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マラソンの途中で「もうダメだ」と思ったら

マラソン、つらいですよね。
楽ににこにこしながら42.2km走りきれる人ってそう多くはないんじゃないかなと、素人ランナーで、もともとの陸上選手じゃない普通のオッサンは思っています。
2016年のGWに練習を始めてから6年半。
すんごい真面目に毎朝早起きして少しずつ走ってきた時期もありました。
さぼってぜんぜん走ってない時期もありました。
体調が悪くて走れない・この天候で端ったら死ぬ〜という時期もありました。
いつも、練習で家を出る時には「もう一度ここに戻ってくるぞ」、レースのスタート時点では「必ずゴールに入るぞ」、と思って短い旅に出るのですが、今までに2回だけ中途でダメになったことがありました。

1回は、結構きつい抗がん剤治療を受けているころで、点滴後5日目に近所のジョギングに出かけて、帰り道で足が動かなくなって、携帯電話で女房にヘルプをお願いしてピックアップしてもらったこと。
やっぱり体調不十分の時は無理をしない、と学びました。

もう1回は、抗がん剤治療で準備不足、かつ、体調も今一つで出場した、名古屋シティマラソン(ハーフ)でした。5kmぐらいから急にふくらはぎの筋肉に力が入らなくなって10km関門でピックアップになりました。
ハーフマラソンは距離は短いのですが制限時間がさらに短いのでフルマラソンの制限の1.2倍ぐらいのスピードが求められます。フルのペースでやんわりと走らせてもらえば、ぎりぎり行けるかな〜ぐらいなんですけどね。しょうがないです。

で、足が動かない、もう前に行きたくない、って時に、頭の中に悪魔が出てきて「ほーら、やめやめ〜ヽ(^o^)ノ」って誘いをかけてきた時に、メンタルだけでは支えられません。
ではどうするか。

そうです。足を動かすしかないのです。(あたりまえやん)

じゃあどうやって足を動かすか?

おいらの「俺様理論」で実践している方法を書きます。いちおう医師ですが、スポーツ医学に通じているわけではありませんのでご了承くだされ。

1)肘を曲げて手を胸の前に上げる

ファイティングポーズです。手をおろしてはいけません。手をおろした途端に交感神経スイッチがオフになって、リラックスモードに入ります。リラックスモードで走り続けることは難しいです。
外科医が手術していて、途中交代したり、中途で抜けたりすることを「手を降ろす」といいます(きくせんせいは外科の経験もあるのです)。術野の清潔を保ち、仕事を続けるメンタルを保つため、外科医は手術中は手を術野まで上げ続けています。手が腹よりも降りた途端に気持ちのスイッチが切れます。そういうものです。
ちなみに、術中、術野から離れて考えたり、少し休む時はどうするかというと、胸の前で腕組みをします。気持ちは切れず、術衣・手袋の清潔を保つことができます(手袋の交換をすることもあります)。

2)腕を振る

立位で腕を振ると足が動きます(動物機能生理学で学びます)。これは体の中で回路がつながっているので、腕を振れば足が動きます。
少しだけ足が前に出るだけでもいいのです。何でもいいから手を上げて腕を振りましょう。

3)膝を前に出す

腿を上げる、とか、足を上げる、とか、腰を前に、とか、いろいろ言われますが、こんな状況に陥ったあなたにそんな余裕はないと思います。そして、自分でもこういう方法は試しましたが難しいと感じています。もっと簡単なイメージで実践できないか?ということで自分にとってしっくりするのが、膝を前に出すことでした。
体幹に近いパーツを前に出すイメージで、腿は重いから膝を先進させるイメージでやってみましょう。無理に上げないで、何でもいいから前へ出すイメージです。

4)これでもダメならすっぱりあきらめよう ヽ(^o^)ノ

完走しないと殺されるとか、完走しないと座敷牢とか、完走しないと火あぶりとか、わが家ではそんなことはありません。走りきれんかったら、主催者に拾ってもらうか、やんわり歩いて集合場所に行くか、すっぱりあきらめましょう。しょうがないです。
体を壊して日々の生活に支障を来したら損します。
その辺は大人のバランス感覚と判断で。

ご理解いただけたでしょうか?
まとめましょう。簡単です。

ファイティングポーズで腕を振って膝を前に出す。

明日からも楽しく走って参りましょうヽ(^o^)ノ


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