐに帰って行った。

 この日は、交通事故の目撃者として、通信工事をしていたという三人がきていた。

ゆうちゃん(ん?工事なんかしてたかな…)

 三人は勢いよく畳み掛けている

工事の人「電柱の上から、ずーっと危ないなーって三人で見てたんですよ。そしたら、案の定、急に飛び出しやがったんだよー!やっぱりなー!って思ったよ!」

トラック運転手「だろ!?まぁ、そういうことだわ!」

ゆうちゃん(そう思ってたなら、その前に声かけんかい!)

警察官「んー、目撃者が他にいないとなると、こんなもんか…。」

 警察官を見つめる ゆうちゃん。

警察官「?あれ?この子、事故にあった子にそっくりだが…。兄弟か?」

 ゆうちゃん は、こくりと頷く。

警察官「もしかして…見てた?」

 ゆうちゃん は、こくりと頷きそうになった時
 トラック運転手がやってきて怒鳴りつけた!

トラック運転手「あんた、まさか、そんなガキの言うことを魔に受けたりせんでしょうね!?」

警察官「…ちょっと、挨拶しただけですよ。行きましょう。」

 ゆうちゃん は、大人に連日 怒鳴られ 怯えて声が出なくなっていた。

 ゆうちゃん は、南さんの家を震える手で指差した。

ゆうちゃん(おまわりさん、あそこにいるんだよ!本当のことを知ってる人が!)

 ゆうちゃん は、警察官に念を送った。

 警察官が ふっと振り返った。

警察官「ん?それは、なにをしてるんだ?」

トラック運転手(余計なことを!)

 トラック運転手は、警察官よりも早く ゆうちゃん に駆け寄らなければとダッシュした!

トラック運転手(やばい!誤魔化さなければ!!!)

 ゆうちゃん の正面に立ち、すっと指を指した。

 指先を…つけた!

トラック運転手「…Eぃ〜…Tぃ〜…」

全員(………)

警察官「急にどうした?」

トラック運転手「い、いや!この前、会った時も、お別れの挨拶に、これをやったんだよ!な!なぁ!?」

ゆうちゃん(……そんなわけないだろ。)

警察官「本当か?全然、そんな感じしないぞ?」

トラック運転手「こ、こんな嘘!つ、つくわけないだろ!」

警察官「いや、こんな本当の話の方が無いだろ。」

トラック運転手「いや、本当なんだって!なぁ!おい!お前!本当だって言え!コラ!ぶっ飛ばすぞ!」

警察官「ぶっ飛ばすぞって言っちゃってるよ。ひどいな。大丈夫かお前。」

 警察官は、ゆうちゃん に話しかけた。

警察官「何かを知ってるのかな?」

 ゆうちゃん は、大人に怒鳴られすぎたため、恐怖で声が出なくなっている。

 ゆうちゃん は、もう一度、南さんの家の方を震える手で、ゆっくりと指差した。

警察官「あ、あぁ…あぁ!」

 何かに気づいた!

 警察官は、手をゆっくりと上げて指を指した…

 ゆうちゃん の指先に、つけた…

警察官「Eぃ〜…Tぃ〜…」

ゆうちゃん(は?)

警察官「うわ!やりたくなるね!!これは、やりたくなるわ!」

トラック運転手「だ、だろー!!!」

 警察官とトラック運転手は、すっかり意気投合して去って行った。

ゆうちゃん(…ト・モ・ダ・チ)


エンディングテーマ

KeepWalking
かごんまのやま(2024 Remastering)
作詞 のりたま
作曲 のりたま

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