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26冊目. 具体と抽象 

あらすじと感想

「具体的=分かりやすい」「抽象的=分かりにくい」
といった捉え方をされるのが一般的である。実際、生活の中でも
「具体的に言うと〜、、、です」と言う機会も多ければ
「で、結局何が言いたいの」と思っってしまう機会に遭遇する場合もある。

本著は、一般的に分かりにくいと揶揄されがちの抽象化の重要性を訴えた本であった。抽象化の最大のメリットは「複数のものをまとめて、1つのものとして扱うことができる点」であると感じた。実際に、この概念がなければ日常生活で非常に困る。例えば、「ご飯」という抽象概念を知らない人がいたとする。彼にとっては、米は米でしかなく、パンはパンでしかない。米やパンをまとめてご飯というカテゴリに分類できないのである。

このように、複数のものをまとめて1つとして捉えることができる点が抽象化、ひいては人間の最大の武器であるということが最も強い主張であった。

加えて、目的に応じて抽象化した要素を抽出することも重要である。
例えば、「40歳。男性。病人。体重80㌔。未婚者」という要素があってもどこを抽出するかで結果や分析は大きく変わる。

 また、抽象化は自由度が高いため、相手のレベルを見る必要があるとも述べられている。例えば、「この資料完成させといて」と上司が言ってきたとしても「どのように、どうして作ればいいのか」と悩んで、作成できない人は多いのではないだろうか。もちろん、好き勝手にはちゃめちゃに作っていい訳ではない。加えて、提案者側も、抽象度を下げて具体的に頼むことが求められているかもしれない。しかし、以前からの上司の資料や自分の経験則から求められているであろう要素を抽出して、自由度の高い資料を作成することができる。このように、抽象化は自由度が高い。

 そのため、一般的に上流で扱われる。例えば、企業でも経営理念や企業方針など全体の方針(二項対立)を決めるのは上流の仕事である。上流(抽象の世界)でざっくりとした方針を決定し、それを下流(具体の世界)で実施する。そして、面白いのが、上流は関わる人が多くなればなるほど「無難」で革新的でないモノやサービス、考え方が生まれにくくなるのに対して、下流は多くの人が関わる必要があるという点である。

この本を読んで、抽象化思考を身につけることであらゆることで様々な「共通点」を見つけることができると感じた。一見、遠いように思われる二つ事柄も「まとめて1つのもの」として扱うことで、より、シンプルに簡潔に伝えられるし、理解できる。「人間は考える葦である」という名言を残した数学者パスカルが残した「今日は時間がなくて文が少々長くなった」という言葉は、まさに、彼が抽象世界で生きていたからである。

ぜひ、本著、読んでみていただきたい。

今日は時間がなくて文章が長くなりました。
次回はもっと簡潔に書きます。 やすかる 



言葉

意思決定は多数が関われば関わるほど無難にる

同本67p

→遊びや身近な決め事でもそうだなって思った

・短絡的 深く考えずに2つのことを結びつける

・卑近 身近でありふれていること

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