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患者さんと直接会話ができないときの情報の集め方

失語症があり、コミュニケーションがとれません。その場合、ゴードンの情報収集はどうすればいいですか?情報収集、本人に確認できないなら、パソコンや家族、看護師ではないのですか?

患者さんと直接会話ができない場合、カルテからの情報を頼りにすることもあるでしょうし、これまでに関わった様子を看護師から聞かせてもらうこともあれば、ご家族から話を聞くこともあるかもしれません。

質問者さんが挙げてくださった、どれも、情報収集の手段として当てはまると思います。


看護過程のスタートは、情報収集です。患者さんを知らないことには、どんな看護が必要なのかを考えることはできません。

ので、情報収集ができない、となると焦ってしまう気持ちを想像できるのですが。ここで、大事なことを思い出してほしいなと思うのです。


情報収集をするうえで大事なことは、「何を知りたいのか」を明確にするということです。


看護過程といえば、まずは情報収集だとすると、この「情報収集」という表現が「情報を集める」という行為を強調してしまうのかもしれません。

が、看護過程のスタートは、正確には「アセスメント」です。またむずかしいことばが登場すると、苦手意識や混乱が生まれてしまいそうですが、かんたんに言い換えると、アセスメントとは「患者さんを知る」ということです。

っで、患者さんを知る手段として「情報収集」があり、結果として必要な情報を集めることができれば、方法は自分で選んでよいのです。

忘れてはいけないのは「今、ここにいる患者さんに必要な看護を考え実践するため」の情報収集である、ということです。


どのような方法で情報を集めるとよいのかは、何を知りたいのかによって異なります。

「知りたいこと」によっては、患者さんと直接会話ができなくてもよい場合もあります。

カルテでもなく、看護師から聞くでもなく、ご家族に頼るでもなく、情報を集める方法とは?


観察とフィジカルアセスメント、です。


いわゆる「一般的に必要だとされている情報」を、ひととおり眺めてみてください。

直接患者さんと話さないで、観察やフィジカルアセスメントで確認できる情報って、結構あります。

例えば、活動に関することは、ほとんど観察することで確認できますね。どんな場面でどんな動きをしているのか。身体のどこがどう動いているのか、動いていないのか。何をしているときに、どれほどの時間がかかって、どんな表情をしているのか。などなど。

患者さんから直接聞かせてもらえる生のことばは、「今、ここにいる患者さんを知る」うえで最上級に有効です。

ただ、患者さんの「ことば」がすべてではありません。これは、患者さんのことばを信用していないということではありません。ことば以外の部分に現れる「サイン」があり、このサインは与えられるものではありません。私たち看護師が意図して受け取り、読み取ることでしか集めることのできない情報なのです。

〜看護は、観察に始まり、観察に終わる〜 フローレンス・ナイチンゲール



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