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中華CO2レーザーカッター「1.5インチレンズにしたら解像度あがる?」

どもどもYanでっす。

本日のお題は「集光レンズの1.5インチ化」でっす。

中華CO2レーザーカッターに最初から搭載されている集光レンズは標準的な焦点距離50.8mm(2インチ)のものがほとんだと思います。

レンズの焦点距離について

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赤丸の部分を拡大するとこんなイメージ。焦点距離が短いってことは、焦点までに急な角度で収束していくということ。

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レンズの焦点距離と、焦点でのスポット径は比例します。焦点距離が長いとスポット径は大きくなる。しかし焦点のスポット径とほぼ変わらない大きさの範囲が広い(焦点深度が深い)ので、厚さのある素材を切りやすくなります。また、スポット径が小さいということは、照射したときに素材にできる穴が小さくなるので、彫刻の解像度が上がると言えます。

ほとんどのCO2レーザーカッターが標準レンズとしてつけている集光レンズは焦点距離50.8mmです。

8mmくらいの厚さまで断面を均一に切断できるのと、スポット径もそこそこ小さいので、彫刻もそれなりにこなせるというバランスの良いレンズだから採用が多いんですね。

いろいろ書いてきましたが、大事なのはコレ。

焦点距離が長い集光レンズは切断向きで短いレンズは彫刻に向く

今回は標準でついている50.8mmのレンズから38.1mm(1.5インチ)のレンズに換装して彫刻解像度を上げてみようというネタです。(僕の使っている機械の集光レンズ直径は12mmで、12mmの集光レンズは50.8と38.1しか入手できなかったのが現実)

買ったもの

・直径12mm 焦点距離38.1mm(1.5インチ)の集光レンズ
・レーザーヘッド一式(ノズルチューブとレンズ固定ネジだけ使う)

集光レンズは直径12mmで焦点距離38.1mmのもの。今回買った店はCloudray laserというとこ。アリエクでの評価も高いし海外のForumでも時々名前を見かけたとこだったので、レーザーヘッドと一緒にここで購入しました。

買ったレーザーヘッドは、最初からついているレーザーヘッドと同じ形のもの。ミラー取り付け部とかは使わないので無駄になるけど、ノズルチューブだけ差し替えることでレンズに触れることなく簡単に交換できるからと買ったんですが、後になって買っててよかったとなりました。

※注意 レンズに使われているセレン化亜鉛は光学コーティングされているので、毒性は皆無ですが、コーティングされていないものは法律上毒物劇物に分類される危険物です。また、光学部品に手の脂はよくないので手袋をして取り扱いましょう。

そのままでは使えなかった!

ノズルチューブは50.8mmの集光レンズ用に設計されてます。レンズの光が曲がるとこから、ノズル先端まではおよそ40.5mmくらい。ノズル先端からだいたい10mmの距離で焦点がくるようになってます。レンズ径は50.8mmのものと同じなので、取り付けはできるんですが、1.5インチレンズを取り付けると…

あれ?40.5 - 38.1って…

そう、焦点がポイントがチューブ内になってしまうんです。幸いなことにヘッドも買っているのでノズルチューブをどう加工しようと50.8mmは今までと同じ状態で使えます。ヘッド買っておいてよかった!

よし削ろう

先端を削って短くして、焦点がノズル先端より外側に出るようにしてしまいます。ノズルチューブの素材は断面の感じからするとアルミかな?金ヤスリでも削れると思います。僕はディスクサンダー使って一気にやっちまいましたが…。

スピードコントロールは出来ないけれど、金属を磨いたり、削ったりできる優れもの。

金属をサンダーで切ったりして切断面を綺麗にしたり、アルミのヘアライン仕上げをしたりできます。ナイフ作りに使ってる人もAmazonの評価見ても多いみたい。

話が反れたので戻します。焦点がギリギリ出る程度で削るのがノズル口径の拡大を抑えるのにはいいんですが、ノズル先端と焦点が近いとピント合わせが難しくなるので、先端を5mmほど削ってノズル先端から3mmくらいのとこに焦点がくるようにしてます。

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ノズル先端の直径が相当広くなりますが、3Dプリンタのノズルのようにマテリアルを吐出するものではないため、アシストエアの流速が落ちるだけで加工にはほとんど影響ありません。むしろアシストエアの勢いが弱くなることで、薄くて軽い素材の加工で素材がエアで動かないというメリットもあるという気がします。コルクでも端までいくような加工するとエアでズレることあったので。

もともとピント調整の時にノズルチューブを上下させる仕組みなので、差し替えても光軸は狂わないはず。アシストエアのチューブを付け替えて上下させてテスト照射してもノズル先端に貼り付けたテープにあく穴はズレませんでした。

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テープにあいた穴も2インチレンズの時より小さいです。これは期待できるかも。

かなりいいんじゃね?

テストでアクリルに彫刻してみます。

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左が50.8mmで右が38.1mmで出力10%で彫刻したもの。38.1の方が猫の輪郭がシャープです。あとスポット径が小さくなってレーザーのエネルギーが強いので同じ出力でも彫りこみが深くなってます。

5mmの透明アクリルに彫刻して、切り出しもやってみたんですけど5mmくらいなら38.1mmでも大丈夫でした。

まとめ

ノズルの加工が必要になるけれど、彫刻用途であれば使う価値はあると感じました。並べてみないと気が付かないくらいの違いではありますけど、明らかな差があるのも確か。並べてなら30cm離して上の写真のやつを見比べても細部の違いわかります。

木材など発火しやすい素材を切断するときは、ノズルから強いエアが出ていた方が鎮火しやすくなるため、今回の改造したノズルは不向きです。でも切断ではなく彫刻であれば発火の心配ほとんどないので口径が広い改造ノズルでも大丈夫。

彫刻解像度に不満がある方は試してみるといいかもしれません。

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