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【読書ログ】 思考が物質に変わるとき 〜MIND TO MATTER〜

本書の概要

本書は「思考は現実化する」といった引き寄せの法則に代表されるスピリチュアル、哲学的概念を科学的な立場から様々な理論や実験を引用することで再現、証明を試みる、いわば神秘主義と唯物主義の橋渡しのような内容となっている。マインドフルネスやあまりあまり聞き馴染みのないエコ瞑想、EFTといったリラックス、ヒーリングの方法論が紹介されており、心身の不調や主に精神的な病気で苦しんでいる方は非常に有益な知識が満載の一冊となっていた。

感情は環境を変える

私たちは日々生活しているとイラつくことがあったり、漠然とした不安や葛藤あったりと様々なさられている。そうしたネガティブな感情は幸福感といったポジティブな感情は、アルファ波、ベータ波、ガンマ波、デルタ波、シータ波と言う基本的な5種類の脳波の発生量を測定することで、推定できるという。例えば不安や葛藤がありストレス過多時は高ベータ波が発生しており、うたた寝をしていたり、創造力が高まっている時はシータ波が発生している。他にも具体例が挙げられていたが、この項目で特に重要だと感じたポイントを2点挙げる。1つ目は本書で紹介されているエコ瞑想やマインドフルネス等のテクニックを利用して、意図的に覚醒した脳波を発現させることで、自ら理想的な心理状態を維持することができると言うこと、そしてもう1つは、正常な脳波の状態を維持していても、ネガティブなエネルギーに感染した人に囲まれた環境にいると自分も環境とのフィードバックで正常な状態から外れてしまうと言うことです。

可能性と観察者効果

可能性のある波の中に存在している無限の可能性全てが現実となりうるが、その中でたった一つが選ばれ、実現する。そして一つの現実が定まると、同時に存在していた数多くの可能性は消滅してしまう。数多くある可能性からただ一つの現実を決定する要因として「観察」と言う行為がある。と、量子の世界ではこれを観察者効果として呼んでいる。そしてこの観察者効果は二重スリット実験という手法を通して確認されている。実験内容や細かな理論についてはここでは割愛し、結論だけ記すと「実験を観察する」という行為がなされるだけで、実験結果をまったく異なるものになってしまうことが分かった。他にも種々の科学的な実験などから、人の持つ意識、期待が私たちの周りの物質に影響を与え、現実を作っていると言える。この項目で特に重要なポイントとしては、日々の意識状態が目の前の現実を作り続けることを念頭において常に一貫してポジティブな意識を保つことが、自分の理想とする現実を創造するための条件であるということである。

シンクロにシティの仕組み

誰かのことを考えていたら、ちょうどその人から電話やメッセージが来たり、通りかかったりといったことがたまにあったりする。他にも例をあげればキリがないと思うが、このような現象をシンクロニシティと呼んだりする。そしてなぜシンクロニシティが起こるのかという疑問に対して、主観的な「意識や精神」と客観的である「現実」の状態をつなぎ合わせようとする力が働くからだということが考えられている。では、このシンクロニシティは自然に起こるものなのか?それとも意図したもの促すことができるのか?という問いに対して、本書では訓練を積んでいけば手に入る状態だとされている。宇宙が繰り広げる調和の中で生きることが心のデフォルト設定に変化させることで可能だと言う。そしてシンクロニシティを起こための重要な訓練方法として、シンクロニシティが起こったら日記に大きく「S」と書き記すこと、朝起きた時は特になるべくテレビやSNSのネガティブな情報を排除して、瞑想・マインドフルネスで意識を研ぎ澄ませることが推奨されている。

本書のまとめ 〜思考は現実を超える〜

私たちは大人になるにつれてネガティブな経験を重ねていくことで、いつの間にか子供の頃に抱いていた純粋な気持ちを忘れ、心配で消耗したりストレスを抱えたりしてどんどん目が曇ってしまいがちだ。ではどうやったら子供の頃の気持ちを取り戻し、喜びや平穏、想像力を発揮できるのか?それを解決するシンプルな訓練方法として、毎朝目が覚めたら自分の意識をできるだけ高次元の周波数に一致させることに集中し、モチベーションが上がる言葉を読み、瞑想状態に入ることである。1日の活動を開始する前に、自分の意識状態を整え、できるだけ次元の高い周波数に自分を一致させることで高いエネルギーフィールドと調和することで、日々の暮らしはより活気と喜び、意欲に満ち、シンクロニシティにより自分の理想とする状態が、高次元の意識状態での思考と行動から現実化していくのである。


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