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足底腱膜炎

こんにちは

今回は足底腱膜の機能や炎症を起こす原因をまとめたいと思います。

また、昔の記事で「子供に多い踵の痛み」について書きました。

類似する部分もありますので合わせてお読み頂けたらと思います。


足底腱膜

起始 踵骨隆起、内側結節

停止 第1-5趾の基節骨基部

※足底は4層構造になっており、足底腱膜は1番表層に位置する。
同じ層の内側を母指外転筋、外側を小趾外転筋が通っている。
第2層に短指屈筋、第3層に後脛骨筋、長腓骨筋、第4層に足底方形筋がある

役割

足のアーチを保持することで足部の安定を保つ。(2つの機構がある)

〈ウィンドランス機構〉
歩行時の蹴り出し時にMP関節が伸展すると、足底腱膜が緊張する。
それによってアーチが上昇し、安定性が高まり、緩衝作用が高まることを言う。

〈トラス機構〉
ウィンドランス機構は動的安定性に対しらトラス機構は静的な安定性を保つ。
荷重がかかるとアーチが潰れるように負荷がかかるが、足底腱膜の張力によってアーチを保持できる。


足底腱膜炎とは

足底腱膜に何度も力学的なストレスが加わることで、腱付着部自体に微傷外傷が生じ症状が引き起こされます。

症状は「朝起きて最初の一歩が痛い(モーニングアタック)」「急に歩き出すと痛い」といった症状が特徴的です。

その他にも
・足の裏を押すと痛い
・足の裏が突っ張っている感じがある
・運動後に痛い、運動翌日に痛い
など
症状には個人差があり、強い痛みの人もいれば少し気になるくらいという人もいます。

歩くという行為は日常生活において辞めることが困難なため、1度発症するとなかなか治りにくいです。

荷重時の痛みの場所は
①踵に近いところ(足底腱膜の起始部)
②足の裏の中央部
③指の付け根
で①が最も多いです。


足底腱膜の原因

強い衝撃が繰り返されるようなスポーツ

例えば、
・マラソンでアスファルトなどの硬い地面を走る
・サッカーなどでダッシュやステップを繰り返す

などで発症することが多いです。

その他にも、立ちっぱなしでの作業が長い人なども発症する事があります。

上述した足底腱膜の機能を考えると、この辺りは想像できるかと思います。


何も構造的に問題なく発症していれば、安静にするくらいしか対処できません。

しかし、多くの場合は足底腱膜に負荷が集中するような構造的な問題があります。

その原因は大きく3つ

①ショックアブソーバー(緩衝作用)の低下

②足部アーチの問題

③下腿後面の固さ

これらに問題があり、負荷が加わり続けると足底腱膜炎になります。

治療ではこれらの問題が解決できるようにすすめていけば良いのです。

これらの問題をもう少し深く考察していきます。


①ショックアブソーバー(緩衝作用)

人体においてショックアブソーバーの機能をもつ場所は主に
・足部アーチ
・距骨下関節
・仙腸関節
・肋骨
の4つです。

(膝関節には半月板、脊柱には椎間板とクッション作用のある組織は存在するので、その他の関節にショックアブソーバー機能がないわけではありません。)

上記の4つが大事とわかれば、足部のアーチ以外の部分の機能が低下してないか評価し、改善することで足部への負荷は減ります。

例えば、

・捻挫の既往がある(距骨下関節)
・座りっぱなしが多い(仙腸関節)
・スマホやゲームのしすぎ(胸郭)

このようなことに当てはまる場合はしっかりと評価しましょう。

これらの機能が低下してしまう原因まで目を向けることで解決の糸口が見つかるかもしれません。



②足部アーチの問題

足部には3つのアーチがあります。

・内側縦アーチ
・外側縦アーチ
・横アーチ

これらの機能が低下する要因としては「靴」が大きく影響します。

サイズの合わない靴、かかとの高い靴、靴ひもを緩くしていたり、踵を踏んで履いている、など

といったことはしていませんか?

スポーツの時はちゃんとしたの履くけど、普段のスニーカーはゆったり履いてるという方は多いように感じます。

また、靴ばかり履くので足趾の機能が低下してしまう人も多いです。

砂浜のような柔らかい土で裸足で遊ぶような機会は大切です。

足の指でグーやパーはしっかりとできますか?


アーチが崩れるのは、立方骨が落ち込むパターンと舟状骨が落ち込むパターンがあります。

足根骨の周囲の筋の滑走性、皮膚の硬さなどしっかり評価しアプローチしましょう。

その中で必要があればインソールやテーピングの使用も検討する必要があります。


③下腿後面の固さ

足底腱膜は踵骨から着きます。

踵骨には腓腹筋、ヒラメ筋がアキレス腱を形成し付着します。

つまり、これらの硬さが足底腱膜のテンションを強くします。

下腿後面が硬くなる原因はここでまとめるのが難しいくらいパターンがありますね。汗

簡単な例として、

スポーツでの動き出しの動作が重心移動が上手く使えず、足で蹴り出すパターンの人などは硬くなりやすいですね。
(ふくらはぎをつりやすい人)

上記以外にも、筋膜や経絡からくる問題、内蔵の反射点も下腿後面には存在します。

その方の下腿後面がなぜ硬くなっているのか考察しましょう。



まとめ

今回は足底腱膜炎という症状に対してどのように考察し、アプローチしていくかをまとめてみました。

足底腱膜炎だからと足部のアーチを整えようとしたり、足底腱膜の緊張をダイレクトにアプローチしているだけでは、根本的な解決にならないことが理解頂けたかと思います。

1人ひとり背景は違います。

同じ治療では良くなりません。

しっかりとその人を診て、アプローチしましょう。

慢性障害で悩む人が1人でも減るように。

少しでも役に立ったと思える情報であれば嬉しいです。

お読みいただきありがとうございます。


感謝・謙虚・敬意
知行合一・積土成山
岩瀬 勝覚


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