ジレニアル世代とは何か

竹田ダニエルさんをご存じですか?「yoi」でも連載をしていただいているのですが、なにより「群像」の連載をまとめた初の著書、「世界と私のA toZ」が素晴らしかった!私も見事な世代論に心奪われた一人です。

著書の中で、93年から98年生まれ前後を「ジレニアル世代」とする記述が出てきます。ミレニアル世代でもZ世代でもない世代、とのこと。
いまちょうど20代後半~30歳前後のオーディエンス向けにコンテンツを作っている「yoi」の編集長として、とても腑に落ちるものがありました。

27歳の読者のかたにお話しを聞いていた時のことです。
「上司に、Z世代だからこのへんわかるよね、みたいな言い方をされるとモヤモヤするんです。私、別にTikTokとかで踊ってませんから」
とおっしゃいました。

「Z世代」がどの世代を指すのかはわりとゆるいですが、一般的には2000年以降に生まれた人というとらえ方のよう(ちなみに2010年生まれ以降は、アルファ世代というらしいです)。

たしかに96年生まれの方は、80年代生まれのミレニアル世代と明らかに価値観が違います。2014年にインスタグラムの日本語アカウントが開設されたとき、学生だったか社会人だったかで、価値観はまったく異なります。
しかし2017年にTikTokがスタートしたときに大学4年生だったとすると、10代のユーザーが多い中で自分のダンスを投稿する人は多くはなかったかもしれません。

どっちにも属さないのに、どっちかに入れられるモヤモヤ感…!そんなモヤモヤに加えて、読者のかたからよく聞くのは、自分の価値観と周囲の価値観がズレるモヤモヤ。

ジレニアル世代のみなさんとお話ししていると、明らかに新しい価値の持ち主です。しかしら世代的に、就職した会社や周囲はまるで昭和の価値観、ということもよくあるようです。
世代的に結婚や出産といった話題も多いそうで、とにかく「周囲との価値観のズレにモヤモヤ」していらっしゃる。

私は幅広い年代の媒体に携わってきましたが、20代後半から30歳前後で結婚、出産、キャリアで悩むのは、やはり世代的に多いです。
しかし最近顕著なのは、自分はとくに悩んでいない(もしくは結婚や出産について決めている)のに、周囲の価値観とのズレにより、会話の節々に違和感を感じてしまう、という悩み。

「ジレニアル世代」というワードは、「Z世代」と同じくマーケティング用語的な意味合いもあり(ダニエルさんは、Z世代とは世代のことではなく価値観のことである、とおっしゃっています)、読者のみなさんはきっと、名付けられることはイヤだと思います。

ただ、何に悩んでいるんだろう?ということを言語化して、それを掬い取るコンテンツを発信していくために、作り手の私の理解の一助になりました。

それにしても、ジレニアル世代やこれから成熟するZ世代のみなさんの価値観は本当にフレッシュで、いつも教えられます!

オードリー・タンさんも「35歳をすぎたら年下に学べ」とおっしゃっていました。現在の職場ではめちゃくちゃ頼りになる部下もいて、毎日学べる環境がとてもありがたいです。

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