箱の中の猫と袋の中の鼠

男:彼女と喧嘩したんだ。なんか急に怒り出してさ。
女:それ絶対急じゃないよ。
男:は?だって家でくつろいでたら帰ってきた彼女が「皿ぐらいあらえ」って言い出して。
女:うわ
男:しかも近くにあったリモコン俺に投げてきたんだぜ?
女:うーわかわいそ
男:だろ?
女:いやお前じゃない
男:仕方ないから「わかったよ洗うよ。でもリモコン投げるなんて野蛮だ。そもそも俺は疲れてるんだぞ?」って言ったらもっと怒ってさ。
女:だろうよ
男:でもあの時俺が優しい言葉をかけたとしても彼女は怒ったと思うんだけど、女って理不尽だよな。あれってどうしようもなくない?
女:なるほどね…ねぇねぇシュレディンガーの猫って知ってる?
男:知らないけど、突然なに。
女:シュレディンガーの猫って言うのは。箱の中に猫が入っているとして、箱を開けるその瞬間まで中にいる猫は生きているのか死んでいるのかわからない。つまりフタを開けるまで生と死が同時に存在するって話。
男:うん、まぁわかるけど。それがなんだってんだよ。
女:まぁおちつけよ。続きね?シュレディンガーの猫と観測者の効果ってのがあるんだ。
男:観測者?
女:箱の中の重なり合う2つの可能性だけではなく観測という箱の外側の行為も結論に結びつく要因にいれるのさ。
男:ん〜?わからないぞ。つまりどういうことだ。
女:まぁつまり、お前がいくら箱の中の猫を助けようとしても、彼女を怒らせた時点で猫は死んでたのさ。

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