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東洋医学と西洋医学の統合

こんにちは

最近、西洋医学と東洋医学の違い、それぞれのメリット、デメリットを整理しています。

日本では医学についてかなり偏りのある考えが浸透してしまっています。

多くの人は西洋医学のことしか知らないので疑問すら持っていないかもしれません。

・検査しても病名が分からないから病院を転々とする。
・原因が分からないけど「とりあえず」ロキソニンが処方される
・薬の副作用に対して薬が追加される

など、こんなことは当たり前だと感じている人もいるのではないでしょうか?

また、東洋医学に対しては胡散臭いとか根拠が乏しいなど中身を知らずに偏見を持っている方もいるのではないでしょうか?
(私も以前は思いっきりこのタイプでした。笑)

西洋には西洋の

東洋には東洋の

得意不得意があるのでこれらを簡潔にまとめたいと思います。

東洋医学

東洋医学とは何を指すのかをまずはご説明します。

狭義には中国伝統医学(鍼灸、薬膳、漢方など)から日本独自に発展した「漢方医学」のことを差します。

広義には、アラビアの「ユナニー医学」、インドの「アーユルヴェーダ医学」、インドネシアの「ジャムゥ」、チベットの「チベット医学」、モンゴルの「モンゴル医学」、中国の「中医学」、韓国の「韓医学」などが含まれます。

これらの医学は地域、歴史、文化的背景のもとそれぞれで発展してきました。

日本の東洋医学は、今から2000年以上前に中国でその基礎となる理論が考え出されたものが600年前くらいに日本に伝えられて独自に発展したものです。

東洋医学は「人間の本来持っている自然治癒力を高めることで回復させる」という考え方があります。

そのため、原因のわからない不定愁訴や難病、癌など、今の西洋医学では治すことのできない病気は東洋医学で回復する可能性があります。
(神ではないのですべてが治せるわけではありませんが)

診察も患部を部分的に診るのではなく全身のバランスの崩れを見つけ、針や経穴(ツボ)、漢方などあらゆる方法を駆使して調整します。

西洋医学

東洋医学に対して、西洋医学は「病気の原因を絶つ」ことを目的とします。

細菌やウイルスを殺したり、症状を抑えるような方法になります。

血液検査、CT、MRIなど患部をさまざまな検査を通して病名をつけ、薬や外科的手術を行います。

外科的手術で癌細胞を取り除く、骨癒合の悪い部位を人工関節を入れるなど、おかげで私達の寿命は飛躍的に伸びました。

しかし、その一方で難病と言われるものは薬を飲み続けて現状を維持する、症状の進行を遅らせるといった対症療法になっている部分もあります。

日本の医療の歴史

なぜ、もともとは東洋医学(漢方医学)を行っていたのに、現在では西洋医学が主になったのでしょうか?

1874年に医師免許は西洋医学のみとなり東洋医学が撤廃されています。

その頃は戊辰戦争があり、傷病者に対して英国人医師ウィリアム・ウィリスが外科的治療などを用いて功績を治めていました。

傷病者に対しては東洋医学では対応できなかったため、西洋医学の需要が高まったと考えられます。

また明治維新の影響もあり、教育制度など、さまざまなものが当時日本より発展していた西洋のものを取り入れるようになりました。

それによって日本は急激な発展をみせ、逆に日本的、東洋的なものは軽蔑してみられるようになりました。

(この明治維新、開国の部分は深掘りするとまだ分かることが多そうです。アメリカによる陰謀もあるかもしれません。)

これからの医療の在り方

このような背景をもとに西洋医学が日本でも発展しましたが、西洋医学では治せない病、原因のわからない症状に対して現在も対症療法しかできていません。

たくさんの薬が開発されても結局は対症療法なのです。

診断の精度も上がり、癌の早期発見率も上がりましたが、癌による死亡者、死亡率も増加しているのです。

原因の分からない病や難病に対しては東洋医学の方が適しています。
癌が治ったなど奇跡と言われる現象には、東洋医学などの伝統医療が関与しています。

世界的にみても今、東洋医学の注目が高まり、西洋医学と東洋医学の良いところを組み合わせて行う「統合医療」が必要とされています。

2013年には厚生労働省が統合医療について
「近代西洋医学を前提として、この相補(補完)、代替医療や伝統医療などを組み合わせてQOL(生活の質)を向上させる医療であり、医師主導で行うものであって場合により多職種が協働して行うもの」
としています。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/about/index.html

また、WHO(世界保健機関)も実際には目には見えないけど存在する「経絡や経穴(ツボ)」の存在を認めています。
Wikipediaより

ドクターだけでなく、他の医療従事者も今後は西洋医学、東洋医学の知識を持ち合わせていくことが医学の発展には必要だと思います。

我々理学療法士の世界でも、西洋医学の「局所」を診る視点だけでなく、東洋医学の「全体」を診る視点が必要です。

「木を見て森を見る」

という言葉があるように統合的に診ることで多くの人の不調や症状を解決することができます。

私は理学療法士ですが、局所の解剖的なところに拘らず、全体を診る視点も今後またお伝えしていけたらと思います。

お読みいただきありがとうございました。

謙虚、感謝、敬意
知行合一・積土成山
岩瀬 勝覚

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