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量子力学的妄想 ~心をつなぐもの~

私は理系なので、科学系の空想が大好きです。
量子力学という学問がありまして、その世界ではこんなことが言われます。
・物質の状態は「観察行為」によって変化し、つまり物質の存在は結局観察者との関係でしか表せない可能性がある(観察者効果)。例えて言うと、誰もいないところで起きていることは「無い」と同じ、とか。
・はるか遠く離れた場所にある2つのものが、光速を超えたスピードで互いに連動する(量子もつれ効果)。
 
この世の中は自分の認識だけのバーチャルな世界だとか、遠く離れてテレパシーでつながるとか、SF映画のような神秘的なお話ですよね。興味が湧いた方はぜひ、「二重スリット実験」、「シュレディンガーの猫」といった言葉をネットで検索してみてください。
私の理系の友人にも多いのですが、「自分とは何か、何のために生まれてきたのか」、「世の中の究極の原理は何か」といった根源的な問いを考え始めると量子力学の世界に行きつく人が多いみたいです。

ある日、量子力学について空想(妄想)していたら、こんな会話が浮かんでしまいました。
 
教授:今日は「量子力学」の実験をやろう。準備は良いかね?
助手:はい、何をすれば良いですか?
教授:ほら、向こうからちょっと怖い感じの人が歩いてくるね?
助手:ええ。
教授:身なりと人相から察するに、あの方は本業のヤ〇ザ屋さんだ。
   これから君は、
助手:はい。
教授:全力疾走でダッシュして、あの人に思い切りタックルするんだ。
   いいね?
助手:ええっ・・・それは勘弁です。
教授:いや君、これは量子力学の実験なんだ。私は科学的根拠のあることしか言わない。ちょっと話を聞きなさい。
助手:はい・・・
教授:すべての素粒子の存在は確率分布でしか表現できない。ここにあると思ったものが、もっと遠くにもあるってわけだ。遠くなればなるほど存在確率は減るが、ここから北極に行こうが、月面に行こうが、決してゼロにはならないわけだ。
助手:はあ。
教授:ここに素粒子が100個あったとしよう。この素粒子たちがちょうど今、偶然に一直線に並ぶ確率はどれほどかね?
助手:相当低いと思いますが・・・
教授:そうだ。だがゼロではない。ゼロではないものを百回掛け算するのだからそれはゼロではない。分かるね?
助手:はい。
教授:では百万個ではどうだ。やはりゼロではないだろう。
助手:はい・・・
教授:そういうことだ、分かるだろう。いま君が全力でダッシュしあのヤ〇ザ屋さんにタックルした時に、たまたま君の体とヤ〇ザ屋さんの体、組織のすべての細胞を構成する原子が格子状に完璧に配向して揃い、原子が互いにすり抜けながらスッと通り抜ける可能性もまた、ゼロではないのだ。さあ、タックルを早く。説明している間にヤ〇ザ屋さんがどこかへ行ってしまうぞ。
助手:それって実質ゼロですよね?
教授:何を言っているんだ。この未来永劫の宇宙時間において繰り返される歴史の中で起こる無数のサンプルの一つとして私は今君に依頼しているのだ。それは必ず達成するし、既に達成しているともいえる。私は科学的真理を言っているんだ。君は今まで何を学んだのかね?
助手:いやしかし教授、お言葉ですが・・・
教授:何だ。
助手:教授がおっしゃるその確率というのは例えばですが、
助手:例えて言うと、私が今ジャンプして指を「パチン」と鳴らしたとしますね。
教授:それがどうした?
助手:その瞬間にたまたま私の細胞を構成する全ての原子配列が偶然の配向をして、着地した瞬間には脳内の記憶まで完全に再現された福山雅治になっている可能性、と同じほどのことを言ってませんか?
教授:うん、そうかもしれんな。さらに言うと、その福山雅治の頭の上に、お湯を入れて3分後にちょうど食べ頃になった緑のたぬきがたまたま乗っている確率も大差ないだろう。
助手:その緑のたぬきのフタに印刷された原材料表示も完璧に正確なわけですよね?
教授:そうだ。早くタックルしなさい。
助手:イヤです。

~以上~

ほとんど意味の無い読み物でしたので、お忙しいときについつい読んでしまった方はゴメンナサイ。

#愛情の循環 #随想 #こころをつなぐ

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