非出産主義者の大罪性について

宇宙は生き物の細胞である。
という説がある。
人間の体を成り立たせる細胞の1つ1つが宇宙であり、また私たちの存在するこの宇宙も何者かの体細胞である。という説。
物理的入れ子の構造をもつこの説に時間的な入れ子構造を付け足す。すると。
私の細胞が死ぬ。と。私も死ぬ。と。私のいる宇宙が死ぬ。と。その宇宙を細胞としてもつ生き物もしぬ。
逆に赤子が生まれれば数多の宇宙も同時に誕生する。

では細胞。ではなく、
新たな生命の誕生を行う私のはらが1つの宇宙である。とはいえないだろうか。
ではつまり子を成さぬ私のはらは世界の終わりとなるのか。私は世界を滅ぼす大罪人か。
生まれた瞬間に子を成せなくなった私の宇宙は生まれた瞬間に終わっていたのではなかろうか。終わるために始まったのか。始まることすらできていなかったのか。
いわば私は無精卵!殻を破ることもできずに腐って死ぬのか!

わたしは、常日頃からどうにか自分の腹を殺してしまえないかと考える。下腹部に違和感。鉛筆か何かで突き刺して引き裂いてしまえないかと考えてしまうのです。しかし今やそれは己を殺すのみならずひとつの宇宙を滅ぼす行為。で、あるゆえに私は世紀の大悪党。に、なり得る。
で、す、が、生まれた時点でそもそもこの宇宙は存在しないのですから、透明人間を殺そうと誰も罪には問えないのだから、宇宙が終われば罪も消えるのだから、私は、私の宇宙を殺すことといたします!

するどくけずられた鉛筆、
6Bでは柔らかすぎる、かといって2Hじゃ細くてすぐ折れる。
そうですね2B、3Bぐらいがいいかもしれません。その2B、3Bの鉛筆を
勢いよくへその下の下に突き刺す!だけではもったいないとさらにさらに上
左胸、心の臓に突き刺し奥の奥の、下の下の子宮まで届け届けと
キャンバスのように小宇宙を切り裂いたる私!の!
ずっとずっと頭上の、そらの、天井、に、裂け目が一本。

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