サービス提供者は無料と有料コンテンツをどう使い分けたらいいの? プロに聞いてみた

こんにちは、かやんぬ(@kaya_uni)です。

自分のビジネスを考えるなかで、いつも「難しいなぁ」と思っていたことの1つが、情報を提供する際の無料コンテンツと有料コンテンツの使い分け方です。

TwitterやInstagramなど軽めのSNSで情報を小分けに出していく分には、有料コンテンツとして販売したいものから少しずつ紹介していくイメージができます。

また、有料コンテンツを動画形式にすることで、文字だけよりもわかりやすい丁寧な説明で理解度アップ、みたいな差別化は図れると考えていました。


が!!!

最近YouTubeを始めたいと思っていて(半年くらい前から言ってる。やるやる詐欺)、有料コンテンツを動画で展開しようと思っているのに無料の動画コンテンツをやる場合、どこで切り分けたらいいんだろう?と悩み出したので考えをまとめてみました。

無料で全部出して満足してもらいたくなる

よく言われる話ですが、無料コンテンツがそもそも質がいいもので、視聴者にとって有益な情報になっていないと有料コンテンツを買おうと思ってもらえない、という話があります。

その説からいくと、無料コンテンツでかなり有益な情報を発信しないと、有料顧客にはなりえないということ。

いや、じゃ、無料と有料をどこで切り分けるんよ?涙。

逆に、「無料コンテンツで出しすぎないようにしなさい!」とアドバイスをもらうこともありました。

「よく無料説明会とか聞いていて、そこまで話して大丈夫?と思うことがあるんだけど、ちゃんと有料部分に来てもらうためにとっておかないとダメよ!」

と言われたのですが、残念ながら私はそれが苦手なのです。

常に接する人には「めっちゃ満足してほしい!」と思って生きています。情報垂れ流し。

YouTubeを始めようと思ったときにも「これを話すならあれも話した方が理解してもらいやすいよなぁ」と視聴者になったつもりで考えていくと、「情報てんこ盛りで有料級やん!」となりました……涙

無料と有料の切り分け方4つ

はい、ではここから私がたどり着いた、無料で大満足してもらいつつも有料にもつなげられる無料と有料の切り分け方4つについてご紹介します。

切り分け1:バックエンド商品から少しずつ小出しにする

スキンケア商品とかお試しを作りやすいよね

上手にできる人や天才肌の人は難なくこれをやっています(私は、全部出したい人なので苦手…)。

最初に、バックエンド商品(最終的に売りたい商品)を作っておいて、そこから少しずつ小出しにして、興味を持ってもらって最終的にバックエンド商品を買ってもらう流れです。

SNSや広告で認知度を広げる→無料セミナーや体験会でもう少し出す→フロント商品(価格安め)で試してもらう→バックエンド(高額商品)売ったるでー!みたいな流れです。

ちなみに世の中はだいたいこうなってます。

ドモホルンリンクルとかも広告で知ってもらって、少しだけ使ってもらって、最終的に定期販売!解約し忘れるとドンドン届く!怖い!!(怖くはない)

あとは、Netflixとかも1週間体験後に有料会員に導かれます。これも期間をこだしにして、本商品を販売している形です。

化粧品など使うと量が減るものや、Netflixなど長期間使いたくなるもので体験ができるタイプはこの形が取りやすいと思うのですが、「セミナー」などの情報商材を売ろうと思うと切り分けが難しいという悩みが残ります。

何度もみたいと思う方もいるとは思うのですが、基本的にはそう何度も見返さないよね……涙

切り分け2:マンツーマンで有料サービスを提供する

有料サービスとしてマンツーマン形式を取り入れる方法。

これは無料から有料への差別化がもっとも簡単な切り分け方です。

どれだけ情報を無料でもらっても、マンツーマンで自分だけに適したものを選んで提供してもらうのとでは大違いだからです。どれだけ情報をもらっても動けない人は動けません。でも、誰かにマンツーマンでサポートしてもらうことで行動につなげることは可能になります。そこに需要があります。

ダイエットとか筋トレもそうですよね。ダイエットの情報なんてもう何千冊と本が出ているし、ネットでもめちゃくちゃ情報は落ちているけれど、情報だけでは動けない人の方が多い。

そういう人に、クライアントにあった的確な支援ができるのがマンツーマンサービスで満足度も高いです。

起業の情報を無料で発信していて、個別コンサルの依頼を受ける戦略もこれです。

web制作とかデザイン制作とか制作系もここに入ります。「素人でも可愛く見せるCANVAの使い方」とかの情報発信をしておいて、いざというときには有料でデザインを販売する!(やっぱり素人とプロの差は大きいので)

ただ、デメリットとしては、時間を売るサービスなので天井があります。受け入れられる人数が限られてしまうんですよね……。

棲み分け3:無料の情報をある一部分に特化して発信する

情報商材を売ろうと思ったときに、考えた方法の1つがこれ、「無料の情報を発信を、ある一部分に特化する」です。

たとえば、「女性の起業支援のための情報商材」を有料で販売したいと思ったなら、「webマーケティング」の部分だけをSNSやYouTubeで紹介していく流れです。

ダイエットの情報を有料で販売したいなら「食事・運動・メンタル」などがあるなかで、メンタル面など一部に絞って発信していくイメージです。

これなら、無料コンテンツでも「話しすぎたらダメ」という想いを抱える必要がないため、発信する側もラクですし、視聴者にとっても満足度の高いコンテンツを作ることができます

分野を絞ったとしても、無料コンテンツで満足してもらえたなら、「もっと広い範囲でこの人から学びたい!」と思ってもらえる可能性が高いです。

いい作戦ですね。今考えてみても何がデメリットかわからないくらいいい作戦ですね(なんでこれ、ダメだと思ったんだっけなぁ…)

棲み分け4:「教えられる権利」を高額で販売する

指導者の資格って高額なの多いよね

最後に、余談ですが、無料と有料との切り分けを考えた場合、「教えられる(指導者になれる)権利」が最も高額で情報を販売しやすいです。いわゆる協会ビジネスとか資格ビジネスといわれるものです。

ヨガでも通常のレッスンをしているだけのスタジオはなかなか利益を出しにくいけれど、指導者養成講座(相場35万)を開催すれば食べていける、という噂をよく耳にしました(スタジオの戦略や力量によるよ)。

そのくらい、資格や協会ビジネスは美味しいということです。

何が美味しいかというと「教えられるようになること」が価値なので、雑な言い方をすると顧客の課題を解決する情報を提供する必要がないということ。

多くの商品やサービスは何かしらの「問題」や「悩み」を解決するためのものです。

でも「教えられる資格」は、こちらが伝えたい内容を盛り込めるのが味噌です。しかも結構高額で販売されている。

中小企業診断士の資格だって国や試験員が「このあたりの知識は必須でしょう!」と決めたものであって、受験者が「中小企業の支援をするために、この分野を学ぶ必要があるので学びたい」と言ったものではないんですよね。

正確には、資格ビジネスは「それを学んだ後に、資格を取得した後に、資格を活かしてなんらかの夢を叶えている自分」を手に入れるというニーズのもとに成り立っています。でもその夢を叶えるところまでの責任を持たないのが資格ビジネスです(いいとか悪いとかではなく)。うむ。

受講者が求めているかどうかに関わらず、こちらが内容を自由に決められるのが資格ビジネス。と考えると、出せる情報量がぐっと増えるんです。そのため、そこに至るまでの無料や格安段階で出し惜しみをしなくてもいいということです。

よって、無料や格安段階で、顧客満足度が高まるのです(で、そのまま資格取得に流れるのです)。

と、こんな感じで考えてみましたが、いまいちパッとしなかったので、切り分けのプロに聞いてみました。

無料・有料コンテンツ切り分けのプロに聞いてみた

ともすたチャンネル

web業界、WordPress界隈で有名な方に「たにぐちまことさん(@seltzer)」という方がいらっしゃいます(めっちゃ本出してる方です)。

プログラミング言語などをYouTube「ともすたチャンネル」で無料で解説しているのに、同じプログラミング言語の有料の講座(Udemy)もめちゃくちゃ売れている人です。

はっきり言って、どうやって切り分けているのかわかりません。

自然とできちゃう天才肌だったらどうしようと想いつつ、思い切って聞いてみました。(思い立ったらすぐ行動!)

私:たにぐちさんって無料と有料の切り分けがすごくうまいじゃないですか? 同じプログラミング言語でYouTubeで無料で配信していても、有料販売コンテンツもめっちゃ売れてるじゃないですか? それってすごくないですか?

たにぐちさん:あー、考えたことなかったですね笑

私:まじで……?(天才肌だった)

たにぐちさん:そう言われて考えてみたら、そもそものターゲットが違うと思って作ってるんだと思います。

YouTubeのほうはサクッと学びたい方向け、有料講座の方はお金をかけてでも学びたいと思ってくださっている方なので、より詳しく丁寧に解説している感じですかね?

私:ほぉぉ。なるほど。確かに言われてみれば。無料と有料だとターゲットの意識が違いますね。なるほど。

たにぐちさん:あとは、無料のYouTubeのほうで「もっと学びたい、知りたい」と思ってもらえるようにユーザーさんを育てている、という感じもあるかもしれません。

「だからそれが、わかっていても難しいんですって!」と言いたかったのですが、飲み込みました。

まとめ:一番大事なのはやっぱりターゲットである

結局のところ、一番大事なのはやっぱり「ターゲット(視聴者さんやフォロワーさん)」でした。

冒頭で

YouTubeを始めようと思ったときにも「これを話すならあれも話した方が理解してもらいやすいよなぁ」と視聴者になったつもりで考えていくと、「情報てんこ盛りで有料級やん!」となりました……涙

と書きましたが、あの時の私に言いたい。

わかってないよ、君は、何も!!!なったつもりかもしれないけれど、全然慣れてないから!

YouTubeを見ている人は、あれもこれも聞きたいわけではないんだよ。情報てんこ盛りじゃなくて、4〜7分くらいでサクッと、知りたいことだけを知りたいんですよ!!

ということで、私は何もわかっていませんでした(ごめんなさい)。

YouTubeを見る層と、有料講座を買う層では、学びたい欲が違うというのは改めて気付かされたことでした。

たしかにYouTubeは本気で学びたいというよりも、まずは基礎とか全体をさらっと知りたい、問題を解決したいという方が多いですよね。

逆に有料でお金を払ってでも学びたいときは、「なぜそうなるか」とか「より詳しく知りたい」と思います。

この考え方は、私のYouTubeと有料コンテンツにもつなげられそうだと感じた話でした。たにぐちプロ、ありがとうございました!



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