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中華CO2レーザーカッター 改造編「アナログ電流計を取り付ける」

どもどもYanでっす。

※今回の改造はレーザーの電源周りをいじります。必ずコンセントを抜いてから行ってください。感電しても当方は一切責任を負えません。自己責任でお願いします。

いったい今何Wで加工してんの?

僕の購入した中華CO2レーザーカッターは、北米でK40 Laserと呼ばれている格安CO2レーザーカッターの一種なんですが、レーザー出力の調整がフル出力に対する割合でしか指定ができません。

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上の写真のように0%~99.9%までの指定になっていて、実際に今の出力がいくつかはわからないんです。50Wに対する割合だからわかるんじゃないの?と思うかもしれないけど、温度による影響とかで100%の出力設定にしてても実際のレーザーパワーって変動しているはず。

さらにややこしいことに、32bit化して制御ソフトにLightburnを使うとLightburn側でもレーザー出力を割合で指定する形になります。これは操作パネルの出力を上書きするのではなく、操作パネルで指定した割合の結果に対しての割合になります。(正確にはファームウェアで最大80%に制限してるので操作パネルで指定した出力の8割に対しての割合になる)

操作パネルで50%指定した上でLightburnで80%に指定した場合

レーザーチューブの出力50Wの50% = 25Wに対してLightburnで80%指定するので25Wの80% = 20Wになっているはず。なんですが、実際にどれくらいの出力で加工されているかは操作パネルでも制御ソフトでも正確にわかりません。

ちょっと古い形式の中華CO2レーザーはアナログの電流計がついているので、実際にレーザーチューブに流れている電流がわかります。これは絶対的な指標にできるんですね。レーザーチューブの劣化で出力が落ちてきたなんてこともわかるので、この電流計の値を目安に設定すれば、いつ加工を行っても同じレーザーパワーで加工することができるようになるというわけ。

そこで今回の「中華CO2レーザーカッターにアナログ電流計をつける」のお話になります。

用意するもの

用意するものはアナログの電流計のみ。電圧は高電圧ですが、流れる電流はさほどでもないので、A表示ではなくmA表示のものを用意します。ホントは日本製のやつを使いたかったんですけど、3倍くらい価格差があるのでアリエクで購入しました。中華レーザーの部品はアリエクでも評価の高いCloudrayでの購入がオススメ。

あとは電流計を配線するための電線。レーザーチューブへの配線に割り込ませるので高耐圧のものが必要です。50Wのレーザーチューブなら、かかっても20kVくらいなはずなので30kVの高圧電線を探します。

30kV用の電線はAmazonや秋月では見つけられなかったのでオヤイデにて購入。直線距離では50cmもあれば十分なのだけど、フタの開け閉めで電線引っ張られるので1mは欲しいところ。

調べてて気になる点が1つ。レーザーチューブの陰極側から電源へきている電線。どうも高圧電線じゃないっぽいんです。チューブで電圧降下しているんだと思うんですが、陰極側とは言え、テスターで調べるのは怖いので、念のためってことで追加する部分だけでも高圧電線使っておきます。そんな高いものでもないし。

配線

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上の図はノーマル状態の一般的な中華CO2レーザーの配線図。今回の改造はピンクの円の部分、レーザーチューブの陰極からレーザー用電源にきている黒いケーブル。ここに電流計を取り付けます。

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陰極から電源に来ているケーブルを電源から外して電流計に取り付け。電流計のもう片方に購入した電線を取り付けて、もう片方を電源のレーザーからの黒いケーブルがついてたとこに取り付け。これでチューブに電気が流れるとその値が電流計に表示されます。

陰極からきている電線は棒型接点が付いてるので、電流計に取り付けるには切り飛ばしてU字型かO型の接点を取り付け3mmネジなので内径3mm以上の接点ならOK。電源側は棒型接点使わなくてもハンダで固めてあげれば大丈夫なはず(というか高圧電線に使える棒型接点使ったら電源側の端子台に入らなかった…)。

どこにとりつける?

配線の目途は立ったので、今度は電流計の取り付け場所を考えないとなりません。確認しやすいのは操作パネル付近なんですが、取り付けるためには約40mmの穴が必要。ミサイルスイッチを取り付ける際にタケノコドリルで12mmの穴を開けたんですけど、僕の手持ちの電動ドリルではこれが限界。マジでドリルぶっ壊れます。

幸いなことに固定のネジは3mmで別に開けるのでこっちはOK。接続端子がある部分は不格好でも穴が開いてればいいんで、途中までタケノコドリルでジグソーの刃が入るだけの穴開けて、残りはジグソーで穴を広げてしまうことにします。

設置場所はスペースに余裕がある操作パネルの上側に決定。この先何か取り付けるというアイデアは今のとこないけど、真ん中につけちゃうと何かつけたいときに面倒なんで操作パネルの右端と揃える感じで取り付けることに。

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いっそのこと操作パネル部分をアクリルで作り直してしまって、そこに電流計も入れてしまえば、鉄板に穴開けなくてもいいと思ったのだけど、出力操作を行うボタンがやっかいなことになってるのでパネルは手をつけないことにしました。

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上のような感じで電流計くっつけました。テストでレーザーを照射してみて針が動けばOK。ちなみに30%で12mA、40%で16mA、60%で20mA、それ以上は20mAで変化なし。今後は取り付けた電流計の値をリファレンスとしていきます。速度〇〇mm/sで出力が〇〇mAなら、アクリルの〇mmが切断できるとか。

まとめ

素材毎に最適なレーザー出力と加工速度を見つけられるかが、レーザー加工を綺麗に行うポイントじゃないかと思うので、出力だけでも明確に判断できる値を見られるようになる今回の改造はメリットが大きいと思います。

冷却水の温度が上がると出力が落ちる傾向にあるという情報をちらほらと見かけるので、そのあたりも調べてみたいとこ。また、レーザーチューブは劣化していくものなので、定期的に出力%設定と電流の値の関係もチェックしておいたほうがいいかも。劣化が進んで壊れる前に新しいチューブ注文とかできるし。

余談ですが、レーザーカッターのスペックに表示されてる出力。40Wとか50Wってなってるやつ。これって最大に出せる出力値であることがほとんどで、常時フルパワーで使うものじゃないです。

smoothiewareのconfigのデフォルトでは80%を最高値にするようになってます。でも、買った状態の中華CO2レーザーって操作パネルでの出力設定が全てなので、常時100%もできちゃうんです。100%はホントに切断能力ギリギリの厚い素材を切るときだけにして、普段は80%までって感じに制限して使った方がチューブが長持ちするはず。

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