ひきこもりについて考えたこと
「泉州Triggerフェス」とは、ひきこもり当事者による音楽イベントである。2024年9月28日(土)に開催される。お世話になっている「凸凹といろ。」のゆー編集長が司会者として参加されるとのことで、記事を書かせていただくことになった。
専門家によるパネルディスカッションの後、ライブ演奏やパフォーマンスが行われる。特色としては、「キャンセル・当日飛び込みOK枠」が設けられていることだろう。
当日キャンセルOKというのは当事者にとってもプレッシャーが少なくなり、助かるのではないだろうか。
詳しくは公式Instagramを参照して欲しい。
https://www.instagram.com/sennsyuu_trigger_fes/
ひきこもりのことについて調べたことを簡単にまとめる。
・ひきこもり状態になった主な理由は、「退職したこと」が40~64歳でトップ
・医療機関、精神保健福祉センター、保健所、社会福祉協議会、企業、ハローワーク、NPO……なんらかの関係機関につながったひきこもり当事者は令和3年度で6527件
肝心のひきこもりの定義であるが、厚生労働省は
「様々な要因の結果として社会参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態。(他者と関わらない形での外出をしている場合も含む)」とし、
「原則として統合失調症の陽性あるいは陰性症状に基づくひきこもり状態とは一線を画した非精神症性の現象」とするが、
「実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれる可能性は低くないとしている。」と注釈を加えている。
健康な人がいわゆる〝わがまま〟でひきこもっているのではない。精神障害含め、多大な事情がそこにはあるのだ。
私が思いを馳せるのは、ひきこもり当事者の〝傷つき、苦しみ〟である。
ひきこもりと聞いて、自己責任や家族の問題、当事者の〝甘え〟であるともはやテンプレート的に反応する人も中にはいると思う。
女性の2人に1人が非正規雇用である昨今、自分はしんどい思いをしながら働いているのに、と半ばいら立ちを覚えてしまうのはわからないわけでもない。
しかし私は言いたい。ひきこもり当事者を責め立てる行為は目的がはっきりしない。おそらくはなにひとつ解決しないであろう、ということだ。
ただでさえ深い傷つきからひきこもりへと至ったのに、さらに追い打ちをかけるかのようにやみくもに責め立てて、いったいなんの意味があるのだろうか。
私は小・中学校は不登校気味だった。暴力を含むいじめられ経験、教師の暴言、被虐待、ヤングケアラー経験のため学校にはろくに通っていない。よって私もかつてはひきこもり当事者であったといえる。
40~64歳のひきこもり状態になった主な理由トップが「退職したこと」であるように、ある日調子を崩して退職しひきこもってしまえば、私だって再びひきこもり当事者になるのだ。〝明日は我が身〟なのだ。ひきこもりをまったく別の〝種〟、自分とは一切隔絶した、さしずめ見たこともない深海の魚のように扱う社会を私は理解できない。
ひきこもり経験者の方は何人が知っているが、皆まっとうな方である。まっとうすぎる、優しすぎるくらいだと思う。優しすぎる方が傷ついてひきこもらざるを得ない社会のほうに、私は甚だ疑問を覚える。
もしこれを読んでいるあなたがひきこもり当事者なら、9月28日(土)に「泉州Triggerフェス」に参加してみるという方法もある。もちろん行かないという選択肢もある。行くも行かないも完全にあなたの自由だ。暗に参加をすすめるためにこのような物言いをしているのではない。本当に自由なのだ。未来は思ったよりも自由で、少しずつ掴み取ることができる。
まだまだひきこもり勉強中の身である。参考文献があればぜひ教えて欲しい。情報お待ちしてます。
出典
泉州Triggerフェス_official(@sennsyuu_trigger_fes) • Instagram写真と動画図表2-2-3 ひきこもり地域センター関係機関へのつなぎ件数(令和3年度)|令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)