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横隔膜

横隔膜とは、胸腔と腹腔の間にあるドーム上の筋腱の隔癖のことです。

横隔膜が収縮すると円盤が下がり、胸腔が拡張し、内圧が下がり、肺が拡張し吸気されます。

横隔膜が弛緩することによって肺が収縮し、息が吐き出されます。

横隔膜は随意筋であり、ある程度意図的にコントロールできますが、睡眠中などは脳幹からの信号により自動的に働くことが可能です。

また、横隔膜は腹横筋や多裂筋、骨盤底筋群などとユニットを形成し、腹圧のコントロールや腰椎の安定化に関与しています。


解剖

起始は腰椎部、肋骨部、胸骨部の3つあります。
腰椎部:内側脚(右はL1-L4、左はL1-L3)
    外側脚(内側、外側弓状靭帯)
肋骨部:第7〜12肋軟骨の内面
胸骨部:劍状突起の後面、腹直筋鞘の後面

停止:健中心

支配神経:横隔神経(C3、4、5)

胸郭下口から起こり、血管や食道が貫くための3つの孔(大動脈裂孔、大静脈裂孔、食道裂孔)があり、それぞれ大動脈、大静脈、食道が通過しています。

横隔膜の上にはや縦隔があり、右下には肝臓、左下にはが接しています。
横隔膜の収縮弛緩により内臓も上下に動くため、横隔膜が正常に機能することで内臓のマッサージ効果などもあり、代謝との関連も強いです。

また、大動脈や大静脈が通過しているので横隔膜の硬さが下肢の血流にも大きく影響します。
下肢の冷えが気になる方は横隔膜もチェックした方が良いでしょう。


その他の呼吸筋

横隔膜以外にも呼吸に関わる筋肉はいくつかあります。
この辺りもついでに整理しておきます。

吸気は主に横隔膜の収縮で行われていて、外肋間筋も胸郭を拡張するために働きます。
努力性の吸気時には、胸鎖乳突筋斜角筋も働きます。僧帽筋、大・小胸筋、腰方形筋も補助的に働きます。

普段から呼吸が浅かったり、肩に力の入りやすいタイプの方は。無理やり息を吸おうとするので頸部の筋肉が過緊張を起こしやすく、頸部の硬さを生じやすくなります。

このような方は、自然に呼吸ができるように身体環境を整えてあげたり、精神的にリラックスできるようなマインドを整えていく必要がありますね。


安静呼気は肺の元に戻ろうとする力によって行われるので基本的に筋肉を用いません。

しかし、努力性の呼気になると内肋間筋、腹直筋、内外腹斜筋、腹横筋などの呼吸補助筋が働きます。

運動時などはこれらの腹部筋群の働きが重要になります。


自律神経と呼吸

呼吸は、血圧や心拍数など自律神経系で唯一コントロールできる器官です。

呼吸をコントロールして、自律神経の不調やストレスへの耐性をあげていきましょう。

緊張した時、イライラした時に深呼吸をするのは有効です。

その時の意識としてはしっかり息を吐くことにフォーカスしましょう。

吐き出すから入ってくるという循環のイメージが大切です。

また、吸う時に過度になって頸部の筋を緊張させないように、自然に入ってくるくらいがオススメです。

私自身も最近までは過度に吐いて、過度に吸ってました、、、笑

自然に「長く息」ができるようになれば「長生き」できるかも知れませんよ!

お読みいただきありがとうございました。

謙虚・感謝・敬意
知行合一・凡事徹底
岩瀬 勝覚


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