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24篇の私小説

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時間と音楽をテーマに24パターンの短編私小説を書いています。どれも10分程度で読めますので暇なときに是非どうぞ。 「僕」の一人称語りの小説です。毎回テーマを変えて書いてます。
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2020年7月の記事一覧

野垂れ死ぬ、その日まで。

ほれ、カッポレ、カッポレ

カッポレ、カッポレ、カッポレ、ぐいぐい、カッポレ、カッポレ、カッポレ、ぐいぐい

出鱈目な音頭に手を叩き、出鱈目に積まれた酒を飲み続けた。なんでこんなことやってるかは、とっくに忘れていた。

おぼろげな視界でスマホに目を落とすと6:00だった。朝なのか夕方なのかもよく分からん。なんだっていい。ただ出鱈目だ。出鱈目。カッポレ、カッポレ、ほいほい、酒だ、酒だ、ほれ、カッポレ

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立派な人間になれるまで、

もう飲めませーん!けど飲みまーす!いぇーーい!

今宵も白痴が叫んで、カラオケが響いて、酒で喉が焼けていた。毎度毎度の毎度の展開。飲んでも飲んでも何も変わらない。良いことなんて一つもないのに今日も飲んでいた。酒を。酒を。

ノリ悪いじゃーん。と付き合ってはないけどヤッた女が覆いかぶさってくる。対面座位のかっこう。目の前に現れた赤ら顔は完全に目が座っている。僕が、飲み過ぎだよ。と言うとあんたが飲ませ

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