Anycubic i3 MEGA アップグレード計画⑥ 昇温の待ち時間を短くする~ヒーター編
どもどもYanでっす。
本日のお題は「昇温をもっと早く!」です。
MEGAでは熱くなるところ2つあります。ホットエンドとベッド。ベッドに関してはちょっと簡単な改造では圧倒的効果を得られないんですけど、ホットエンドに関してはとてもコストパフォーマンスの良い改善方法があります。
今回はホットエンドの昇温を速くするお手軽改造がテーマです。ベッド用のコルクシート入手間に合わなかったので…
注意
今回の記事の内容はハードの改造にあたります。メーカーの保証範囲外になる可能性が高いので、実際にやってみる方は自己責任でお願いします。
より発熱量の多いヒーターに交換して昇温速度をあげる
ホットエンドの場合、直接的なアプローチで速度アップを狙います。MEGAのホットエンドには40Wのヒーターカートリッジがついています。これを50Wのものに交換してあげることで発熱量を増やしてあげるという方法。
MEGAは12Vで駆動しているので12Vのものを選びましょう。
ちなみに、もじゃもじゃ様を召喚すると、ホットエンドまるっと使い物にならなくなるので、複数個買っておくと安心です。50Wの昇温速度に慣れると40Wに戻した時すごく遅く感じてしまうので、一度経験してしまうと戻れなくなります。マジで。
交換にはハンダ付け、または圧着工具でのコネクタ作成が必要になります。
個人的には余計な抵抗が増えない圧着工具を使う方法がオススメ。
ハンダ付けの場合
MEGA標準のホットエンドについているヒーターのコネクタ部分を拝借して、50Wヒーターのコネクタにします。具体的にはMEGAのヒーターから伸びているケーブルコネクタ側から5cmほどのとこで切断。そして50Wヒーターのケーブルを適当な長さで切ってハンダでくっつけて熱収縮チューブで絶縁処理という流れ。
絶縁にビニールテープを使うのをネットやリアルでよく見かけますが、経年劣化で剥がれてきたりノリが脇ににじみ出てきてホコリが付着したりと、いいことないので熱収縮チューブを使うようにしましょう。
圧着工具の場合
50Wヒーターのケーブルを希望する長さに切断してXHの2ピンオスコネクタを取り付けます。XHコネクタに差し込む金具はかなり小さく形状が複雑なので専用の圧着工具以外でくっつけるのは難易度が高いです。
サブ基板に差し込むコネクタが加工できたら、ヒーターの交換です。
MEGAのホットエンドの先端の四角いブロック(ヒートブロックと言います)の下にイモネジがハマってる穴があります。ここに六角レンチ突っ込んでイモネジを緩めてやるとヒーターカートリッジが抜けるので、50Wに交換してネジを締めるだけ。
交換時にサーミスタとヒーターのケーブルを束ねているテープは外しておきましょう。使われているテープはカプトンテープという絶縁性、耐熱性のあるテープでamazonとかで買えます。粘着力は弱いですが耐熱性が高いのが特徴。
未使用のホットエンドで交換するのが一番簡単ですが、すでに使っているもので交換する時は付着したマテリアルでネジ穴が埋まっていることがあります。
付着していると思われるマテリアルのプリント温度くらいまで加熱して、真鍮ブラシでヒートブロックをごしごしこすってみてネジ穴が復活すれば冷めるまでまって交換。ネジの周囲やヒーターカートリッジの周りにもマテリアルが入り込んでいて冷めたら抜けないというときは、やけどに十分注意して200℃くらいまで加熱した状態で六角レンチでネジを回して、ラジペンなどでヒーターをつかんで引っこ抜きましょう。
真鍮ブラシ(ワイヤーブラシ)はホームセンターなどでも扱ってるので手ごろな大きさのものを購入してください。ノズルに付着したマテリアル除去でも使うのでFDM方式のプリンタ使う上では必需品です。(ノズルも同じ真鍮製の場合あまり強くこするとキズやノズルの穴の変形に繋がるので注意)
冷めるとまた付着しているマテリアルが固くなって新しいヒーター入らないので熱いうちに50Wヒーターを突っ込んでネジで固定します。
交換後にやっておきたいこと
加熱環境が変わっているので、アップグレード計画③で書いたPIDチューンはやっておきましょう。今回はヒーター交換だけなのでヒーターのチューンだけでOKです。
まとめ
今回のヒーター交換を行うとABSのプリント温度240℃くらいまでなら2分かからないで上がるくらいに速くなります。ヒーターに関してはこの50W化でアップグレード計画の設定目標を達成できてるかなと思っているので、最終型かなと。
ハンダ付けやコネクタ取り付けという手間がかかるけれどコストパフォーマンスの高い改造です。個人的にはモータードライバの静音化と同じくらい満足度の高いカスタムなのでオススメです!
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