横断歩道を渡った先で
明日で最初に倒れた日から9年になる。
横断歩道を渡った先で、突然襲ってきた異常な倦怠感、脱力感、激しい息切れ。
身体が冷たくなり、その30分後くらいに意識を失った。
当時17歳。
この日を境に私は普通の生活が送れなくなってしまった。
もし横断歩道を渡る前の私に戻れるのなら。
なんて声をかけようか?
そんなことを時折考える。
休んだ方がいいんじゃない?
もうそんなことを言っても、彼女の耳には届かないのだろうか。
もし横断歩道を渡る前の私に戻れるのなら。
どんなに嬉しいだろう。
それとも今の私より、彼女の心は不安定だろうから、戻ってしまったら余計に苦しくなるのだろうか。
手元に残った私の定期は、今も17歳のまま。
いつか実年齢の定期を持つこと。
これが私の小さな夢だ。
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