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Anycubic i3 MEGA アップグレード計画⑧ ダイレクトエクストルーダーmod 中編

どもどもYanでっす。

本日のお題は「MEGAをダイレクトエクストルーダー化してしまおう」の中編です。

前回のおさらい

前回はダイレクトmodをプリントするところまで書きました。

プリント物

ダイレクトmod本体
ダイレクトmod用ファンインテーク
サブ基板ホルダー
20mmモーター以外の人はスペーサー

準備するもの

薄型モーター(購入)
スプールホルダー(プリントor購入?)
BLTouch(オートレベリング用、購入)
ハンダづけ環境(各自準備してください)
よく切れるカッター

ボーデンmodを分解していくつかパーツを流用するので、作業を初めてから不足に気がつくと元に戻すのがちょっと手間です。しっかり必要な物が揃ってるか確認しておきましょう。

運悪く、もじゃもじゃ様を召喚してしまった時にヘッド下部を巻き込んでマテリアルが付着しどうしようもなくなることがあります。時間とマテリアルに余裕があるのであれば予備のダイレクトmodを1つプリントしておくことをオススメします。

ボーデンmodから流用するもの
ヒートシンクファン
パーツクーリングファン
ホットエンド

本体から取り外して使うもの
エクストルーダー

いざ取り付け!

フィラメントを抜いてから作業しないと後々とても面倒なことになるので、フィラメントは必ずホットエンドから抜いておくこと!

ボーデンmodの外し方は組み立ての逆手順なのでスキップ!

ヘッドを取り付けるためのプレートを外すところからスタートします。

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このプレートは使わないので取り外します。まずはネジを全部取って、プレートを取り外し。ネジはなくさないように保管しておきましょう。

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リニアベアリングを保持している、この黒い樹脂パーツもいらないので外します。無理やり捻っても外せるらしいんですけど、壊しそうで怖いのでリニアシャフトの片側をフリーにしてそこから引き抜くことにします。

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Zキャリッジのここに穴があるので六角レンチで中のネジを回します。するとリニアシャフトが動くようになるので片側に寄せて、リニアベアリングはそのまま残して樹脂パーツだけ横にずらして引き抜きます。

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リニアシャフトは歪ませるとX軸の動きに影響が出るので、そっと扱いましょう。

ダイレクトmodはリニアシャフトを取り外さずに取り付けできるので、もうリニアシャフトは戻してしまって大丈夫。

次はエクストルーダーを取り外してしまいましょう。使うのはエクストルーダーだけなので取り付け時の状態よりも分解します。

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本体から分離させたら、ボーデンチューブは邪魔なので撤去!モーターのコネクタは抜いておきます。エクストルーダーのモーターと反対側のネジを3つ外します。ここはなぜか2mm六角レンチ。蓋を外すときにスプリングが飛び出すことがあるので、ゆっくりと慎重に。

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エクストルーダーのギヤのがフィラメントを挟む力を調整しているネジとスプリングを外します。次にボーデンチューブが差してあった金具を横にずらして取り外します。写真に印付け忘れましたがレバーも取っちゃいます。手前に引き抜く感じ。

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樹脂のパーツを取り外します、これは後で使います。

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大きな歯車を取り外します。

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印をつけたとこにネジがあるのでこれを外します。モーターを固定しているネジです。これは使わないので保管。

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モーターの軸にベアリングが取り残されていることがあります。写真は残ってます。ベアリングとギアを取り外します。ベアリングは抜けないからとラジペンで掴んだりしたらダメです。ギアのイモネジを緩めて、ギアごと下から押すような感じでベアリングは抜きましょう。

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ちなみにベアリングはここにハマってたやつです。

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ホットエンドは下準備が必要です。まずホットエンドのヒートシンク上側のボーデンチューブがついてる金具を外します。ラジペンで掴んで回すとか、スパナを持ってるなら10mmがぴったりサイズ。簡単に外れます。

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ボーデンチューブがかなりホットエンドに入り込んでいたのがわかると思います。ノズル付近までスムーズにフィラメントを送りこむ必要があるので、ダイレクトエクストルーダーと言えども、ヒートシンク内のチューブは必要なんですね。

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なのでヒートシンクの奥、これ以上入らないってとこまでチューブを押し込んで、ヒートシンク入り口から16mmくらいのとこ(少し長い方があとで調整できるのでよろしいかと)でチューブを切ります。ハサミはダメです、チューブが潰れてしまいます。よく切れるカッターとかで切りましょう。

飛び出たチューブ部分には、エクストルーダーに入ってたこの樹脂パーツをかぶせます。このパーツがヒートシンクと隙間なくなるようにチューブの長さを調整しましょう。

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この状態でエクストルーダーに組み込みます。事前に大きなギアを入れておきましょう。

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ここまで組みあげた状態でダイレクトmodに取り付けます。ホットエンドの向きも、この向きじゃないと入らないので注意。ダイレクトmodはかなり攻めたデザインのヘッドなので、特定の方向以外だと干渉してしまって不具合が出てしまいます。

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ポイントとしてはヒーターは奥にあまり出っ張らないようにしておくこと。奥に出ていると、ダイレクトmodの奥の壁が熱で変形、溶けて穴があきます。穴が開くとパーツクーリングファンの風がヒートブロック直撃して温度安定しなくなってプリンタが異常停止しちゃいます。こうなるとダイレクトmodのプリントからやり直しです。

エクストルーダーとホットエンドを組付けたら、次はモーターを取り付けます。

その前にモーターについて。E3Dのモーターを買った人はコネクタ式なのでここは読み飛ばしてもらっても大丈夫。アリエクやAmazonで買った人はモーターから配線が直接出ているので、モーターの配線延長を取り付ける前にやっておく必要があります。

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一番下のフィラメントセンサーへの配線がついてる小さいコネクタ抜きます。するとモーターへの4色の配線とフィラメントセンサーへの配線だけになるので、モーターへの配線を途中で切って、モーターの配線とハンダと熱収縮チューブを使って接続します。モーターの配線が余裕をもってヘッドまで届くようにすること。

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僕は他のモーターに交換する可能性もあると思ってこんな加工をしてあります。基板用のピンヘッダを本体から出ているコネクタにハンダ付けして絶縁処理。ここにモーターからの配線を差せばOKという形。

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モーターの配線が片付いたら次はモーターをエクストルーダーに組み込みつつ固定します。

まずギアの取り付けですが、エクストルーダーの大きなギアと、モーターの軸につけるギアの面が揃うようにします。イモネジで軸に固定するわけですが、Anycubicのエクストルーダーは丁度いい位置でイモネジを締めるための溝がエクストルーダーのケースにあるので締め込むの楽です。他社のTitanエクストルーダーはこの溝ないので締め込み面倒です…。

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ギアを固定できたらモーターの軸にレバーをとりつけます

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レバーを取り付けたらテンション調整のネジとスプリングをはめ込みます。スプリング飛ばさないように注意。

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ここまで組み込めたらフタをかぶせます。フタに3か所ネジ穴あるんですが、奥側のネジは後でサブ基板ホルダーを固定するときに締めるので手前の2つだけ。

上の方は流用するネジになります。下のネジの長さが足りないケースが多いのでその時はM3 35mmネジを使えばモーターに届きます。一応上の1つだけでも大丈夫ではあるんですが、ちょっと怖いので僕は35mmネジ使ってます。

これでとりあえずエクストルーダー周りは落ち着きました。X軸に固定しちゃうと取り付けにくいパーツクーリングファンを付けちゃいましょう。(写真撮り忘れました…)

流用したファンの出口をダイレクトmod後ろ下側のスペースに差し込みます。固定はネジ1本。ボーデンmodで固定に使ったネジは長すぎるのでM3 15mmくらいのでセルフタッピングで無理やり固定。

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サブ基板を固定していきます。まずファンやヒーター、サーミスタのケーブルはサブ基板に接続してしまいます。M3 30mmネジを使ってエクストルーダーのフタに固定します。

BLTouchでオートレベリングを行う人は下にあるBLTouch取り付けの作業を先に済ませてしまってください。後でもできないことはないですけど、ボディをX軸に固定する前に取り付けてしまった方が楽です。

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ボディをX軸へ固定する作業に入ります。ボディのリニアベアリングをはめる部分は切れ目が入っているので、リニアシャフト2本をこの切れ目を通して円の中を通るようにします。

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リニアシャフトについているリニアベアリングを横にスライドさせてボディの保持部に収めれば、X軸への固定は完了です。

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軸に固定が完了したらベルトを固定していきます。要領はボーデンmodのベルト固定と同じ。

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ベルトの固定が終わったらあと少し。フロントのヒートシンクファンとインテークを取り付けます。M3ネジでセルフタッピングですが、ネジが上手くボディに入らないときは3mmドリルで少し入り口を広げてあげるといいです。深さは1~2mmくらいで。

本体側のコネクタは元通り差しておきます。フィラメントセンサーにコネクタ差し忘れないように。

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ダイレクトmodを使って、スプールホルダーを上にもってくるとフィラメントセンサーを介在させる余地がないので、フィラメントの切れ端でも突っ込んで放置してます。取り付けたい場合は…頑張れ。

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とりあえずハード面は完成です!お疲れ様でした!BLTouchを使わない人はMEGA用カスタムファームウェアでそのまま使って大丈夫。エクストルーダーのキャリブレーション、PIDチューンはやっておきましょう。

BLTouchを使ったオートレベリングの人だけの作業

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BLTouchを使ってオートレベリングをする場合はダイレクトmod BLTouch RemixのここにM3ネジ(8mmか10mm推奨)で固定します。ここはセルフタッピングになっているので何度も付けたり外したりを繰り返すとネジが緩くなってしまうので注意しましょう。

BLTouchに付属しているスプリングやネジ、ナットは使いません。向きはBLTouchのケーブルが出ている基板が外側を向くように付けます。

赤、茶、オレンジのケーブルはマザーボードに接続する必要があるので、ケーブルを延長します。同梱のケーブルだけだと、フレームにケーブルをひっかける僕のような取り廻しだと長さが足りなくなります。30cmくらい延長すれば大丈夫。

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BLTouchから出ている赤、茶、オレンジは短いので、付属のケーブルとピンヘッダで接続して延長します。これでも足りないので30cmほど延長。茶色とかオレンジのケーブルなかったので黒と黄色で代用。

白と黒のコネクタはサブ基板に取り付けます。

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サブ基板のここにピンヘッダをハンダ付け。上の写真で右のピンヘッダに白、左に黒がくるようにコネクタを差します。1つだけ大きな電源コネクタ側に白です。

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赤、茶、オレンジはマザーボードまで。底面パネルを逆さにすると左右真ん中のネジはとめられませんが、上と下の6か所で固定できます。そしてマザーの部分にスリットがくるのでここからケーブルを内部へ。

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円で囲んだ部分、上からオレンジ、茶色、赤の順でコネクタをピンに差します。これでBLTouchの配線も終わり。

まとめ

中編はハード面のダイレクトエクストルーダー化を紹介しました。ダイレクトmod編最後の後編はファームウェアやCURAの設定のコツなんかを紹介したいと思います。

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