野垂れ死ぬ、その日まで。

ほれ、カッポレ、カッポレ

カッポレ、カッポレ、カッポレ、ぐいぐい、カッポレ、カッポレ、カッポレ、ぐいぐい

出鱈目な音頭に手を叩き、出鱈目に積まれた酒を飲み続けた。なんでこんなことやってるかは、とっくに忘れていた。

おぼろげな視界でスマホに目を落とすと6:00だった。朝なのか夕方なのかもよく分からん。なんだっていい。ただ出鱈目だ。出鱈目。カッポレ、カッポレ、ほいほい、酒だ、酒だ、ほれ、カッポレ、カッポレ、ばかやろう

どっかの席の売春婦がホストにカラオケを歌わせていた。下手くそ、ベランメェ、おら、盛れてるブサイク!その下手くそな歌をやめろ!耳が腐る、なんだその歌は!カタカナ英語を喋るな非国民!貴様に大和の心はないのかバカタレ、クソタレ、焼肉のタレ、焼肉焼いても家焼くな!って焼いてくれ、もういっその俺を焼き殺してくれ!え?なんだって?はぁ?聞こえねーよデコスケ、ばかやろー!あん?あぁ酒ね。酒ね。はいはい、酒ね。そいじゃ、音頭をよろしく。

ほれ、カッポレ、カッポレ、手を叩け、はい、カッポレ、カッポレ、酒を飲め、はい、カッポレ、カッポレ、飲み干して、はい、カッポレ、カッポレ、シャンパン持ってこい乞食野郎!

一息つこう。あぁ自分の酒臭さに涙が出そうだ。きっと胃が腐ってる。おえっ、気持ち悪い、ゴミだ、クズだ、情けない。あぁ?なんだあのクソデブ女は、あぁホストの客ね。はいはい。そりゃ結構毛だらけ猫灰だらけ。それにしてもブサイクだね。感心するほどにデブだし。あれはなんだ?肥溜で溺死したバッファローか?ありゃ相当だな。太りすぎだよ。あれじゃ足開いてもオマンコすら見えないんじゃないか?軽い冒険だよ。サルベージだ。肉に沈んだオマンコを求めて!おい、横に座ってるしけたツラのポコチンホスト。お前ちょっと探してこい。肉の海に眠る乾燥アワビを探してこい。きっと素敵なドドメ色だぞ。香りは芳潤、腐ったパイナップル。あぁきったない。俺なら死ぬね。そんなもの見るくらいなら死ぬよ。あん?なんだってシャンパンご用意できましたって?なんだそりゃ馬鹿野郎!誰が頼んだんだそんなもん!ああ?

あぁ、俺ね。俺が頼んだのね。そりゃそうでしたか。いやいや失礼。ちょっと肉の海に眠る伝説の乾燥アワビをね、探してたのよ。ちょいとしたロマンでしてね。えぇ?訳わかんないって?訳ワカメ、ワカメ酒、ワカメのいたり、なんちゃって、イヤん、ばかん。あぁ?みてんじゃねーよクソホスト、殺すぞ。

いやいや、ごめんごめん。今のはよくないね。やっぱ平和が一番、いやむしろカステラ一番、電話は二番、三時のおやつは…デリヘルがいい!!やっぱり昼下がりのデリヘルが一番エロいよな。デリバリーヘルス!直訳すると健康が届く、なんて素敵なんでしょう健康が一番!人間の美徳は健康だ!

はい、カッポレ、カッポレ、ぐいぐい、ぐいぐい、酒を飲め、カッポレ、カッポレ、ぐいぐい、ぐいぐい、シャンパンラッパでぐいぐい、ぐいぐい、出鱈目、出鱈目、ぐいぐい、ぐいぐい

あぁしんどい。もう許してほしい。こんな仕打ちはあんまりだ。もうゲロの味もシャンパンの味もおんなじだ。境界線なんてない、国境もない、空の上の国境をタンチョウ達は優雅に越えて行くじゃないか。世界は平和が一番だ。ピース!ピース!ピースからのショートホープ、ショートホープ、直訳すると短い希望、人生はショートホープ、短い希望。僕のオチンチンは短い亀頭、身近な死亡、道端で死のう。なんちゃって、こりゃまいった。ガマン汁、あら汁、すまし汁、すみません。死にます。やっぱ無理です。うへへのへ

ほれ、カッポレ、カッポレ、酒を飲め

ほれ、カッポレ、カッポレ、いつまでも

ほれ、カッポレ、カッポレ、シャンパンだ

ほれ、カッポレ、カッポレ、テキーラも

ほれ、カッポレ、カッポレ、コカボムファイヤー!

あのぉ、大変申し訳にくいですが、そろそろ限界でございますな。ところでアンタ誰?私はだーれ?ここはどこ?へ?あぁここが地獄ね。なるほど、なるほど、なるほどザ・ワールド!うへへ、えへへ、あへへ、アヘン、アヘン、覚醒剤はダメゼッタイ。淫行もダメゼッタイ。ありゃ?なんだあのブスは、あぁあれもお客さんなのね。とんだババアだな。萎れてるな。かわいそうに、生きててかわいそうだよ。

でもあんなババアにも若い頃はあったんだなきっと。でも今であれなら昔もブスだろうな。シワシワだな。俺の金玉の裏側みたいだ。ところであのババアは今までに何人の金玉吸ってきたんだろ。ババアの吸った金玉を全部集めたら、それを枕に詰めて本物のキンタマクラを作ろう。アハ、アハ、アハハ、あのババアは本当に妖怪みたいだな。妖怪死に損ない。あはははは。キンタマクラで眠る妖怪死に損ない。死ねない呪い、永遠のババア。そりゃ悲劇だ、何よりの惨劇、もはや喜劇、ババアの悲劇はみんなの喜劇。なんのこっちゃ、パンナコッタ、酒はどこじゃ

ほれ、カッポレ、カッポレ、ほれ、カッポレ、カッポレ、ほれ、カッポレ、カッポレ、ほれ、カッポレ、カッポレ、ほれ、カッポレ、カッポレ、ほれ、カッポレ、カッポレ、ほれ、カッポレ、カッポレ、

チョイストップ、飲み過ぎ、多すぎ、大杉漣、なんちゃって、お後がよろしいようで。え?何にもよくないって?そりゃそうだ。生きてていいことなんて一つもない。じゃあ、なんで生きてんのかって?酒を飲むためだよ、いや違うか、死ぬまで生きるためだよ、これもちと違う。なんでしょう。酔ってない時に考えます。あぁ?別に酔ってねーよ。俺に取っちゃあ酒も水も同じだ馬鹿野郎!え?じゃあ水でも飲んでろって?それは困る。水は困る。なんでって、水は真面目すぎて辛くなるんだよ。不道徳こそ誉れだ。酒は不道徳の極みだ。やっぱり酒だよ酒。あぁ疲れた。もうだめだ。不道徳は疲労が溜まる。道徳は何も生まない。道徳はゼロ。不道徳はマイナス。誉れ高きは脱落。

さて、そろそろ帰るか、はいはい、会計は、会計、ウプ、気持ち悪い、会計持ってこい御ボロ乞食がタコ野郎!なになに、12万円。はいはい。意外と高いね。よく知らんけど。なんでもいいわ。おらよ。つりわいらねーは、ってこれジャスト12万じゃん。あはははは、あはははは、さて帰る。家に帰る。おらは帰る場所へ帰る。帰る場所はどこですか?探し物はどこですか?えぇ、誰も知らないの?俺は知ってるよ。頭いいなぁ俺は。でも今日はよしとこう、あえて家に帰ろう。地獄に帰るのは、また今度。なぁに心配ないさ地獄は逃げない。いつだってそこにある。その代わり天国には手が届かない、そりゃ幻想だからね。絶対に届かない。でも安心したらいい。地獄はいつだってそこにある。アンタのたってる場所が既に地獄だからさ。ウハウヒウフウヘへのホ。はてはて、帰ろう。

じゃあな、クソども、くだらねぇ

朝焼けの中、雑居ビルのエレベーターを下りた。眩しい日差しに目の前が真っ暗になる。それでも僕は今日も家に帰って一人寝むる。起きたらまた酒を飲もう。そんな毎日。

【追記】

何でそんなにボロボロになるまで酒を飲むんですか?と聞かれたら、

こうでもしてなきゃ生きていけないのよ。と答える。

そして続ける、こうじゃなきゃ生きていけないのに、こうしてると怒るし、死んだら死んだで悲しむなんて、お前は本当にわがままだよ。俺じゃない、本当に勝手なのはいつだってお前だよ。

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