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【Lost Liner Notes】 ウェザー・リポート / Mr. ゴーン (1978年)

Weather Report / Mr. Gone

これは1991年にリリースされたCDのために執筆したライナーノーツを加筆・訂正したものです。

1978年6月、ウェザー・リポート(以下WR)は衝撃の来日公演を行なった。そう、ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーター、ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンの4人による“あの”WRとしての初めての来日公演である。そのステージはほんとうに“すごい”の一言だった。個人的にはそれまでの音楽観を根底からくつがえされるようなコンサートだった。そして次のアルバムへの期待が頂点に達した1978年10月、この『ミスター・ゴーン」がリリースされた。ぼくも早速輸入盤で手に入れ、はやる気持ちでLPに針を落とした。
.......だが正直なところ、初めてこのアルバムを聴いたとき、このアルバムのことがよくわからなかった。「ヤング・アンド・ファイン」がかろうじて“わかったつもり”になったぐらいで、あとはチンプンカンプンだった。そのサウンドは前作『ヘヴィー ・ウェザー』、そしてあの来日公演とはガラッと変わっていたのである。そしてぼく自身がこのアルバムを“わかる”ようになるまでは、『8:30』のサイドD、そして『ナイト・パッセージ』を聴くまでは待たなければならなかった。そしてその2枚を聴いて初めてわかったことは『ミスター・ゴーン』はやっぱりすごいアルバムだ! 当時のWRは、ぼくの何年も先を歩いていたのである。

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