「イノベーション・スキルセット」をペア読書してみた

今回はTakramの田川さんが最近出版された本、「イノベーション・スキルセット」をペア読書してみました。

ペア読書とは、自分以外の誰か同時に30分程度で無理矢理にでも1冊を読み、その後さらに30分程度かけて内容をディスカッションするという読書方法です。娯楽的に読書を楽しむ場合は向いていませんが、学びを得るために読書をする場合は短時間に集中してインプット、アウトプットができるので、ダラダラと時間をかけて本を読むより効率的でためになります。(*実際には気になるのでペア輪読をした後に改めてじっくり1冊を読んでしまう。もちろん読まなくてもいい)

参考)『ペア読書』という最強の読書法を見つけたので図解します。https://note.mu/1000tea_/n/nc4b9f41aee56

田川さんは、僕が認識している中でもっとも上流からデザインに取り組むことができる日本人の中のひとりで、そのようなキャリア、能力、会社をもっていることにすごく憧れと尊敬の念を感じているため、以前からネット上での記事などを読ませていただいていましたが、今回は本を出されたということで早速読ませていただきました。

内容は簡単に要約すると「これからの時代はイノベーションが必要で、イノベーションを起こせるBTC人材が重要だよね。BTC人材を育てたり、目指して行こうね」って感じです。

BTC人材とは、Business, Technology, Creativityの頭文字をとっていて、これら3つの要素をもって各ジャンルを越境して考え、行動できる人材が重要であるということです。

全体の構成は以下の通りで、今回のペア輪読では正直後半はしっかり読めてないのでまた読み直して見たいところですが、第1章ではなぜBTC人材が必要なのかを説明していて、それ以降でその具体的な人材の育て方や、方法論、ケースの紹介などに少しずつ入っているように思います。

第1章 第4次産業革命の読み解き
第2章 イノベーションを加速する人材像
第3章 BTCトライアングルとデザイン
第4章 BTC型人材へのファーストステップ
第5章 デザイン駆動型プロジェクト

ディスカッションででてきたポイント
・越境人材を育てるにあたって仕事の割り振りで得意領域と不得意領域を50%50%くらいに混ぜることで育てるというのがいい、という話などがキャッチーでおもしろい→たまたま2人ともここが頭に残っていた
・全体的に内容がサラッとしすぎていて重みはなかった
  →抽象度が高く、アカデミックな感じだから?
  →テーマが広すぎ?
  →メインメッセージが既知(未知の人には向いているかも)だから?
  →方法論・体系化されている情報が少ない?
・そもそも田川さんがこの本を書いた目的は?イノベーション人材を増やしたい?採用?営業?→おそらくイノベーション人材を増やして日本企業を活躍させたいと思っていて、ユニクロ柳井さん的に「日本やばい」という危機感を強く持ってる人な気がする
・すべてのビジネスに、テクノロジーが存在することが前提で書いてあるが、そうでない産業(たとえばガスの工事屋さん、駅弁屋さん、美容師などローカルのサービス業など)は存在するのではないか?その場合は田川さんの理屈をどういう捉え方、そのような産業をどういう位置付けにすればいいのか?
→オペレーションの効率化はありうるが、対顧客でテクノロジーが入り込む余地がありそうか?
→余地はある。少なくとも既存産業や会社の枠組みは捨て置いて、需要・顧客ベースで考えた時に置き換えて、アップデートできるのではないか。
・あらゆるビジネスはサービス化している
・話は違うが、人間が様々なサービスを利用して、最後に求め、行き着く先は何なのか?
→けっきょく時間を購入して、自己決定感をもった時間の過ごし方を求めているのではないか

以上、今回はテーマが広く、あまり具体的な学びがなかったのですがディスカッションの中から面白い考えが出てきました。
もう一度読み直して見て、アップデートがあれば更新します。

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